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【うちの居酒屋⑭】スパむス舞う叀代むンド叙事詩・絶品カレヌプラオ颚䞭途採甚の君ぞ莈る゚ヌル

「私、䞭途採甚だから、なんだか呚りから浮いおいる気がしお  」

仕事終わり。すっかり肩を萜ずし、ため息を぀く埌茩の背䞭を芋お、私は迷わず声をかけた。

「よし。あれこれ悩む前に、たずは、矎味しいものを食べよう」

そのたた圌女を連れお垰っおきたのは、私の行き぀けであり最高の特等垭、『い぀もの居酒屋』だ。

冷えたビヌルで也杯するず、埌茩はうちの倧将に向かっお、ぜ぀りぜ぀りず胞の内を打ち明け始めた。

䞭途採甚ずいう立堎の心现さ。

職堎の空気を読もうず必死なのに、勝手がわからず空回りしおしたう焊り。

長幎この職堎で育成に関わっおきた私にずっおも、痛いほどよくわかる葛藀だった。

うちの倧将は、黙っおうんうんず頷きながら話を聞いおいた。

気の利いたアドバむスや、優しい慰めの蚀葉を口にするわけではない。

ただ䞀蚀も発するこずなく、背䞭を向け、おもむろにフラむパンをコンロに眮いた。

カチッ、ボッ。

火が攟たれ、黒鉄がカンッずコンロに圓たる音が響く。

やがお、キッチンから䜕やらスパむシヌで食欲をそそる銙りが挂い始めた。

私は、手際よく朚べらを動かす倧将の頌もしい背䞭を芋぀め、それから、䞍思議そうに瞬きをしおいる埌茩に向かっお少しおどけた声で蚀った。

「ねえ、知っおる 今、あの黒鉄の倧地の䞊で、壮倧な戊いが起きおるんだよ」

「  え」



第䞀幕:嫁入りず孀独

熱颚が吹き荒れ、矀雄が割拠する叀代むンド。

果おなき戊乱の最䞭、ある匱小囜に政略結婚の道具ずしお他囜から嫁いできたのが、ズキヌナ姫でした。

嫁ぎ先の囜は深い悲しみに包たれおいたした。

先代の王は戊火に散り、玉座を継いだのは戊の「い」の字も知らない若きナスヌル王。

高貎な玫の衣を纏う心優しき青幎でしたが、修矅の劂き乱䞖を生き抜く芇気は持ち合わせおいたせん。

そんな圌をお食りの王ずし、裏で実暩を握っおいたのが、ひず回り歳の離れた王の姉、モモ摂政姫でした。

圌女は囜が傟きかけおいるにも関わらず、己の身から湧き出る富のごずく豪奢な暮らしを貪り、自らの地䜍を脅かしかねない若き異囜の姫をひどく譊戒しおいたした。

宮廷の内偎に姫の居堎所はありたせん。

叀参の女官ラりキやトゥラむたちは「所詮はよそ者」ず陰湿な嫌がらせを繰り返し、モモ摂政姫からの圧力は苛烈を極めたした。

しかし、孀独な姫の凍えそうな心を溶かしたのは、他でもないナスヌル王だったのです。

䞍噚甚ながらも寄り添い慰めおくれるその枩かさに觊れ、姫は少しず぀圌に心を蚱し、二人は匷い絆で結ばれおいきたした。

第二幕:戊乱の足音ず姫の策

やがお、容赊のない戊乱の波が抌し寄せたす。

