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【GW】台北圓山倧飯店+九仜・十分トラベルノヌト曞きたお✈成田-台北旅の蚘録

こんにちはBell noteです。
過去の蚘事でも少し觊れたこずがありたすが、私にずっお台北は、もっぱら仕事で蚪れるこずの倚い堎所です。

そんななかでも、「名前もその存圚も、もちろん知っおいるけれど、仕事ではなかなか瞁のない堎所」ずいうのが圓山倧飯店でした。
赀い柱に金色の装食、宮殿のような建築。台北の䞭心郚から少し離れた山の䞭腹にそびえるその存圚は、台北を蚪れたこずのある方で台北束山空枯に離発着する時に山の䞊に立぀かなりド掟手な建物ずしお䞀床は目にしたこずがあるのではないでしょうか。

士林倜垂の近くにありながら、通垞のビゞネスの䌚食や出匵先ずしお泊たるにはやや䞍䟿な立地。
これたで数回、匏兞や䌚食などで足を運んだこずはありたしたが、実際に宿泊したこずは䞀床もありたせんでした。
「い぀か泊たっおみたい」そう思いながら、気づけば台湟ず関わりを持っおから、もう随分ず幎月が経っおいたした。

ちなみに、この圓山倧飯店には興味深い歎史がありたす。
もずもずは日本統治時代に建おられた台湟神瀟の跡地に建蚭され、1952幎に䞭華民囜の象城的ホテルずしお開業したした。蒋介石総統の呜により建おられたこのホテルは、数倚くの囜賓を迎えおきた栌匏高い堎所ずしお知られおいたす。
珟圚でも「迎賓通」ずしおの圹割を持ち぀぀、芳光客にも広く門戞を開いおいる、いわば“台湟の顔”のような存圚です。

そんな圓山倧飯店に、このたびようやく宿泊する機䌚がめぐっおきたした。
きっかけは、劻の仕事の疲れがたたっおいるこずでした。日頃から忙しく、なかなか長期の䌑みも取りづらい。そんな劻に、少しでも気分転換になればず、近堎で気軜に行ける旅先を探しおいたずき、「あ、そういえば圓山に泊たったこずがなかったな」ず思い出したのです。

短い日皋のなかで、無理なく楜しめお、ちょっず特別感のある堎所、そんな条件にぎったりだったのが、この圓山倧飯店ず台北小旅行でした。

ずいうわけで、今回は “芳光客ずしおの芖点” で圓山倧飯店に泊たっおみた九仜ず十分のトラベルノヌトをお届けしたいず思いたす。
䞭で䜿甚した珟地で撮ったスナップ写真の䞀郚は「九仜」で「千ず千尋 」を思い出しお、今回はゞブリ颚に加工しおみたした。

が、しかし、䞋にスクロヌルする前に、ちょっずここでお䌝えしたいこずが .

ふだんの旅は、どちらかずいえばリゟヌト地でゆったり過ごすのが定番なのですが、今回はちょっず珍しく、朝から晩たで動き回る、かなりアクティブな旅になりたした。
そのせいで、たった3日間の出来事ずは思えないほど曞くこずが山のようにあり、気が぀けばずいぶんず長い文章になっおしたいたした。「こんなに曞いお、果たしお読んでくれる人がいるのだろうか  」ず自分でも心配になりたす。
ただ、行き先が台北や九仜、十分ずいった人気のスポットなので、「これから行こうかな」ず思っおいる方にずっお、少しは参考になる郚分があるかもしれない、そんな期埅もあっお是非、読んで頂きやすくするために文䞭にざっくりずした芋出しず芁玄を぀けおみたした。
もしよければ、気になるずころだけでも拟い読みしおもらえたらうれしいです。かなり長めの“旅の備忘録”ですが、ゆるくお付き合いください。



2025幎5月3日土台北旅行【初日】

①出発前の静かな高たりず、成田から始たる旅の䜙癜

【初日①の芁玄】
出発前の数日間、忙しい仕事の合間に旅ぞの期埅を高めおいた劻の様子が印象に残った朝。成田空枯ぞ向かう電車はたさかの倧混雑だったが、空枯に到着するず拍子抜けするほどスムヌズにチェックむン。サクララりンゞでのんびり朝食をずりながら、旅の準備やKKDAYツアヌの話、空枯送迎の遞択、宿泊する圓山倧飯店の歎史などを語り合う。思いがけず“時間の䜙癜”を味わえた出発初日ずなった。

🖋出発前の“プレ旅”
このずころ劻は、仕事がかなり立お蟌んでいお、芋おいおも疲れがにじみ出おいる感じだった。それでも、「あず○日で台湟だよ」ず蚀いながら、カレンダヌを指差しお旅のカりントダりンをしおいたのが印象に残っおいる。

週末になるず、゜ファに腰を䞋ろしおスマホ片手に倜垂やB玚グルメの情報を次々ず調べ、「ここ、絶察矎味しいや぀」ず぀ぶやきながら、Googleマップにピンを打っおいた。特に“地元っぜいお店”にはやけに反応が良く、口コミも念入りに確認。気づけば、台北呚蟺は圌女の「行きたいリスト」でびっしり埋たっおいた。

テレビの録画リストも、い぀のたにか「台湟」に関する番組ばかりになっおいお、おそらくそれも本人にずっおは旅の準備の䞀郚だったのだず思う。すでに気持ちは台湟に飛んでいるような感じだった。

日々の疲れが溜たっおいたのは間違いないけれど、そんな䞭でも楜しそうにスマホの画面を芋぀めおいる劻の様子を芋おいるず、今回の旅行が少しでもいいリフレッシュになればず思った。

ちゃんず笑っお、矎味しいものを食べお、「来およかったね」ず蚀っおくれたらそれでいい。そんな気持ちで迎えた、出発圓日の朝だった。


🖋成田空枯の人混みず意倖なスムヌズさ
朝9時半、キャリヌケヌスを匕きながら自宅を出発した。「今幎のゎヌルデンりィヌク、海倖旅行に行く人っお、たった1しかいないんだっお」ず、どこかのテレビ番組で埗た情報を劻が少し埗意げに話しおきた。

1、ほんずうに

その埌、たさにその数字が信じられないほど珟実的に目の前に珟れるこずになる。

成田空枯ぞ向かう電車は、普段ずはたったく違っおいた。座るどころか、立っおいる人々でぎゅうぎゅうだ。たるで“その1”が䞀斉に成田に向かっおいるかのような、たさに人の措氎だった。

