【見たこともないキレイな赤は君の瞳だった 】~21年間眠っていたノートの切れ端~
「あなたをずっと見てました」って
急に伝えたあの日の空は
どこまでも透き通っていて
あなたの瞳の色だった
照れながら私の頬をそっと
あなたの優しい手が包み
「僕もあなたを見てました」って
優しい言葉が私の心を抱きしめた
幸せで 幸せで もう何も望むことはないよ
あなたとずっと一緒にいられるのなら
「ずっと一緒にいたい」って
そっと伝えたあの日の空は
見たこともないキレイな赤で
あなたの瞳の色だった
震える声で、私の頬をそっと
あなたの寂しい手が包み
「僕も一緒にいたかった」と
悲しい言葉が私の心を突き刺した
ずっとあなたと一緒にいられるのなら
この幸せが一生続くのなら
もう何も望まない
今私が望むものはあなただけ
幸せってなんで続いてくれないのかな
私は誰を責めればいいの?
あなたの作った飛行機雲は
どこまでも透き通った空を
涙の色で染めていた
この詞は、私が20歳の時に書いたものです。今から約21年前になります。
きっかけは、小学生の頃にさかのぼります。授業で特攻隊について学んだ時、私は言葉にできないほどの衝撃を受けました。
「もしも、自分の大好きな人が確実に死に向かっていくとしたら、自分はどうなってしまうのだろう」
そんな、行き場のない極限の悲しみへの想像が、ずっと心の奥底に引っかかっていました。その思い入れの強さから、後に鹿児島の知覧特攻平和会館へも自ら足を運んだほどです。
それから時が経ち、20歳の学生だった私は、連日の厳しい実習に追われていました。
毎日神経をすり減らし、心が限界まで疲弊していた時期だったと思います。
そんな張り詰めた日々の中、ふと心の防波堤が少し下がった瞬間に、小学生の頃から胸の奥で眠っていたあの「種」のような感情があふれ出し、急にこの言葉たちが降りてきました。
21年経った今、当時の自分が紡いだ言葉を読み返すと、その裏に込めた情景が痛いほど鮮明に蘇ってきます。
例えば、後半の「僕も一緒にいたかった」という過去形の言葉。
これは、すでに君が特攻隊として出撃することが決まっていて、二人の別れが絶対のものだったからです。
本当はとても好きだけれど、国を守るためには行かなければならない。そんな君の、静かで悲壮な決意の表れでした。
そして、「見たこともないキレイな赤」というフレーズ。
これは悲劇的な夕焼けの空の色であると同時に、実は、私に会う前に一人で泣きはらし、真っ赤に染まった君の「瞳の色」を表現したものでした。
残される私も悲しいけれど、同じくらい、君も私と別れるのが辛かった。
でも、そんな弱音や個人的な感情を口にしてはいけない時代でした。
どこにもぶつけられない二人の悲しみと時代の不条理さが、「私は誰を責めればいいの?」という言葉に繋がっています。
最後に、「あなたの作った飛行機雲」を見上げる結びの情景。
これは、君が出撃する戦闘機を地上で見送っている最後のシーンです。空を見上げる私は悲しみで号泣し、空へ飛び立つ君もまた、心の中で涙を流している。
そんな二人分の悲しい涙が重なり合い、どこまでも透き通った空を染め上げていく様子を表現していました。
書き上げた時、自分自身の言葉ながら深く心が動き、それ以来、この詞を書いたノートの切れ端を捨てられず、ずっと大切に持ち続けてきました。
いつか、映画の主題歌に…なんて、壮大な事を考えてしまう私ですが…。「主人公の女の子は当時の私で…」という妄想までして、映画のワンシーンで流れて来そうな詞になればと、密かに思い描いていました。
恥ずかしいです…(笑)
あえて、メロディーは作っていません。
頭の中に浮かぶ音符を固定してしまうと、その瞬間にひとつの世界観が決まってしまう気がしたからです。
読む人の心境によって、静かなピアノの弾き語りのようにも、壮大なオーケストラのようにも響く。
そんな無限の「余白」を残しておきたかったのだと思います。
あれから21年。
私だけの引き出しの奥で、静かにメロディーを待ち続けていたノートの切れ端を、noteを始めたことをきっかけに、初めて外の世界へ送り出してみることにしました。
なんだか、今日こうして発表するための壮大な「20年前の伏線を回収した」ような不思議な気持ちです。
まるで、今日というこの日のために、当時の私がこの切れ端を書き残しておいてくれたような気さえしています。
透き通る青、泣きはらした瞳の赤、そして涙で滲む飛行機雲。
言葉の奥にある情景の「余白」を、少しでも感じていただけたら嬉しいです。
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