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フリーランスの成功はフォロワー数やバズではなくなってきた

以前の私はフリーランスのクリエイターとして成功することを、比較的分かりやすい数字で捉えていました。

SNSのフォロワーが数万人いることや投稿が何度もバズること、有名な企業から依頼が来ること、案件が途切れず、常に忙しくしていることなど。
こうした状態がクリエイターとして評価され、仕事としても成功している証拠なのだと思っていました。

もちろん、今でもフォロワー数や知名度には価値があります。多くの人に作品を知ってもらえれば、仕事や販売の機会も増えます。企業案件やメディア掲載が活動の幅を広げてくれることもあります。

ただ、実際にフリーランスとして活動を続けていると、それだけでは十分ではないことが分かってきました。

注目されることと事業が続くことは別の話

シンプルで当たり前のことなのですが、SNSで多くの人に見られてもフォロワーが増えたり、案件がもらえたり、商品が売れるとは限りません。

一度大きく拡散されてもその後も継続して作品を見てもらえるとは限りません。フォロワーが増えてもイベントやオンラインショップの売上に結び付かないこともあります。

企業案件が途切れない状態も一見すると理想的ですが、依頼された仕事をこなし続けるだけでは、自分の商品や販売経路、顧客との関係が積み上がらないことがあります。それに案件が止まればその時点で売上も立たなくなります。

注目されていることと持続可能な事業を持っていることは必ずしも同じではありません

活動をはじめたばかりの頃はどれだけ多くの人に見られたかを重視していましたが、最近では「どれだけ無理なく繰り返せるか」の方が重要なのではないかと考えるようになりました。

やる気ではなく、習慣で活動する

どれだけ無理なく繰り返せるかを考えたときにたどり着いたのはやる気に頼らない習慣や仕組み作りでした。

創作活動ではやる気や情熱が重視されがちです。

しかし、やる気は一定ではありません。体調、生活環境、仕事の状況、SNSの反応などによって大きく変わります。毎回強い意欲が湧くことを前提に活動をすると調子が悪い時期に活動全体が止まるリスクがあります。

一方で、活動を習慣や仕組みに変えることができれば、やる気が低い時期でも最低限の運営を続けられます。

例えば毎月決まった時期に新作を出すことや定期便を発送すること、イベント後には通販を行うこと、購入者から寄せられた反応を記録し、次の商品企画に反映することなどを習慣として定着させれば、毎回ゼロから企画したり、準備をしたり、大きな決断をしたりする必要がなくなります。

フリーランスとして長く活動するために必要なのは、常に高い熱量を維持することではなく、熱量が低い時にも止まらない構造を作ることなのです。

ファンの要望と活動を結び付ける

もう一つ重要だと感じているのがファンの要望と制作活動を結び付けることです。

これは要望されたものをそのまま作るという意味ではありません。

たとえば私なら、作品を手元に置きたい人にはグッズや画集などを販売し、新しい作品や情報を定期的に受け取りたい人には定期便やメンバーシップ、制作の背景や考え方を知りたい人にはnoteやPatreonのような方法でそれぞれの要望に答えています。

また作家本人やほかのファンと交流したい人には、イベントやコミュニティという選択肢も用意しています。

大切なのはファンが何を求めているのかを観察し、自分が無理なく提供できるものとの接点を探すことです。

作品を一度販売して終わるのではなく、作品や活動と継続的に関われる入口を都度つくって複線化していく積み重ねが、小さくても強い事業につながるのです。

必要とする人に繰り返し届ける

これまでの成功像は多くの人に認知されることを中心に作られていました。これからの成功はそれとは少し異なります。

多くの人と一度だけ関わりを持つことを繰り返すよりも、自分を必要としてくれる人と何度も関わる機会を作ることが基本的な考え方になります。

少人数でも作品を継続して購入してくれる人や新作を待ってくれる人、活動の変化を見守ってくれる人がいて、その人たちの反応を商品や発信、イベントの改善に活かして安定した事業基盤をつくるのです。

もちろん、既存のファンだけを見て活動していればよいわけではありませんが、定期便や定番商品、オンラインショップなどの安定した活動を持っていることは、実験的な作品や新しい企画にも取り組むために必要な地盤の確保にもつながるのです。

自分が管理できる規模で活動を続ける

一周回ってフリーランスの成功はスモールビジネス的なものに近づいています。

売上や知名度を際限なく拡大するのではなく、自分が管理できる範囲で商品を作り、届け、改善していき、大きなバズや強い意欲に依存せず、習慣と仕組みによって活動を続ける。

そして、作品を必要としてくれる人との関係を少しずつ積み上げていく。

フォロワー数やバズは今でも新しい人に作品を知ってもらうための有効な手段ですが、それ自体がイコールで成功なのではなく、事業や関係を作るための入口にすぎないのです。

自分の生活を壊さず必要としてくれる人に作品を届け続けられることが、今の私にとってはフリーランスの成功なのだと考えています。

おわり

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びねつ|イラストレーター 応援いただきありがとうございます 活動の励みになります