嫌いじゃないかも
9ヶ月ぶりに都外へ出張があった。
昔から出張が嫌いだった。
楽しめたことがなかった。
元来筋金入りの自宅好き。
旅行ではない仕事で新幹線と在来線を乗り継ぎ、一日中働く。
慣れない土地での行動はしんどい。
食事なんてコンビニで十分。
同僚に誘われても、何かと理由をつけて断る。
そんな僕を周りは「変わり者」として見た。
僕はむしろ『明日も仕事なのによく酒飲めるよな』と半ば呆れていた。
ところが、出張が嫌いじゃなくなった。かもしれない。
一昨年から三年連続で大阪に出張している。
去年泊まった民宿チックな宿が、思いの外心地よかった。
実家に帰ってきたようなリラックス感。
元気なプードルも迎えてくれた。
夕食は宿近くにある町の寿司屋に入った。
陽気な大将と常連客の掛け合いを肴に、酒と食事がこ気味よく進んだ。
昔病気をされて、今でも投薬治療をしながらお店に立っている。
病気なんて吹き飛ばしてしまうくらいの『陽』の空気。
あのプードルと大将は元気だろうか。
今回は仕事の予定を優先して商談場所の近くにホテルを取り、そこで過ごしたからそこの寿司屋には行けなかった。
出張も旅の一部と思えたら、そこで出会う人、お店、色んな出会いに目を向けることができるようになった。
楽しむ余裕が出てくるタイミングがもう少し早ければ、もっと色んな楽しみに出会えたのだろうか。
何事も自分なりに嗜める、余裕のある男への道は続いていくのだろう。
