見出し画像

なぜブラジルはコーヒー大国になった?コーヒーがブラジルに根付いた歴史をたどってみる

コーヒー豆の産地と聞いて、どの国を思い浮かべますか?

エチオピア、コロンビア、グアテマラ、ブラジル……。

コーヒー好きなら、ブラジルを思い浮かべる人も多いと思います。

現在、ブラジルは世界最大級のコーヒー生産国として知られています。

でも、ちょっと不思議ですよね。

そもそもコーヒーはブラジル原産ではありません。

では、なぜブラジルはこれほどのコーヒー大国になったのでしょうか?

今回は、ブラジルのコーヒーの歴史を少し調べてみました。



コーヒーがブラジルにやってきたのは1727年

ブラジルでコーヒー栽培が始まったのは、18世紀。

1727年、フランシスコ・デ・メロ・パリェタという人物が、フランス領ギアナからコーヒーの種子を持ち帰ったことが、ブラジルのコーヒー史の始まりとされています。

最初から大規模な農園があったわけではありません。

まずはブラジル北部のパラー州で栽培され、その後、少しずつ南へ広がっていきました。

そしてコーヒー栽培に適した気候や土壌を求めて、リオデジャネイロ周辺へ。

さらに19世紀になると、パライーバ渓谷を中心に大規模なコーヒー農園が広がっていきます。



なぜブラジルで大量生産できたのか?

ここが今回の本題です。

理由は一つではありません。

大きく分けると、

①広大な土地
②コーヒー栽培に適した気候
③世界的な需要の拡大
④大規模農園による生産
⑤輸送インフラの発達

などが重なったことが大きいと考えられます。

ブラジルには広大な土地があり、コーヒー栽培に適した地域も多く存在しました。

そして19世紀になると、ヨーロッパやアメリカなどでコーヒー需要が拡大。

輸出商品としてのコーヒーの価値がどんどん高まっていきました。



「コーヒー輸出」がブラジル経済を変えた

19世紀になると、ブラジルのコーヒー生産は急速に拡大します。

1830年代には、すでにブラジルが世界最大のコーヒー生産国になっていました。

さらに1850年には、ブラジルは世界のコーヒー生産量の約40%を占めていたと、ブラジル農牧供給省も紹介しています。

コーヒーは単なる農産物ではなく、

「ブラジルを支える主要な輸出産業」

になっていったのです。

コーヒー輸出によって得られた富は、都市の発展や銀行、商業、鉄道などにもつながっていきました。



そして鉄道がコーヒー産業をさらに大きくした

大量のコーヒーを生産しても、それを海外へ運べなければ商売になりません。

そこで重要になったのが鉄道と港湾です。

特にサンパウロ州ではコーヒー生産地域と港を結ぶ鉄道が整備され、コーヒーを効率的に輸出できるようになりました。

そして、ブラジルのコーヒー輸出の重要な拠点となったのがサントス港です。

つまり、

広大な土地で栽培

大量に収穫

鉄道で運ぶ

港から世界へ輸出

という仕組みができあがったわけです。



ただし、忘れてはいけない「奴隷労働」の歴史

ブラジルのコーヒー産業の発展を語るうえで、避けて通れないのが奴隷制度です。

19世紀前半のコーヒー農園では、アフリカから連れてこられた人々や、国内で移動させられた奴隷が大量に労働力として使われました。

つまり、ブラジルのコーヒー産業が急速に拡大した背景には、

広大な土地や栽培に適した環境だけではなく、強制的に動員された大量の労働力

もありました。

1888年にブラジルで奴隷制度が廃止されると、その後はヨーロッパからの移民などが農園の労働力として重要になっていきます。特にサンパウロではイタリア人を中心とした移民が増加しました。

この点は、ブラジルのコーヒー史を理解するうえで非常に重要な部分です。



「ブラジル=コーヒー」のイメージができた理由

こうして見ると、ブラジルがコーヒー大国になったのは、単純に「コーヒー栽培に向いていたから」だけではありません。

コーヒーに適した土地



世界的なコーヒー需要の拡大



大規模農園の発展



大量の労働力



鉄道・港湾などの輸送インフラ



世界への大量輸出

という流れが、19世紀に一気に形成されたことが大きかったのです。

そしてコーヒーはブラジル経済そのものを変えるほどの産業へ成長しました。


今では「ブラジル=コーヒー」の時代へ

こうした長い歴史を経て、現在のブラジルには非常に広いコーヒー生産地域があります。

ブラジル産コーヒーと一言で言っても、

* ミナスジェライス
* サンパウロ
* エスピリトサント
* バイーア

など、産地によって特徴も変わります。

普段何気なく飲んでいる「ブラジル」というコーヒー豆も、実はその背景には約300年にわたる歴史があります。

コーヒーを飲むときに、

「この一杯は、どうやってブラジルまで来たんだろう?」

と考えてみると、いつものコーヒーが少し違って感じられるかもしれません。



まとめ

ブラジルがコーヒー大国になった背景には、

「恵まれた自然環境」+「世界的な需要」+「大規模生産」+「輸送インフラ」

がありました。

そして、その発展の過程には奴隷制度や移民の歴史も深く関わっています。

「ブラジルはなぜコーヒーが有名なのか?」

と考えてみると、単なるコーヒー豆の産地ではなく、ブラジルの経済や社会そのものを動かした歴史が見えてきます。

今度ブラジル産の豆を飲むときは、そんな歴史にも少し思いを馳せてみたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!