あつまれ!ブルーカーボンこども探偵を開催しました!
水族館に「ブルーカーボン探偵」集結
2026年2月28日、仙台うみの杜水族館(仙台市宮城野区)で、子どもたちを対象にした学習イベント「あつまれ!ブルーカーボンこども探偵」が開かれました。主催は宮城県ブルーカーボン協議会。県内の小学生とその保護者あわせて約40人が参加しました。
今回のテーマ「ブルーカーボン」とは、海藻や海草など海の植物が光合成で二酸化炭素(CO₂)を吸収し、海の中に貯める仕組みのこと。地球温暖化の原因の一つとされるCO₂を減らす働きがあり、世界的に注目されています。


【座学パート】海草と海藻の違いを知ろう
講師は「アマモ」という海の植物に詳しい仙台うみの杜水族館の飼育担当・大谷さんです。「かいそう」という言葉には2種類あること、海藻と海草の違いをわかりやすく説明しました。ワカメやコンブのような「海藻」と、アマモなど「海の草」と書く海草は、体のつくりや増え方が異なります。
アマモのような海草は根や葉を持ち、花を咲かせて「種」をつくります。一方、ワカメやコンブなどの海藻は根を持たず、石にくっついて育ち、目に見えない胞子で増えていきます。特にアマモの小さな「種」は、夏の暑い間は海底でじっと過ごし、水温が下がると芽を出して成長します。


海の「森」藻場の役割
藻場とは、海草や海藻がたくさん生えている場所のこと。陸上でいう森や林のような環境で、海の生きものにとってとても大切です。
藻場には、小さな魚やエビが外敵から身を守る「隠れ家」としての役割があります。また、魚の赤ちゃんが育つ「幼稚園」のような場所でもあり、海草や海藻の葉には餌となる小さな生きものもたくさん付いています。さらに、魚の卵を産む場所としても利用され、生まれたばかりの魚がすぐに身を隠せる環境なのです。
加えて藻場は、CO₂を吸収して酸素をつくる「光合成」の働きで、海の中でも二酸化炭素を減らす大切な役割を果たしています。

藻場の減少と海の変化
大谷さんは、宮城の海で藻場が少なくなってきていることにも触れました。アマモや海藻が減ったのは、海水温の上昇や、15年前の東日本大震災の津波など、複数の要因が重なった結果です。

温暖化の影響は、海の生きものの種類や数にも影響します。これまで宮城の海でよく獲れていたサケやホヤは減少しましたが、トビエイの仲間などこれまであまりいなかった生きものが見つかるようになってきました。また、イセエビやタチウオなども新たに獲れるようになり、食材としての利用されるようにもなっています。大谷さんは、良い面と悪い面の両方があることを伝えました。参加した子どもたちは、海の環境が少しずつ変わっていること、その背景には複数の要因があることを学びました。


「ブルーカーボン」で海を守ろう!
大谷さんは、海の環境を守るための方法として「ブルーカーボン」を紹介。ブルーカーボンとは、アマモなどの海草などが光合成を通して二酸化炭素を吸収し、体の中に閉じ込めて海の中に留める仕組みのことです。空気中の二酸化炭素が減ることで、地球の温暖化を抑える助けになると注目されています。
仙台うみの杜水族館では、アマモの種を採取して水槽で育て、海に戻す取り組みや、ワカメ・コンブなど海藻の展示も行っています。現在、松島湾では震災後ほとんど流されたアマモが震災前の30%程度まで回復したと言います。
大谷さんは、こうした活動には水族館や研究者だけでなく、地域の人や探偵のみんな(子どもたち)の協力も大切だと話し、未来の海を守る一員として関わってほしいと呼びかけました。

【体験パート】海の生きものを観察し、種を植える
座学のあとは、お待ちかね!体験の時間です。まずは巨大なコンブとアマモの観察会。子どもたちの背丈よりも大きなコンブがブルーシートの上に並び、触るとヌルヌルしていました。「フコイダン」という成分などによるもので、海藻の特徴を実感できます。
アマモは根っこの部分が残っており、水槽の中ではアマモにくっついていたとみられる小さなヨコエビが泳いでいました。ヨコエビは小さな魚の餌になり、藻場の中で生命がつながっていることを教えてくれます。


次にタッチプールでは、トラザメ、イトマキヒトデ、ケガニ、マナマコ、オオグソクムシなど、さまざまな生きものに触れることができました。恐る恐る触る子、興味津々でじっくり観察する子など反応はさまざまで、豊かな藻場が小さな生きものを育み、大きな生きものの命を支えていることを体感しました。


最後は、子どもたち一人ひとりがプランターにアマモの種を1粒ずつ植える作業です。とても小さな種ですが、芽が出ればやがて海の隠れ家や餌場になります。子どもたちは自分の手で植えた種が水族館のアマモ水槽に投入される様子を見守り、海の環境に自分も関われる実感を味わっていました。


まとめ~未来に続く海の学び
参加した子どもたちは「海藻が二酸化炭素を吸って酸素を出すことを初めて知りました」「アマモや海藻がいろいろな役割をしていると分かりました」などと学んだことや気づきを発表しました。
講師の大谷さんも「みんなが植えた種からアマモが育つのを楽しみにしています。海ではなかなか見られないけれど、水槽で間近に観察できるので、これから芽が出て成長していくアマモをぜひまた見に来てください」と締めくくりしました。今回の学びと体験は、成長するアマモのように、子どもたちの関心や行動の未来へとつながっていくでしょう。