黒鉄の倧地を底から赀く染め䞊げ、すべおを焌き尜くそうずする灌熱の垝囜からの理䞍尜な䟵略に盎面し、宮廷の軍議は恐怖ず混乱を極めたした。

家臣たちが無秩序に浅はかな策を喚き散らす䞭、暩力を振りかざしおいたモモ摂政姫も己の保身に走るのみ。

ナスヌル王は玉座で呆然ずするしかありたせん。

「私が、愛する王のためにできるこずは  」

埡簟の陰で必死に聞き耳を立おおいたズキヌナ姫は、家臣たちの蚀葉、䞋から突き䞊げる敵の猛烈な動き、そしお黒鉄の地圢のすべおを、己の䞭に深く吞収し始めたした。

䜕色にも染たれる淡癜で柔軟な性質を持぀圌女は、呚囲のあらゆる情報ず戊況を取り蟌み、頭の䞭で緻密にシミュレヌションを重ねたのです。

バラバラだった思考のピヌスが䞀぀に繋がった倜。

姫はナスヌル王の寝所ぞず赎き、緎り䞊げた策ず『五぀の戊術』、そしおただ誰にも語っおいない最埌の䞀手をそっず耳打ちしたした。

第䞉幕:采配ず開戊

翌朝、重苊しい空気が挂う軍議の間。

玉座のナスヌル王は、これたで芋せたこずのない力匷い県差しで居䞊ぶ家臣ずモモ摂政姫を芋据え、党軍の陣立おを堂々ず語り始めたした。

「第䞀の芁は、䞀切の防壁を持たせず、モモ摂政姫の軍勢のみを最前線ぞ突出させるこず。

そしおモモの軍が灌熱の猛攻に晒され、その勢いに陰りが芋えた絶劙な瞬間に、第二陣ずしお我ら本軍ずズキヌナの軍を投入する。

モモ軍が流した力ず資源を我らがすべお吞収し、前線を抌し䞊げるのだ」

その無謀ずも思える、しかし恐ろしいほど理にかなった必勝の策に家臣たちは息を呑みたした。

反発しようずしたモモ摂政姫すら蚀葉を倱い、ただ埓うほかありたせんでした。

そしお数日埌。囜境の荒野にお、぀いに開戊の銅鑌が鳎り響きたした。

王の宣蚀通り、最前線に立たされたモモ摂政姫の軍勢は防壁を持たずに匷烈な熱波を受け、激しい攻防の末に深く傷を負っおその勢いを倱っおいきたす。

その瞬間、王の号什ず共に本軍が突撃。

ズキヌナ姫の柔軟な采配により、味方が戊堎に流した資源を䜙すこずなく吞い蟌みながら、戊線を䞀気に拡倧しおいきたした。

第四幕:五぀の戊術、そしお同化の陣

激戊の䞭で敵味方が入り乱れ、䞡軍の陣圢が厩壊し始めたその時、ナスヌル王は぀いに本陣から五぀の戊術を戊堎ぞ解き攟ちたす。

「いけ たずは重装歩兵によるバタヌルの盟を戊堎に行き枡らせ、我らの陣に揺るぎない重厚さを築け

続いお工兵郚隊によるサケヌルの氎攻めを攟ち、匷固な敵陣の足元を厩しお解きほぐすのだ

そこぞケチャッパの赀き陜動隊を展開し、甘き誘いず深き䌏兵で敵を絡め捕り、ニンニクヌルの鋭き槍階兵で本陣ぞ匷烈な䞀撃を突き立おろ

そしお今こそ、党軍で秘薬・カリヌ゚の包囲陣を展開するのだ」

スパむスの砂塵が舞うず、すべおの戊術が黒鉄の戊堎で芋事に混ざり合い、決しお匕き裂くこずのできない匷靭なうねりずなっお敵軍を飲み蟌んでいきたす。

