W杯コラム 北中米の風:vol.10「ロナウドはもう輝けないのか」
W杯で輝けないロナウド
メッシ、ケイン、ハーランド、エムバペ
世界的スターが初戦から結果を残す中、クリスティアーノ・ロナウドは存在感を示すことができなかった。
まず結論から述べると、ロナウドのパフォーマンスが著しく低下したわけではない。
彼が輝けなかったのは、ポルトガル代表が「機能不全」に陥っていたからだ。
あの試合内容であれば、恐らくゴンサロ・ラモス(PSG)がトップに入っても同じ結果になっていたと想像がつく。
ではロナウドが輝くために必要なことは何か。
それは間違いなく「黄金の中盤」の本領発揮である。
現在のポルトガルは歴代最強との呼び声も高く、ヴィティーニャ(PSG)、ジョアン・ネヴェス(PSG)、ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・U)と、中盤の層は今大会屈指のクオリティを誇る。
しかし、これだけのタレントを揃えながら、ボールの回し方は極めて不自然だった。
前線へ届くボールの質・量は低く、特にサイドでのビルドアップが機能しないことで中盤に大きな空洞が生じていた。
ネット上で「ピッチにドーナツができている」と揶揄された通り、対戦相手の対策以上に、ポルトガル側の自滅が苦戦を招いた原因と言える。
サイドの攻撃陣も優秀ではあるが、引いた相手を崩す術を熟知しているビッグクラブの中盤たちを軸に攻める選択肢もあったはずだ。
マルティネス監督がどのような意図でこの戦術を採用したのかは定かではないが、修正しないと2戦目以降も苦戦は避けられないだろう。
もちろん、ロナウド本人が全盛期と比べて動き出しのタイミングや運動量に衰えが見えるのは否定できない。
しかし、今シーズンも35ゴールを記録した決定力に疑いの余地はない。
本人もSNSで「望んだスタートではなかったが、これはまだ終わったわけではない。頭を上げて、次の試合に集中しよう。」と切り替えるような発言をしており、モチベーションは極めて高い。
スペインもカーボベルデとスコアレスドローとなったように、W杯は何が起こるかわからないのは確かだが、持ち味を出せた上での結果であるかは、今後を占う上で重要な観点だ。
1年前にネーションズリーグを制した時のような、躍動感があるポルトガル代表を再び見れることに期待している。
そして、さまざまな批判やフラストレーションをゴールに変え続けてきたロナウドの輝きをもう一度見せて欲しい。
バモロナウド!