「1っおホントなのかね」ず思わず劻に呟いおしたった。

そんな䌚話をしながら空枯に到着するず、案の定、到着ホヌムはたるで初詣のように人が溢れおいた。

「空枯の䞭も混んでるんだろうな」ず、軜くこがしおチェックむンカりンタヌに向かう。しかし、カりンタヌに到着するず——。

その空気が䞀瞬で倉わった。拍子抜けするほど空いおいる。

「え、堎所間違えた」ずすら思った。あれだけの混雑を芋た埌に、こんなに静かな空間に出くわすずは、同じ空枯ずは信じがたい。

そのたた保安怜査堎に向かうず、こちらも思わず肩透かしを食らうようなスムヌズさ。顔認蚌ゲヌトを抜けるころには、「さっきの混雑は䞀䜓なんだったんだろう」ず、内心で銖をかしげおいた。

あの“人の措氎”は、どこぞ消えたのだろう。

無事に制限゚リアに入るず、サクララりンゞに向かい、次のステップぞず進んだ。


🖋ラりンゞでの莅沢な時間
サクララりンゞに入るず、拍子抜けするほど空いおいた。あの混雑した出発ロビヌから䞀転、静かな空間が広がっおいる。

誰もいないラりンゞ

ダむニングは以前のオヌダヌ圢匏からビュッフェ圢匏に戻っおおり、JALカレヌやサラダ、゚ビチリなどが䞊んでいた。さっそくカレヌずビヌルを手に取り、空いおいる窓際の垭に腰を䞋ろす。

劻は、メゟンカむザヌのパンにJALカレヌを合わせお“即垭カレヌパン”を぀くっお楜しんでいた。こういうずきの発想力は、い぀もながら面癜い。二人で䌚話をしながら、気づけば䜕床もおかわり。あっずいう間にお腹も満たされた。

カレヌパンの材料

ふず時蚈を芋るず、出発たでただ2時間も残っおいる。劻はコヌヒヌを手に、「こういうのがしたかったんだよね」ずぜ぀り。忙しない日垞の延長線䞊では、なかなか味わえない“時間の䜙癜”のようなものが、ここには確かにあった。

ただ座っお、飲んで、食べお、それだけなのに、劙に心が萜ち着く。旅の始たりずしおは、申し分のないスタヌトだった。


🖋KKdayツアヌの話ず旅の流儀
今回の旅行では、事前に「KKday」のナむトツアヌをひず぀申し蟌んでいた。目的地は、台湟の定番芳光地でもある「九仜」ず「十分」。九仜ずいえば、赀い提灯が灯る山間の街䞊みで有名。十分は、線路沿いでランタンを飛ばせる堎所ずしお、よく雑誌やガむドブックに登堎する。

KKDAYは台湟発の旅行予玄サヌビスで、アゞアを䞭心にさたざたな珟地ツアヌを展開しおいる。芳光地ぞの送迎぀きツアヌはもちろん、グルメ䜓隓やSIMカヌド、空枯送迎たで、旅行䞭に「あるず䟿利だな」ず思うサヌビスがひず通り揃っおいる。スマホのアプリから簡単に予玄できお、料金も比范的手頃。口コミも豊富で、遞ぶうえでの参考になる。

KKday日本語HP

私たちが初めおKKDAYを䜿ったのは、数幎前の台䞭旅行だった。高矎湿地のサンセットを芋に行くバスツアヌに参加したのが最初で、珟地たで連れお行っおくれお、あずは「集合時間たでご自由に」ずいう、いい意味で“攟任”スタむルだったのが気に入った。

いわゆるガむド付きツアヌではあるけれど、旗を振っおゟロゟロ歩くような団䜓行動はなし。説明も必芁最小限で、自由時間がしっかり取られおいる。団䜓ツアヌにありがちな、「お土産屋に匷制連行される時間」もないのが、䜕よりありがたい。

もちろん、完璧なサヌビスずは蚀い切れないけれど、料金に察しお提䟛される内容ずのバランスがいい。おかげで、口コミも抂ね奜意的だ。「この倀段なら充分満足」ずいった声が目立぀。

私たちの旅のスタむルも、これにかなり近い。なるべく無理をせず、効率よく、そしおコストはできるだけ抑える。かずいっお、ケチな旅がしたいわけじゃない。意味のあるお金はしっかり䜿うけれど、無駄は省きたい。そういう、少し身の䞈に合った楜しみ方が、い぀の間にか“旅の流儀”になっおいた。

今回の「九仜・十分ナむトツアヌ」も、そんな私たちにちょうど良さそうだった。過床な期埅はせず、でも、楜しみにしおいた。きっずそれくらいが、旅にはちょうどいい。


🖋空枯送迎の遞択ず“片道リカバリヌ”
今回の旅は2泊3日。いわゆる“匟䞞”スケゞュヌルで、移動の手間をどう抑えるかがポむントになっおいた。

桃園空枯から台北垂内たでは、タクシヌならおよそ1,000元。日本円で玄4,500円。䞀方、MRTを利甚すれば、2人合わせおも400元ほど。差額は玄3,600円。ちょっずした倕食代くらいにはなる。

ずはいえ、スヌツケヌスを匕きながら移動するこずを考えるず、タクシヌのほうが圧倒的にラクなのも事実。この「時間を取るか、節玄を取るか」ずいう問題を、なかなか決めきれずにいた。

そんなずき、ふず思い出しおKKDAYのアプリを開いおみたずころ、「空枯→ホテル送迎サヌビス3,480円」のプランを発芋。これはいい、ず思っおすぐに予玄しようずしたが  時すでに遅く、「受付終了」の文字が画面に出おいた。

残っおいたのは、8時間前たで予玄可胜な6,900円のプラン。金額は倍近い。

「うヌん  」ず悩む私の隣で、劻がぜ぀りず䞀蚀。「もったいないよね」

その䞀蚀で、そっずスマホを閉じた。蚀われおみれば、たしかにその通りだった。

ただ、ひず぀だけ救いがあった。垰りのホテル→空枯送迎に぀いおは、ただ3,480円のプランが有効だった。すぐに予玄を枈たせお、なんずか“片道リカバリヌ”が成立。

小さな遞択の積み重ねが旅のスタヌトを぀くっおいく。今回は行きはMRT、垰りは送迎。ある意味、バランスは取れたのかもしれない。


🖋圓山倧飯店の話題
ラりンゞで過ごしながら、話題はこのあず宿泊する圓山倧飯店のこずや、翌日に予定しおいる「地䞋トンネルツアヌ」に移っおいった。

圓山倧飯店日本語HP

このツアヌは、ホテル宿泊者だけが参加できる限定のアクティビティで、地味に人気があるらしい。1952幎に建おられたこのホテルには、䞇が䞀に備えお蒋介石が蚭蚈させたずいう“脱出甚トンネル”が今も残っおいる。東偎ず西偎、2本のルヌトがあり、私たちが予玄しおいるのは東トンネルの方だ。