猛嚁を振るっおいた灌熱の垝囜の戊意が完党に喪倱したのを芋届け、王は最埌の号什を䞋したした。

「機は熟した

別の砊にお癜き息を吐きながら熱き修緎を終え、密かに埅機しおいた先代王の秘密郚隊



300䞇の癜銀の民たちよ

今こそこの戊堎ぞ怒涛の波ずなっお雪厩れ蟌み、我らず䞀぀になれ」

戊堎に、か぀お先代王に仕え出番を埅ちわびおいた無数の癜銀の秘密郚隊が雪厩れ蟌みたした。

圌らの真の力は、矛を亀えるこずではありたせん。

圧倒的な数で戊堎を芆い尜くし、分断されおいた軍勢の隙間を埋めおすべおを繋ぎ合わせる「同化の陣」でした。

第五幕:䞉䜍䞀䜓の完成

歓喜に沞く王郜の広堎。ナスヌル王は民衆の前に立ち、高らかに宣蚀したした。

「皆の者、聞け

この奇跡の勝利は、ひずえにズキヌナ姫の類たれなる知略のお陰である。

私䞀人の肩には、この囜はあたりに重い。

これより姫には我が囜の政治の䞭枢を担っおもらう。我らは共に、この囜の平和を末長く守り抜く」

割れんばかりの歓声が響く䞭、䞍意に矀衆がサッず道を空けたした。

そこに珟れたのは、己の歊で戊堎そのものを切り開いた誇りを纏い、激戊の傷跡を残しながらも、か぀おないほど鋭く堂々ずした芇気を攟぀モモ摂政姫でした。

広堎に緊匵が走りたす。

実暩を奪われた倧后が反逆に出るのか——。

家臣たちが息を呑む䞭、倧后は王ず姫の前に進み出るず、䞍敵な笑みを浮かべたした。

「ふん。

小難しい政治や退屈な軍議は、あんたたちで勝手にやりな。

私は元々、玉座でじっずふんぞり返っおいるような性分じゃないんだ」

そう蚀うず、倧后はズキヌナ姫を真っ盎ぐに芋据えたした。

「だが勘違いするなよ、小嚘。

この囜の最前線を匵り、敵を粉砕する最匷の矛は、これたでもこれからもこの私だ。

あんたのその恐ろしい頭脳で、私の力をせいぜい䞊手く䜿いこなしおみせなさい」

か぀お圌女が振りかざしおいた傲慢な敵意は、極限の戊いを経おすっかり角が取れ、そこには玔粋で絶察的な歊力を誇る将ずしおの顔がありたした。

心優しきナスヌル王の「慈愛」、ズキヌナ姫の柔軟な「知略」、そしおモモ摂政姫の圧倒的な「歊力」。

䞉者の力が完党に噛み合い、完璧な䞉䜍䞀䜓ずなったこの瞬間、スパむスの砂塵に守られた無敵の囜家が、真の完成を芋たのです。

倧いなる采配が振るわれるたび、長きにわたり囜を底から支え続ける癜銀の民は、モモ摂政姫の荒々しい歊力も、ナスヌル王ずズキヌナ姫の知恵も、五぀の戊術の䜙韻すらも、すべおを自らの陣圢の䞭に深く吞い蟌み、匷固な盟ずしお囲い蟌んでいきたす。

すべおの勢力が深い赀橙色に完璧に亀じり合い、そこにはもう「よそ者」も「お食り」もない、ただ䞀぀の芳醇な囜家が誕生したした。そしおこの芳醇なる囜の平和は、末長く守られおいったのです——。




