鉄って全て同じ種類なの?
前回の記事では、
「ギロチン」
という大きな機械で、長い鉄をバッサリ切る話を書きました。
工場に入ってきた鉄が、
捨てられる
↓
仕分けされる
↓
長さを揃える
↓
ギロチンで切る
ここまで進みましたね。
さて、ここで一つ質問です。
ギロチンで切られたこの鉄、全部同じ値段だと思いますか?
答えは、NO
鉄には「ランク」があります。
分厚くてガッチリした鉄ほど上のランク、
薄くてペラペラした鉄ほど下のランク。
こんなイメージです。
呼び方は、
HS → H1 → H2 → H3 → H4
の5段階。HSが一番上、H4が一番下です。
じゃあ、実際どんなものがどのランクになるのか。
身近なものに例えてみます。
HS・H1=「がっしり系」
一番わかりやすいのは、H形鋼(Hこうこう)。
工事現場とかで見る、断面が「H」の形をした、あのぶっとい鉄骨です。
ああいう、分厚くてガッチリしたものを切ると、
HSやH1
という、一番上のランクになります。
他には、線路のレールとか、太い丸い鉄の棒なんかも、この仲間です。
H2=「よくある鉄骨・自動車まわり」
普通の鋼板や、そこそこの太さの鉄骨。
あとは、車の足回り(サスペンションとか)を解体したものも、ここに入ります。
実はこのH2、新聞やニュースで
「鉄スクラップ価格、1トン◯万円」
と報道される時の、代表選手なんです。
いわば、鉄スクラップの「基準の価格」みたいな存在ですね。
H3=「軽めの鉄」
ガードレールとか、軽い形の鉄骨。
工事現場でよく見る、あの道路脇のガードレールも、切ればH3になります。
HやH2に比べると、一回り薄くて軽い鉄、というイメージです。
H4=「ペラペラ・トタン」
そして一番下がH4。
代表格は、みなさんもよく知っているトタンです。
物置とか倉庫の屋根や壁に使われている、あの薄い波板ですね。
他には、針金やシャッター、古い家具の鉄部分なんかもここに入ります。
「薄くて、軽くて、ペラペラなもの」
これがH4のイメージです。
なんで、こんなに細かく分けるの?
理由はシンプルです。
この鉄を最終的に使うのは、製鉄所。
大きな炉で溶かして、また新しい鉄に生まれ変わらせます。
分厚い鉄は、溶かしても「鉄としてしっかり残る量」が多い。
逆にトタンみたいに薄い鉄は、
溶かす過程で酸化して、目減りしやすい。
同じ1トンでも、厚い鉄と薄い鉄では、できあがる鉄の量が違うんです。
だから、厚みでランクが分かれて、値段も変わってくるわけです。
汚れてても大丈夫。でも……
意外と誤解されがちなんですが、
多少汚れてたり、サビてたりするのは全然OK。
そこは、そんなにシビアじゃありません。
ただし、
アルミや銅など、鉄以外の金属が付いたまま
ネジやプラスチックがガッツリ残ってる「雑品」状態
こういうものは、ランクが下がるというより、
そもそも受け付けてもらえないこともあります。
ここは、また別の機会に詳しく書こうと思います。
鉄の旅は、まだ続く
捨てられる
↓
工場へ
↓
仕分けされる
↓
長さを揃える
↓
ギロチンで切る
↓
厚みでランクが決まる(HS〜H4)
ここまで来ました。
H形鋼も、ガードレールも、トタンも、
同じ「鉄」だけど、それぞれ違うランクで、違う道を歩いていく。
次回は、
「このランク分けされた鉄、どこに売られていくのか?」
という話をしてみようと思います。
鉄の旅は、まだまだ続きます。