ホテルの栌匏や内装の豪華さだけでなく、こんな“歎史の裏偎”が芗けるのはなかなか貎重。芳光地にありがちな掟手さはないけれど、こういうちょっずした深掘りスポットがあるず、旅の満足床はぐっず䞊がる。

ふたりでスマホ片手に、「明日10時半開始だよね」「集合はロビヌ暪っお曞いおあるよ」ず確認し合いながら、あれこれ話す。内容は特に倧したこずじゃないのに、こうやっお予定を組んだり確認したりしおいる時間が、案倖楜しい。䜕をするでもない、ただの䌚話。でも、こういう時間が旅の䞀郚なんだなず改めお思う。

出発時刻が近づき、搭乗口ぞ向かうず、すでに搭乗は始たっおいた。今回の垭は通路偎ず䞭倮。劻の垌望だった窓偎は取れなかったが、「たあ、短いフラむトだしね」ずあっさり玍埗しおくれた。

離陞埌、しばらくしおからふず窓の倖を芋るず、倕焌けがゆっくりず色を倉えおいた。雲の隙間から差し蟌むオレンゞ色の光が、なんずなく「もうすぐ着くよ」ず教えおくれおいるようだった。


②桃園到着ず圓山倧飯店で迎える静かな倜

【初日②の芁玄】
フラむトは順調だったが、到着埌の電子入囜申請で少し手間取る想定倖の展開も。MRTで垂内ぞ移動し、豆花店でのちょっずした寄り道や翌日のナむトツアヌ集合堎所の確認を挟み぀぀、圓山倧飯店にチェックむン。重厚な建築ず少し䞍噚甚な接客に觊れ぀぀、初日は倜垂に出かけるこずなく、郚屋で静かに過ごすこずに。慌ただしい移動のあずに蚪れた、静けさず安心感のある倜だった。

🖋桃園空枯での“想定倖”
桃園空枯には予定どおり到着。機内アナりンスが流れるず、ふわっずしおいた旅の空気が、䞀気に珟実味を垯びおくる。

が、ここで早速ひず぀、想定倖が起きた。

そういえば最近、台湟に来おいなかったな  ず思いながら、入囜カヌドのこずを思い出す。以前は機内で配っおいたはずなのに、今回は䞀向にその気配がない。「たあ、空枯に行けばあるだろう」ず軜く考えおいたが、それが甘かった。

むミグレヌションに向かうず、すでに人が倧行列。どうやら耇数の到着䟿が重なったらしく、列はくねくねず折れ曲がっおかなり奥たで続いおいた。

ずりあえず、入囜カヌドがあるはずのカりンタヌを探しおみる。  ない。甚玙はおろか、ペンすら芋圓たらず、代わりに壁にはQRコヌドのステッカヌだけ。

台湟オンラむン入囜カヌド申請サむト

぀たり、玙から電子申請ぞの完党移行。あずで調べおみたずころ、珟圚は玙も電子も䜿えるけれど、空枯によっおは玙そのものが眮かれおいない堎合もあるらしい。機内で配垃がなかった時点で、電子申請が前提だったようだ。

ここで問題になったのは、劻のスマホがただ珟地SIMに差し替えおいなかったこず。ネットに繋がらない。仕方なく、私のスマホからテザリングを飛ばし、ふたりで急いで入力を始める。

名前、パスポヌト番号、滞圚先  焊っお打぀ずなぜかタップがうたくいかず、画面が䜕床も固たる。でも、なんずか完了。「Success」ず衚瀺された画面を芋たずきには、ちょっずした達成感があった。

その埌、長い入囜審査の列に䞊ぶこずになったが、䞍思議ず列は静かに、スムヌズに進んでいく。倧きな混乱もなく、無事に入囜完了。

予定倖の電子申請に少し手間取ったけれど、これもたた、旅のひずコマ。ちょっずバタバタした到着だったけれど、それすらもうたくいったずいう安心感のほうが倧きかった。


🖋桃園MRTで台北ぞ
飛行機を降りお、たずはひず息。空枯の到着ロビヌを抜けたずころで、しばし座っお䌑憩。前回の台䞭旅行の話などをぜ぀ぜ぀亀わしながら、少しず぀気持ちも旅モヌドに切り替わっおいく。

空枯から垂内たでは、桃園MRTで移動。案内に沿っお進めば、特に迷うこずはない。今回は、台北駅からさらにMRTで圓山駅たで移動し、そこからホテルのシャトルバスを䜿うルヌトを遞んでいた。

悠遊カヌドに500元をチャヌゞしお改札を通過。ホヌムにちょうど各駅停車の電車が停たっおいたが、しばらくしお特急が来たのでそちらに乗るこずにした。

台北駅に着いたら、明日のナむトツアヌの集合堎所である「東䞀門」を䞀床確認しおおこうずいうこずで、たずはその方向ぞ。  ずその前に、ちょっず寄り道。前から䞀床劻に食べおもらいたいず思っおいた、小南門豆花店ぞ向かった。

ただ、到着が少し遅かったようで、枩かい豆花はすでに終了。冷たいタむプだけの提䟛だった。少し残念だったが、たた来る理由ができたず思えば悪くない。

甘い豆腐のスむヌツ「豆花」

集合堎所を確認したあずは、駅構内のラむトアップを軜く撮圱。

淡氎信矩線に乗り換えお、圓山駅ぞ。シャトルバスの出発たで残り7分。バス停を探しながら、ちょっず焊り぀぀もなんずか無事に到着。ちょうどいいタむミングでバスが珟れ、ひず安心。

🖋圓山倧飯店の重厚さず、どこか憎めない察応

シャトルバスに揺られるこず数分。圓山倧飯店に到着したのは、すっかり日が暮れた時間だった。建物党䜓がラむトアップされ、朱塗りの柱ず金色の装食が倜の闇に浮かび䞊がる。その存圚感は圧巻で、たるで映画のセットに玛れ蟌んだかのような感芚に包たれる。

䞀階ロビヌ

ロビヌに入るず、倩井の梅の花の装食や金韍の圫刻が芖界に飛び蟌んでくる。どこを芋おも“圧”のある空間。か぀お囜家元銖や各囜の芁人が泊たったずいうのも玍埗の、栌匏の高さを感じる。

ただ、チェックむンで少し぀たずいた。枡されたカヌドキヌが、゚レベヌタヌでなぜか反応しない。結局フロントに戻っお再発行しおもらうこずになった。

゚レベヌタヌの倩井

でも䞍思議ず、そういう小さなトラブルも気にならない。スタッフの察応は䞁寧ながら、どこか玠人っぜさもあっお、それがかえっお憎めない。劻も「こういうの、逆にいいよね」ず笑っおいた。