「  えっ、郚長。それっお぀たり  」

すっかり自信をなくしお項垂れおいた埌茩が、目を䞞くしお私を芋おいる。

「ほら、冷めるぞ」

絶劙なタむミングで、うちの倧将がテヌブルにポンず皿を眮いた。湯気を立おおいるのは、スパむシヌな銙りが食欲をそそる『倧将特補 鶏ずズッキヌニのカレヌプラオ颚』だ。


✚䞉䜍䞀䜓 絶品カレヌプラオ颚✚

「さっきの壮倧な戊蚘は、うちの倧将のフラむパンの䞭で起きおたお話だよ」

私が笑っおネタばらしをするず、埌茩は「フラむパンの匷火が、灌熱の垝囜ですか」ず今日䞀番の笑顔を芋せた。

淡癜で䜕色にも染たれるズキヌナ姫は「ズッキヌニ」。

心優しきナスヌル王は「ナス」。

豪奢な脂を持぀モモ摂政姫は「鶏もも肉」。

バタヌルの盟やサケヌルの氎攻めずいった五぀の戊術は各皮の「調味料」。

そしお、最埌に出番を埅っおいた癜銀の民は「ほかほかご飯」のこずだ。

スプヌンですくい、赀みを垯びたオレンゞ色に染たったズッキヌニを䞀口噛み締める。

本来は淡癜で、カレヌの䞖界では「新参者」だったはずのズッキヌニ。

だが、鶏肉の匷烈な旚みずスパむスを芋事にスポンゞのように吞い蟌み、今や皿の䞭で䞻圹玚の存圚感を攟っおいる。

「今はただ、新参者みたいで心现いかもしれないけどさ」

熱々のズッキヌニを頬匵る埌茩に、私はビヌルグラスを傟けながら蚀葉を続けた。

「このズッキヌニみたいに、呚りのやり方や知識を䞀生懞呜吞収しおいけばいい。

そのうち結果が぀いおきお、絶察に䌚瀟にずっお欠かせない存圚になるから。

焊らなくおいいよ。

倧䞈倫。

あなた本圓に真面目なんだから。

ただ、呚りはあなたの事を知らないだけで、この調子で真面目に働き続ければ、きっず助けおくれたり、支えおくれたりするはず。

だっお、頑匵っおいる人の事は助けたいっお思うから。

私だっおそうだよ

それで、い぀の間にかチヌムに溶け蟌んでるっおもんだから」

グラスのビヌルをぐいっず飲み干し、私はニダリず笑っおみせた。

「時間はかかるかもしれないけど、私がびしびし育おるよ

あなたは私ず同じくらいの䞖代だから、スパルタでもいけるでしょ笑」

「郚長〜笑、勘匁しおくださいよ〜」

埌茩は倧きく頷き、「すごく矎味しいです」ず少しだけ涙ぐみながらスプヌンを進めた。

力匷く食べるその埌茩の顔を芋お、ああ、明日からはもう倧䞈倫だ、ず私は密かに確信する。新参者を最匷の戊士に倉えたのは、間違いなくうちの倧将の腕(采配)のおかげだ。

心の䞭でこっそり倧将に拍手を送りながら、私も、すべおの旚みを優しく包み蟌んで深い赀橙色に茝くご飯を口に運んだ。

うちの居酒屋の倜は、今日も平和で、ひたすらに旚い。



倧将特補 鶏ずズッキヌニのカレヌプラオ颚(3人前)

材料

・鶏もも肉 300g

・ズッキヌニ 1/2本

・ナス 1/2本

・ご飯 300g

五぀の秘術(調味料)

・バタヌ 20g

・料理酒 倧さじ1

・ケチャップ 倧さじ2

・粉末カレヌ粉 倧さじ2

・ニンニクチュヌブ 3cm

戊術(䜜り方)

①モモ摂政姫の単独突撃

フラむパンに油の防壁は匕かず、鶏もも肉のみを匷火で炒める。こんがりず焌き目が぀くたで激しい熱波を圓おお、自らの脂を匕き出させる。

②本軍ずズキヌナ軍の投入

ズッキヌニずナスを加え、鶏肉から出た濃厚な脂をたっぷりず吞わせながら炒め合わせる。

③五぀の戊術の展開

野菜がしんなりずしお陣圢を厩しおきたら、五぀の秘術を䞀気に投䞋。党䜓にずろみが぀くたで炒め合わせる。

④同化の陣

最埌に枩かいご飯をドサッず雪厩れ蟌たせる。朚べらを振るい、鶏肉の旚みもスパむスの銙りも、ケチャップの酞味も、ご飯䞀粒䞀粒がすべおを包み蟌むように、赀みを垯びたオレンゞ色にムラなく混ざり合えば完成。


いいなず思ったら応揎しよう