真夏の床下はカラカラ?実は「サウナ状態」になっている。
こんにちは。
真夏の床下って、どんな状況になっていると思いますか? 「外がこれだけ暑いんだから、床下もカラカラに乾燥しているんじゃないの?」と思う方も多いかもしれません。
実は、昔の私も単純にそう思っていました。
あれは20年ほど前、セミの鳴き声が激しい猛暑の日の調査でした。 大きな旧家で床下収納庫がないため、和室の畳を上げて床下に潜ることになったのです。
ところが、床板を剥ぐのにもひと苦労。結露のせいで釘が錆びついていて、なかなか抜けません。 汗だくだくになりながらなんとか板を外し、ようやく床下へ潜り込みました。
しかし、そこに広がっていたのは乾燥とは程遠い世界でした。
むしろ逆です。日陰なので極端に暑いわけではないのですが、空気がずっしり重い。「熱くないサウナ」というか、むわぁ~っとした湿気が体にまとわりつく感覚です。
そして、基礎にびっしりと付着した大量の水滴を見たとき、思わず目が点になりました。
「な、なんだこの水滴は……!?」
土台や大引(おおびき)といった木部はもちろん、グラスウール断熱材を包むビニールまでベタベタに濡れています。 「外から誰かが換気口越しにホースで水を撒いたのか?」と疑ったほどです。(もちろん、そんなわけはありません)
ふと、暗闇の奥から音が聞こえてきました。
「ピッチャん……ピッチャん……」
(はて、漏水かな?)
ライトを照らしてよく見ると、少し斜めに走る金属のガス管がありました。 その表面にも夥(おびただ)しい量の水滴がついており、傾斜をたどって低い方へ流れた水滴が、ぽたりぽたりと床に落ちていた音だったのです。


潜る前のイメージと真逆の、ベタベタ・ぐちゃぐちゃな世界。 当時の私には、あまりにも衝撃的な光景でした。











察しのいい方なら原因はすぐにお分かりですよね。 でも、当時の経験がまだ浅かった私の頭の中には「なぜ??」という疑問が渦巻いていました。
後になって結露と湿度の関係を調べまくりました。絶対湿度?相対湿度?……当時は頭を抱えたものです(笑)。
でも、分かってしまえば理屈はとても単純でした。
キンキンに冷やしたジョッキにビールを注ぐと、表面に水滴がつきますよね。 外の温かく湿った空気が、床下のひんやりとした基礎や配管に触れて冷やされることで、空気中の水分が水滴となって現れる——これが結露の正体です。
床下は日陰なので、外気温よりわずか1〜2度低くなります。 たったそれだけの温度差でも、夏場の湿った空気は抱えきれなくなった水分を一気に吐き出し、夥しい量の水滴に変えてしまうのです。
「たった1〜2度の差」でそんなことが起きているなんて、実際に現場で見なければ信じられなかったと思います。
それまで結露なんて意識もしていませんでしたが、そのすさまじさを目の当たりにしてから、私の考え方はガラッと変わりました。
床下で発生した結露は、土台などの木部にどんどん染み込んでいきます。 すると今度は、そこに「木材腐朽菌(もくざいふきゅうきん)」が付着して繁殖し始めます。
この腐朽菌は成層圏にまで漂っていると言われるほどどこにでも存在するため、逃げることはできません。 木が腐るというのは、ただの自然現象ではなく、この担子菌類という菌が木材を分解して栄養を吸収していく「生物的な作用」なのです。
少し専門的な話になってしまいましたが、家を長持ちさせる上ではとても重要なポイントです。
「じゃあベタ基礎の場合はどうなの?」「湿気の原因や対策は?」といった疑問についても、また機会があれば詳しく書いてみようと思います。
とにかく、「真夏の猛暑では、人間と同じように床下も汗だくだくになっている」ということだけでも覚えておいてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
それではまた。