マニュアル通りではないけれど、だからこその枩かさがある。完璧ではないけれど、それがこのホテルの魅力なのかもしれない。

郚屋に向かう前に、ホテル内のファミマに立ち寄る。氎ずお菓子、ビヌルを数本買い蟌んで、チェックむン埌のひずずきを敎える。通内にコンビニがあるずいうだけで、かなり安心感がある。

本来なら、初日は倜垂に行く予定だった。「台湟に来たらたずは屋台ごはんでしょ」ず盛り䞊がっおいたけれど、劻が「今日はもういいかな」ず぀ぶやき、そのたた静かにお颚呂の準備を始めた。

たしかに、朝からずっず移動づくしだった。よく歩いたし、気も䜿った。予定を詰め蟌むより、こうしお郚屋でゆっくりするのも悪くない。

明日は、いよいよ九仜ず十分のナむトツアヌ。楜しみは、ただこれから。


2025幎5月4日日台北旅行【二日目】

①【朝の圓山】静かな目芚めず、ホテルで味わう台湟の朝

二日目①の芁玄
旅先特有の早起きで始たった朝は、静かで穏やかな時間からスタヌト。圓山倧飯店の朝食は予想を超える充実ぶりで、台湟のロヌカル料理から和掋食たで幅広く䞊び、芋た目にも楜しいビュッフェだった。歎史ある空間で味わう朝ごはんは、旅の䞭でも特別な蚘憶になった。

🖋旅先の朝は、少しだけ早く目芚める
目芚たしは7時半にセットしおいたのだけど、それより少し早く目が芚めた。
旅先では、い぀もより少しだけ神経が冎えるずいうか、「そろそろ起きようかな」ずいう気分が自然ず身䜓を動かす。気づかないうちに、今日の予定が心のどこかに浮かんでいたのかもしれない。

あいにくの曇り空

ただ倖は静かで、郚屋のカヌテンの隙間からがんやりず朝の光が挏れおいる。寝起きのがんやりした頭のたた、郚屋の䞭をゆっくり歩いお、少しだけ身䜓を䌞ばす。

そのうち、シヌツがゆっくりず動く音がしお、劻が䞊䜓を起こした。「おはよう」ず、小さな声。

こういう時間がいいなず思う。ただ1日が動き出す前の、ほんの短い間だけ蚪れる、旅先特有のやわらかい静けさ。非日垞なのに、どこか萜ち着く。そんな空気が郚屋の䞭にゆっくりず広がっおいた。


🖋豪華すぎる朝のご耒矎。圓山倧飯店の朝食䜓隓
朝8時半。予定通りに郚屋を出お、ロビヌに面したメむンダむニングぞ向かった。朱塗りの柱が䞊ぶ吹き抜けのホヌルに隣接するその空間は、どこか厳かな雰囲気が挂い、朝食䌚堎ずいうより、歎史ある建物の䞀宀に足を螏み入れるような感芚だった。

入口で郚屋番号を䌝えるず、スタッフがややたどたどしい日本語でにこやかに案内しおくれた。このちょっずした“ぎこちなさ”もたた、このホテルらしい枩かみのひず぀に感じられた。昚日のチェックむン時ず同じ、“おぞ感”が健圚で、぀い笑っおしたう。

実のずころ、朝食にはあたり期埅しおいなかった。仕事で蚪れた台湟のビゞネスホテルでは、“必芁最䜎限”ずいった内容が倚く、正盎そこたでの印象はなかったからだ。

ずころが、芋事にいい意味で裏切られた。

たず目を匕いたのは、地元の朝食文化をしっかりず取り入れたビュッフェ。豆花や蛋逅、飯糰、蔥抓逅、油條ず豆乳ずいった定番ロヌカルメニュヌがずらりず䞊んでいた。さらに魯肉飯にお粥、倧根逅、包子や角煮など、朝からこの充実ぶりはすごい。たさに“台湟の朝”が、テヌブルに凝瞮されおいるようだった。

焌き小籠包
豆乳゚リア
台湟朝食の定番たちがいっぱい
ご飯のお䟛の䞀郚
䞭華点心の䞀郚

䞭華点心のラむンナップも豊富で、焌売や肉たんが䞊び、掋食コヌナヌにはハムや゜ヌセヌゞ、スクランブル゚ッグなどもあっお、倖囜人芳光客向けの遞択肢も抜かりない。

驚いたのは和食も甚意されおいたこず。玍豆、焌き魚、いなり寿叞に巻き寿叞たであり、日本人ゲストをよく理解しおいるこずが䌝わっおきた。

デザヌトコヌナヌには、タロむモのたんじゅう、ゎマ団子、ダクルト、ゞョワたで。朝からちょっずした瞁日のような楜しさがあった。

ミニ倧犏ずか

もちろん、台湟フルヌツのコヌナヌも忘れずにチェック。パむナップル、ドラゎンフルヌツ、スむカなどが䞊び、どれも甘くおみずみずしい。コヌヒヌは䞀杯ず぀挜けるマシンが耇数蚭眮されおいお、埅たされるこずもない。

䞀杯匕きのコヌヒヌマシヌン

「これは、街の朝食屋に行かなくお正解だったかもね」などず笑いながら、ふたりで満足そうに食事を終えた。

コヌヒヌを飲みながら少しだけのんびりしお、食埌のロビヌをぐるりず散策。朝の光に照らされた朱塗りの柱ず金の装食を眺めながら、「このホテルにしお本圓によかったな」ず改めお感じる、そんな朝だった。


②【圓山の裏偎】地䞋トンネルで蟿る“もしもの歎史”

二日目②の芁玄
朝食埌に参加した圓山倧飯店の地䞋トンネルツアヌは、蒋介石倫劻の脱出ルヌトずしお敎備された歎史的斜蚭を巡る、宿泊者限定の特別な䜓隓だった。コンクリヌトの無機質な通路や日本語音声ガむドによる解説、さらには高額な䌚員制クラブの玹介など、衚の栌匏ずは違う“裏圓山”の顔に觊れたひずずきは、印象的な朝の蚘憶ずしお心に残った。

🖋圓山の地䞋に広がる“もうひず぀の䞖界”ぞ
朝食埌、いったん郚屋に戻っお身支床を敎えたあず、このホテル名物の「東地䞋トンネル芋孊ツアヌ」に向かうこずにした。

受付で名前を䌝えるず、集合堎所はひず぀䞊のVFノィクトリヌフロアずの案内。゚レベヌタヌで䞊がるず、すでに参加者が集たりはじめおいた。聞こえおくる䌚話のほずんどが日本語で、やはりゎヌルデンりィヌクらしく、日本からの旅行者が倚いようだった。

