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どんな時もそばにいる〜焦げたアップルパイを焼いた日〜

美味しそうなリンゴを使い、
アップルパイを作った、とある日。

まずは、アップルパイの中身を作らないと
いけない。フィリングというようだ。

リンゴ、砂糖、レモン汁。お鍋でぐつぐつ。
何ともいえない良い香り。

パイ生地は、もちろん市販品を使う。
成形も一番簡単な、パイ生地の間にフィリングを入れ、上側だけ切り込みを入れた。
あとは卵を塗って焼くだけ。

ただ、この頃コンベクションオーブンを
購入したばかりだった。

なんだか、小洒落た名前だが
温度調整とタイマーがアナログで、
普通のオーブンより小さくレンジ機能もない。

オーブントースターを大きくしたような
出で立ちの真新しいオーブンの中へ入れた。

完成を心待ちにしている我が子と私。

しばらくして、とても懐かしいような

「チン!」

という音が聞こえた。

できた!!

……焦げている。

焦げている。
焦げてない。

とは、ならないか。

あー。

もっと短い時間でよかったのか、
温度が高すぎたのか。

初めて使うのに、
どうして様子を見ていなかったの。

お料理上手な人からしたら、
初めて使うオーブンで様子を
見ていないなんて……
という話ではないだろうか。

しかし、それをしてしまうのが私である。

我が子に、焦げてしまったことを伝える。

ショックな私に近寄り、
焦げたアップルパイを見て、我が子は言った。

「アップルパイ 焦げを添えて」

思わず、
「うまいこと言う!」と私が言うと、

我が子は満更でもなさそうな顔をしている。

なんだか、ショックだった気持ちも和らいだ。

「焦げを添えて」

いいね〜と、一緒に笑った。

「〇〇を添えて」は本来、
ちょっと素敵な料理に使うのに、
なかなかシュールな使い方だ。

いつから、こんなことが言えるように
なったのだろう。

「大丈夫だよ。」

より、優しいかもしれない。

我が子は、面白いことや楽しいことを
考えるのが好きで、人を笑わせることが
好きなようだ。

この「らしさ」は、

これから先も、
きっとそっと我が子の隣にいてくれる。

焦げたのはアップルパイだけだった。

私の気持ちは、
我が子と笑い合えたから
焦げずにすんだ。



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