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「耳を澄ますと聴こえるもの」・・・ここだけのお話

そんなの、聴こえるわけがない。
きっと、そう思われることは分かっています。

でも今日は、少しだけ勇気を出して、ここだけのお話をしてみようと思います。

私は長い間、食の世界に携わってきました。
お菓子を作り、料理に触れ、たくさんの食材と向き合ってきた中で、いつの頃からか「感じる」ようになったものがあります。

それは、「食材の声」。

もちろん、本当に言葉として声が聴こえるわけではありません。
「こっちを見て」「こう料理して」と話しかけてくるわけでもない。

ただ、手に取った瞬間や、料理を口に運ぶ前に、
その食材が持っている空気のようなもの、気配のようなものを感じることがあります。

私はそれを、食べ物の「波動」と呼んでいます。

食事の栄養素や「美味しさ」が私たちの身体や脳波に与える影響は、大学などの研究で、美味しい食事をとることで脳が覚醒・集中状態になり、作業効率や動機づけが向上することが脳波の測定によって明らかにされています。

食材は、もともと命あるもの。
野菜も、果物も、魚も、肉も、それぞれの時間を生きて、私たちのもとへやってきます。

どんな土地で育ったのか。
どんな人が、どんな思いで育てたのか。
動物なら、どんな環境で、どんな餌を食べて育ったのか。
そして、どんな人たちの手を通り、どんな道のりを経て、今ここにあるのか。

私は、食材にはそうした背景が、目には見えない「記憶」のように宿っていると思うのです。

自分で料理をするときは、素材を選び、触れ、香りを感じながら向き合えるので安心します。
けれど外食では、食材の背景も、調理した人も、その場の空気も分からないことがあります。
だから時々、いただく前に少しだけ躊躇することもあります。

そんな時、大切にしているのが「感謝」です。

目の前の料理に、
「ここまで来てくれてありがとう」
「私の体をつくってくれてありがとう」
そんな気持ちを向けてから、いただく。

不思議ですが、それだけで食べ物との距離がふっと近くなり、やわらかい気持ちで口に運べるのです。

私たちの体は、食べてきたものに支えられています。
当たり前のように見える一皿の向こうには、たくさんの命と、人の手と、時間があります。

だから今日も、少しだけ耳を澄ませてみる。

声は聴こえなくても、
感じようとすれば、
食べ物から受け取れるものは、きっとあるのです。

今日も、美味しい食材に感謝して。
「いただきます」の言葉とともに、大切に味わいたい🙏

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