受付で予玄の確認を枈たせ、参加費ずしお1,000元を珟金で支払う。身分蚌の提瀺を求められたが、パスポヌトは郚屋に眮いたたただったため、代わりに郚屋のカヌドキヌを出しおみた。これで倧䞈倫かな  ず思ったが、特に匕っかかるこずもなく、そのたたスムヌズに通しおくれた。


🖋蒋介石の“もしも”に備えお造られた脱出ルヌト
受付を枈たせるず、参加者には機械匏の日本語むダホンガむドが配られた。ガむドは䞭囜語で進行するため、その補足ずしお䜿うスタむルだ。音声合成のためやや抑揚には違和感があるものの、圓山倧飯店の歎史やトンネルの構造に぀いお、䞁寧な説明が流れおくる。

トンネル入口
トンネル党䜓像

案内に埓い、䞀同で2階にある東トンネル入口ぞ移動。ここからが“非日垞”の始たりだった。

この地䞋トンネルは、蒋介石ずその劻・宋矎霢の指瀺により1973幎に造られたもの。有事の際、目立たず脱出するために極秘裏に敎備されたルヌトだずいう。実際に䜿甚されるこずはなかったが、存圚そのものが歎史の蚌のように感じられる。

トンネル内郚
ずっず続くトンネル

むダホンからは、か぀おこの地にあった台湟神瀟のこずや、戊埌の台湟情勢ずあわせおホテル建蚭の背景も語られる。情報量が倚く、ずころどころ聞き取りづらい箇所もあるが、耳を傟けながら歩くのはちょっずした探怜のようだった。


🖋写真OKの“秘密の通路”
トンネル内は、コンクリヌトの壁ずひんやりずした空気に包たれ、いかにも“地䞋斜蚭”らしい雰囲気。やや薄暗い照明が続いおいお、それがかえっお挔出効果になっおいた。

トンネル出口

スタッフは芁所で「ここは写真おすすめですよ」ず声をかけおくれお、垌望者のカメラでシャッタヌも切っおくれる。完党予玄制・宿泊者限定ずいう条件もあっお、特別感は十分。ホテルの優雅な衚舞台ずは䞀線を画す“もうひず぀の圓山”を垣間芋られる、ナニヌクな䜓隓だった。


🖋突然の勧誘ず、圧巻の富裕空間
終盀に差しかかった頃、むダホンガむドの音声が急にトヌンを倉え、「圓山倶楜郚」ずいう䌚員制クラブの案内が始たった。入䌚金は40䞇元玄200䞇円、しかも䞖襲制ずいう。あたりに唐突すぎる高額クラブの宣䌝に、ちょっず苊笑い。

ツアヌの締めくくりは、マむクロバスでの送迎。バスは圓山倶楜郚の専甚斜蚭前を通り過ぎる際、車窓からはずらりず䞊んだ高玚車。ポルシェやフェラヌリが芋えた。

その先には、手入れの行き届いたプヌルサむドでゆったり泳ぐ幎配の方々の姿。それを芋お、劻がぜ぀りずひずこず。
「こういうプヌルで、い぀か泳いでみたいよね」
本気か冗談かはわからないけれど、どこかリアルな響きだった。


🖋忘れがたい朝の蚘憶ずしお
こうしお、圓山倧飯店の“衚”ずはたったく異なる“裏の顔”を芗くような地䞋トンネルツアヌは、玄40分ほどで終了。
最埌に蚘念品ずしお「平安」ず曞かれた赀いお守りを受け取った。
歎史ず文化、そしおちょっずしたスリル。40分ずいう時間に詰たった䜓隓は、予想以䞊に濃密で、思い出深い朝になった。


③【通内めぐり】文化財に觊れる圓山のミニツアヌ

二日目③の芁玄
地䞋ツアヌのあずは、ホテル公匏の“芋どころマップ”を頌りに圓山倧飯店を散策。倩井の装食「梅の花の藻井」やガラス扉の隠し文字、奉玍された石獅子、黄金の韍像など、ホテルに息づく歎史ず意匠の深みに觊れた。予定をすべお詰め蟌たず、名物スむヌツは次回の“お楜しみ”に。䜙癜を残すこずで旅の満足感が静かに深たっおいった。

🖋圓山倧飯店、“通内文化財”の小さな探蚪
フロントに戻ったあず、劻が事前に調べおおいた「圓山倧飯店の芋どころマップ」を片手に、ホテル内をひず回りしおみるこずにした。公匏サむトに茉っおいた“通内おすすめスポット”の数々を、実際に歩いお確かめるずいう、小さな通内ツアヌだ。

正盎、最初は“぀いで皋床”の気持ちだった。だが、いざ歩きはじめおみるず、思いのほか芋応えがある。単なる豪華なホテルずいうより、そこかしこに文化財的な意匠や歎史の名残が詰たっおいお、小さな矎術通をめぐるような気分になっおくる。


🖋倩井を圩る、瞁起の意匠「梅の花の藻井」
最初に足を止めたのは、ロビヌの倩井を食る「梅の花の藻井そうせい」。芋䞊げた瞬間、「これはすごいね」ず、思わず声が挏れた。

梅の花の藻井

倩井いっぱいに広がる金色の立䜓装食。その䞭倮では、五匹の金韍が䞀぀の珠を囲むようにしお舞っおいる。ホヌムペヌゞによるず、この構図には「五犏臚門ごふくりんもん」長寿・財産・健康運・奜埳・善終ずいう五぀の犏が舞い蟌むように、ずいう瞁起が蟌められおいるらしい。

ただ掟手なだけではなく、意味のある装食ずいうずころがいい。ホテルずしおの重厚さも感じるし、こういう意匠を目にするず、やはり“ここは特別な堎所なんだな”ずいう気持ちになる。

ほんの数分立ち止たっお芋䞊げおいただけだが、それだけでも十分に印象に残る倩井だった。


🖋扉に隠された「䞭華民囜䞇歳」のメッセヌゞ
次に立ち寄ったのは、ホテルの正面玄関にあるガラス扉。パッず芋は装食の䞀郚にしか芋えないが、実はその文様の䞭に「䞭華民囜䞇歳」ずいう六文字が、叀代文字で隠されおいるのだずいう。

「これ、“䞭”っぜくない」ず、ふたりで指先を䜿っお探しはじめる。どの郚分がどの文字なのか、最初はピンず来なかったけれど、少しず぀圢を重ねおいくうちに、だんだんそれらしく芋えおくる。

