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「メモこそ命の恩人だ」という名言

 買ったままろくに読んでいない本が少なからずある。なんとなくその気になったとき、そういう本に目を通す。一昨日の夜、晩酌をしながらそんなことをしていて見つけたのが「メモこそ命の恩人だ」という言葉だ。「名言・座右の銘1500」(ナガオカ文庫)に載っている。

 私は枕元にメモ用紙を置いている。布団に入ってから間もなくとか、夜中に目が覚めたときとかに、創作ネタのヒントや日常の予定に関することなどをしばしば思いつくからだ。
 メモが役に立ったことはずいぶんある。逆に、メモをできなかったために忘れてしまったこともずいぶんある。あとで思い出そうとするのだがむだ骨に終わった。だから、メモの重要さは身をもって痛感している。

 「名言・座右の銘1500」に話が戻るが、この本には解説がない。ただ単に『メモこそ命の恩人だ トーマス・エジソン(発明家)』とあるだけだ。シンプルといえば聞こえはいいが、シンプルにもほどがあるとも思う。
 それはそれとして、しかたがないから自分で調べた。エジソンといえばよく知られているから説明は不要と思うが、やさしくて親切で気の利く私は一応説明する。

 エジソン(1847–1931)は生涯で1,000件超の特許を取得するなどしたアメリカの発明王だ。おもな発明に白熱電球、蓄音機、映写機などがある。
 そして「メモこそ命の恩人だ」だが、彼はメモ魔と呼んでもいいほどにメモを取った。思いつきはもちろん、失敗のデータや図などもメモしていたという。なにしろ、一説によると生涯に遺したメモは500万枚にのぼるともいわれているのだ。

 ところで、さっき「失敗」という言葉を使ったが、彼は失敗について「私は失敗したことがない。ただ、1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」という名言を遺している。
 ちなみに、前述の白熱電球の開発では、高品質のフィラメントの素材を見つけるためだけに2,000回以上も試行したといわれている。たぶん、メモの数は数千枚にのぼったことだろう。そう考えると、500万枚を超えるメモを遺したというエピソードもぐんと真実味を増す。
 そんなエジソンだからこそ、まさにメモは命の恩人と言えるのだろう。ライフワークである発明をささえる大きな力になっていたのだから。


 ところで、この記事を書きながら、こういった名言を新シリーズとして展開できないだろうかと考えた。
 ただし、課題がないわけではない。名言は題材として使いやすいから、これまでにも手がけた人もおられるだろうし、現在展開中の人もおられるに違いない。そういった先達とは多少なりとも差別化を図らなければならない。

 とりあえずいくつかの工夫は思いついた。ひとつは〝よく知られたものは取りあげない〟こと。もうひとつは〝いかにもきれいにまとめられた、かっこうをつけた〟ようなものは取りあげないことだ。
 そして、もっとも肝心なことは〝単なる紹介や解説に終わらない〟ことだが、これがもっともむずかしい。〝おもしろくてためになる〟をめざしたいのだが、「凡筆堂版故事ことわざ辞典」ほどやわらかくはしたくない。それに、そんなことは不可能だと思う。

 うまいぐあいに落としどころが見つかったらやってみたい。この記事のような乗りでいいかな、などとも思ったりするのだが。
 いいアイデアが浮かんだら、とりあえずメモを取っておくことにしよう。



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