歎史あるホテルの入り口で、こんなちょっずした“宝探し”のような時間を過ごせるずは思っおいなかった。栌匏ある空間に、こうした遊び心が織り蟌たれおいるのが、圓山らしさなのかもしれない。


🖋歎史を芋぀める「林家奉玍の石獅子」
通内をひず通り歩いたあず、倖の空気を吞いにホテルの庭園ぞ出おみた。ガヌデン広堎の䞀角、静かに䜇んでいたのが「林家奉玍の石獅子」。あたり目立぀堎所ではないが、ホテルの歎史を物語るひず぀の象城でもある。

右吜メス
巊阿オス

この石獅子は、日本統治時代に台湟神瀟が建立された際、板橋の名家・林家から奉玍されたものだそうだ。サむズは控えめながらも、しっかりず螏ん匵った姿勢ず、口元の圫りに蟌められた緊匵感が印象的だった。

特に目を匕いたのは、巊右の配眮。通垞は右が雄、巊が雌ずされるが、ここの石獅子は逆になっおいる。朝の地䞋トンネルツアヌで聞いた話を思い出しながら、「ああ、これがそうか」ず、実物を前にしお玍埗する。

こうしお小さな䞀角にも、しっかりず歎史が息づいおいるあたり、さすがは“圓山”ずいう感じがした。


🖋黄金に茝く「癟幎の金韍」
散策の最埌に立ち寄ったのは、金韍レストランの前に据えられた「癟幎の金韍」。その名のずおり、党身を黄金に茝かせた堂々たる韍の像が出迎えおくれた。

癟幎の金韍

もずもずは、か぀おこの地にあった台湟神瀟の正面に眮かれおいた銅韍で、それがホテルの増築にずもなっお今の堎所に移されたのだずいう。1987幎の改修時には衚面に24金のメッキが斜され、“金韍”ずしお新たな姿に生たれ倉わったらしい。

近くで芋るず、现やかな鱗のひず぀ひず぀が陜の光を反射し、たるで呌吞しおいるかのような生々しさがあった。頭䞊ぞ突き出した前足は、今にも䜕かを掎み取ろうずしおいるかのようで、ただのオブゞェずいうより、そこに“気配”が宿っおいるような䞍思議な迫力がある。

ガむドブックでは「瑞祥ずいしょう」吉兆の象城ず玹介されおいたが、たしかにその蚀葉がしっくりくる。芋れば芋るほど、ただの芳光スポットずいうにはもったいない存圚感だった。


🖋そしお、「たた来る理由」をひず぀残しお
ホテルの敷地をひずたわり。文化財のような装食を眺めお歩くだけの぀もりだったが、どのスポットにもきちんず背景があり、ただの“映え”では終わらない芋応えがあった。
こういう「泊たるだけではもったいない」ホテルは、なかなかない。
さお、劻が事前にチェックしおいた「圓苑レストラン」名物の宋矎霢が愛したずされる「玅豆鬆糕ホンドり゜ンガオ」は、今回は芋送りずなった。
理由は単玔で、ひず぀は朝食でお腹がいっぱいすぎたこず。そしおもうひず぀は、午埌に控えおいる予定がタむトだったから。
「たた来る理由ができたね」
そんなふうに笑った劻に、少しだけ“旅の䜙癜”が芋えた気がした。すべおを詰め蟌たず、少し残しおおく。それもたた、旅の楜しみのひず぀かもしれない。


④【マンゎヌ远走蚘】蟿り着けなかった倢ず、小さな達芳

二日目④の芁玄
旅の䞻目的だった「冰讃」のかき氷に挑むも、行列ず時間の壁に阻たれお断念。代替店にも振られ、䞉軒目でようやくたどり着いたのは“冷凍マンゎヌ”のかき氷店だった。理想ずは違えど、タロむモの矎味しさず笑い合える䜙裕が救いに。完璧ではない旅も、最埌はちょっずした満足感で締めくくられた。挫折もたた、旅の思い出の䞀郚になる。

🖋氷讃ビンザンぞ。旅の“䞻目的”に向かう道
ホテル内の“芋どころめぐり”をひず通り終えたあず、シャトルバスで圓山駅ぞ。MRTに乗り蟌み、次の目的地ぞず向かう。

目指すのは、劻が今回の旅でいちばん楜しみにしおいた堎所。マンゎヌかき氷の人気店「冰讃ビンザン」。台湟の䞭でも指折りの有名店で、営業しおいるのはマンゎヌが旬を迎える倏堎だけ。しかも、半幎もない短い営業期間。どのガむドブックにも登堎するような定番䞭の定番だ。

劻は出発前からこの店に䞊々ならぬ情熱を泚いでいた。Googleマップにピンを打ち、口コミを熟読。スマホを片手に「ここだけは絶察行きたい」ず䜕床も蚀っおいたのを思い出す。

MRTで雙連駅に到着し、店のある゚リアぞず歩いおいく。するず、すぐに人だかりが芋えおきた。ざっず芋お20人ほどの列。これくらいなら  ず少しホッずしたのも束の間、列は角を曲がった先で䞀倉する。

正面右を曲がるず氞遠ず列が .

建物沿いに続く、想像をはるかに超える長蛇の列。どこたで

続いおいるのか、䞀望では把握できない。冗談みたいな光景だ。
「いや、これ  最埌尟、どこ」
少し呆れながら歩いおいくず、ようやくたどり着いた最埌尟は、䜓感で200メヌトル以䞊先だった。
ここで問題がひず぀浮䞊する。
劻のリサヌチによれば、「10人で30分埅ち」らしい。目の前の列は、ざっず芋積もっお100人はいる。ずいうこずは  単玔蚈算で2時間以䞊埅぀こずになる。
それでもただ、行列に䞊ぶこず自䜓は悪くなかった。問題は、私たちには“時間制限”があるこず。倕方には、事前に予玄しおある「九仜・十分ナむトツアヌ」の集合が控えおいる。
「もし、“あず5人”っおずころで時間切れになったら  」ず想像しお、ちょっず胃がキュッずなった。
だけど、ここで「やめようか」ず簡単に蚀えないのは、劻がこの冰讃を“旅の目的のひず぀”にしおいたからだ。本人も、その思いは十分に分かっおいるはず。
そんな䞭、劻がスマホを手に列を離れた。少ししお、メッセヌゞアプリに通知が届く。
「別の店の候補」
そこには、近くにある別のかき氷店「雪花氷」の情報が添えられおいた。営業䞭のようだし、口コミの評䟡も悪くない。

少し残念そうな気配は文面の端々ににじんでいたけれど、朔く方向を切り替えた劻の刀断に、私は黙っお頷いた。

その店に向けお、ふたりで歩き出す。旅には、思いどおりにいかない瞬間もある。けれど、それもたた旅の䞀郚なのだず思う。
さお、次にどんな展開が埅っおいるのかそれはたた、次の䞀歩の先で。


🖋たさかの貌り玙、そしお次の䞀手
「雪花氷」に期埅を蟌めお向かったものの、珟実は、たたも肩透かしだった。
店頭に貌られおいたのは、たった䞀枚の玙。
「本日、良いマンゎヌが品薄のため日䌑業させおいただきたす。」
その䞀文を目にした瞬間、ふたりずも声が出なかった。静かに立ち尜くし、しばらく看板の前から動けない。やがお、近くのベンチに腰を䞋ろす。

残念な匵り玙

時間がゆっくりず過ぎおいく䞭、同じように肩を萜ずした日本人芳光客が、ぜ぀りぜ぀りずやっお来おは、貌り玙を確認し、がっくりず垰っおいく。その姿に、どこかで同じ垌望を抱いおいた“仲間”たちの気配を感じた。
「冰讃の行列、やっぱり無理だったよね」
誰もがきっず、そう思いながらここに蟿り着いたのだろう。だけど、そこにも垌望は残っおいなかった。

しばらくしお、劻がぜ぀りず、「こうなったら、タクシヌで行こうか」ず蚀った。
もはや意地でもマンゎヌかき氷を食べたい。そんな気分になっおいた。Googleマップを開き、迪化街近くにあるかき氷店「悠哉呷氷」を芋぀けお、そのたたタクシヌを拟うこずに。
車内で、劻がスマホを芋ながら呟く。「口コミに、“冷凍マンゎヌ䜿っおる”っお曞いおある」
䞀瞬だけ、沈黙が流れる。
「うん、でもそれでも食べよう。旅に“完璧”を求めすぎるず、疲れちゃうから」

そう声をかけるず、劻はふっず笑っお「たあ、そうだね」ず頷いた。
期埅ず珟実を、うたく折り合いながら進んでいくのも旅の楜しみ方だず思う。次は、“冷凍でもいいから”の、マンゎヌかき氷に向かう。


🖋冷凍マンゎヌず、ちいさな達芳
迪化街近くの「悠哉呷氷」に到着。ひずたず、目圓おだったマンゎヌかき氷ず、気になっおいたタロむモのかき氷をそれぞれ泚文する。

念のため、ずいう感じで、劻が店員に聞いおみる。「これ、フレッシュマンゎヌですか」

返っおきたのは、ためらいのないひず蚀。「冷凍です」

マンゎヌずタロむモのかき氷

分かっおいたずはいえ、やっぱり少しだけショックだったのか、劻は静かにうなずいた。でも、その沈黙は、すぐに別の味が救っおくれた。

タロむモのかき氷。ねっずりずした独特の舌觊りに、控えめで䞊品な甘さ。ひず口食べた瞬間、お互いの顔にふっず笑みが浮かんだ。「  これ、矎味しいね」

マンゎヌの方はずいうず、期埅が倧きすぎたのか、反応は少し控えめ。スプヌンを進めながら、劻がぜ぀りず぀ぶやく。

「近所のスヌパヌの冷凍アップルマンゎヌが、どれほど優秀かっおこずが、よヌく分かったわ」

それはもう、皮肉でも冗談でもなく、完党に達芳したトヌンだった。マンゎヌに振り回された午埌だったけれど、こうしお笑えるくらいの䜙裕があっおよかったず思う。旅の味にも、いろいろある。


⑀【迪化街の午埌】寄り道ず回埩で芋぀けた旅の䜙癜

二日目⑀の芁玄
冰讃を諊めたからこそ出䌚えた迪化街の街䞊みは、懐かしく旅情に満ちおいた。午埌の陜射しのなか、その情景を胞に刻みながら、ロヌカルグルメ「牛肉捲逅」ず、駅構内のマッサヌゞチェアでの20分間にほっずひず息。蚈画通りにいかないからこそ、旅は深たる。そんな䜙癜の豊かさを味わった時間。

🖋予定倖の寄り道が、旅を豊かにする
結局、今回の旅では冰讃にたどり着くこずはできなかった。
だけど、だからこそ出䌚えたものもある。迪化街の叀い街䞊みは、その筆頭だった。

石畳の道に、赀レンガ造りの昔ながらの建物が䞊ぶ。也物屋からはスパむスや干し怎茞の銙りがふわっず挂い、軒先には鉢怍えの草花が無造䜜に眮かれおいる。歩くたびに目に入るもの、錻に届く匂い、どれもがどこか懐かしく、旅情をくすぐる颚景だった。
「やっぱり、冰讃は次回リベンゞだね」
垰り道、劻がぜ぀りずそう぀ぶやいた。私は特に蚀葉を返さず、うなずくだけにしおおいた。悔しさはあるけれど、それすらも旅の䜙癜になる気がしおいた。

次こそは、もっず䜙裕をもっお。そう思いながら、午埌の陜に照らされた迪化街の通りを、もう䞀床だけ振り返った。


🖋再び台北駅ぞ。そしお「あの味」ぞ
迪化街で撮った写真を芋返しながら歩いおいるず、ふず腕時蚈に目が留たった。時刻はすでに午埌。今日参加予定のKKDAYナむトツアヌの集合時間たで、あず2時間を切っおいる。

最寄りのMRT北門駅から台北駅の「東䞀門」ぞ出るには少し遠回りになる。だったら、歩いおしたおう、ずいうこずで、そのたた街路を東ぞ。

やがお、昚日も䜿った桃園MRTの駅に差しかかる。駅構内を抜け、昚日ず同じルヌトで台北駅ぞず向かう途䞭で、ふず思い出した。

「そういえば、あれ、ただ食べさせおなかったな  牛肉捲逅。」

出匵で台湟に来おいた頃、よく食べたあの味。銙ばしい牛肉ずネギが、もちっずした薄皮に包たれお、甜麺醀の甘じょっぱい颚味がクセになる。ロヌカルらしさが詰たった、懐かしい台湟の味だ。

迷わず台北駅の「小南門點心䞖界」ぞ盎行。運よく䞊ばずにカりンタヌぞたどり着けたので、さっそく2人前をテむクアりト。

手元の時蚈を芋るず、ちょうど残り30分。時間にもただ䜙裕がある。このあず、駅構内のどこかでちょっず腰を萜ち着けお食べようか、そんなこずを話しながら、ツアヌの集合堎所を目指した。


🖋足の疲れに、ちょっずした莅沢
ふず、「そういえば昚日、劻が蚀っおたっけ」ず思い出した。

台北駅構内で芋かけたマッサヌゞチェアの䞊ぶ䞀角。「時間があれば、あそこ寄っおみたい」ず、䜕気なく話しおいたのを思い出し、集合時間たで少し䜙裕もあったので声をかけおみた。

「せっかくだし、20分だけ受けおみようか」

こちらの提案に、劻はすぐ「いいね」ずうなずく。

案内されたのは、前かがみの姿勢で䜓を預けるタむプのマッサヌゞチェア。背䞭を䞞めるようにしお腰を萜ずした瞬間、ふたりずもあっさり倢の䞭ぞ。

気づけば、ぱちりず目が開いたのは集合時間のちょうど10分前。偶然ずは思えないタむミングに、顔を芋合わせお思わず笑っおしたった。

「これ、かなり効いたね」「うん、足がだいぶ楜になった」

旅の合間の、ほんの20分。だけど、思っおいた以䞊にいい“回埩タむム”だった。


⑥【十分ず九仜】ランタンに願いを、茶屋に灯りを

二日目⑥の芁玄
倕暮れの十分では、願いを蟌めたランタンを空ぞ攟ち、にぎやかな撮圱劇堎に思わず笑顔に。線路沿いを散策し、牛肉捲逅を頬匵るひずずきもたた、旅の味わいだった。九仜ではしっずりず降る雚の䞭、奇跡のように「阿効茶楌」の特等垭に座るこずができた。赀い提灯の灯りに包たれながら、ふたり静かにお茶を楜しむ時間は、今回の旅で最も心に残る思い出ずなった。

🖋倧混雑の集合堎所ず、鋭い“聎芚スむッチ”
台北駅「東䞀門」に着くず、広堎はすでに人、人、人。ざっず芋おも100人は優に超えおいお、遠足か䜕かの集合颚景のような隒がしさだった。

広堎の䞭倮では、スタッフが名簿を片手にマむクで名前を読み䞊げおいるのだが、音声が拡散しおいお、正盎ほずんど聞き取れない。耳をすたせおも、雑螏にかき消されおしたう。

そんな䞭、劻が突然ぎくりず反応した。

「今、私たちの名前、呌ばれたよ」

「え、ほんずに」ず聞き返す間もなく、すっず列に向かっお歩き出す。

぀いさっきたでマッサヌゞチェアで気持ちよさそうに眠っおいたずは思えない切り替えっぷりに、思わず苊笑い。どこでその集䞭力にスむッチするのか、䞍思議でならない。だがこういう瞬間の五感ず刀断の早さは、い぀もながらたいしたものだ。


🖋最前列のワナず、ベテランガむドの登堎
案内されたのは、私たちが乗るバス7号車。すでに車内の倧半は埋たっおいたが、なぜか最前列の2人垭だけがぜっかり空いおいた。

「ラッキヌじゃん」などず蚀いながら垭に座っおみたものの、すぐに違和感に気づく。

足元が䞍自然に高くなっおいお、座面ずの高さが合わない。足がうたく䌞ばせず、萜ち着かない。劻も「これ、ちょっず座りづらいね」ずがやいおいた。
ずはいえ、芋晎らしは抜矀。前方に遮るものがなく、景色を楜しむには悪くない垭だった。この日のツアヌは倧芏暡で、KKDAYのバスが党郚で10台も出おいるらしい。想像以䞊の人気ぶりに、少し驚く。

私たちのバスを担圓するのは、流ちょうな日本語を話す女性ガむドのハンさん。50代くらいの萜ち着いた雰囲気で、「九仜ず十分には、もう1000回以䞊来おるのよ」ずサラッず話しおいた。説明もテンポが良く、話題も倚圩で、車内の空気が少しず぀和んでいくのが分かる。

旅慣れたベテランガむドに身を預ける安心感。バスは静かに出発し、いよいよツアヌがスタヌトした。


🖋倕暮れの十分ぞ。願いを乗せたランタン
バスが最初に向かったのは、願いを曞いたランタンを空に攟぀こずで知られる街、十分。線路沿いにレトロな街䞊みが続き、倚くの芳光客でにぎわう人気の゚リアだ。

出発前、ガむドのハンさんが車内でアナりンスを入れる。

「願いごずは今のうちに考えおおいおくださいね。それず、筆は墚が飛びやすいので、よくしごいおから曞いおください」

手際よく、ポむントを抌さえたアドバむス。ハンさんのテンポのいい案内に、車内の空気も柔らかくなっおいく。

窓の倖の景色は、い぀の間にかビル矀から緑の倚い郊倖ぞず倉わっおいた。空は少しず぀倕焌け色に染たり始め、これから始たる“倜の台湟”ぞの期埅が高たっおいく。


🖋ランタンに蚗す願い
十分に到着する頃には、倕暮れの空にランタンが浮かびはじめおいた。ふわり、ふわりず舞い䞊がる橙色の灯りが、しだいに空を染めおいく。

空暡様はあいにくの小雚。ただ、傘を差すほどではなく、少し気になる皋床。それでも、「このたた降り出さなければいいけどね」ず、軜く話しながら列に䞊ぶ。

線路沿いの商店街を10分ほど歩き、ランタンの打ち䞊げスポットに到着。店の前には、色ずりどりのランタンが吊るされおいお、そこから“願いごずタむム”が始たった。

ランタンは四面に分かれおいお、私ず劻でそれぞれ二面ず぀担圓。

私は「劻ず自分の健康が、これからも倉わらず続きたすように」ず曞いた。もう䞀面には、小説やnoteなど、自分の衚珟掻動がもう少しだけ広がれば  ず、少しだけ欲匵った願いを。

劻は「定幎たで平穏に過ごせたすように」ず、劻らしい穏やかな䞀文を。もう䞀面には、お父さんの健康を気遣う蚀葉を静かに曞き蟌んでいた。

思い思いの願いを蟌めながら、筆を進めるこの時間は、少し照れくさく、でも心があたたかくなるひずずきだった。


🖋ランタン撮圱劇堎。そしお、空ぞ
願いを曞き終えるず、店のスタッフが手際よくランタンをたたみ、私たちに手枡しおくれた。そのたた線路の䞊ぞ移動。打ち䞊げの準備が敎ったタむミングで、今床は別のスタッフが埅ち構えおいる。

スマヌトフォンを枡すず、すぐさたカメラモヌドに切り替え、あれよあれよずいう間に撮圱指瀺が飛んできた。

「この面、カメラに向けおください」「次、反察偎」「はい、ラスト」

ランタンをくるくるず回しながら、指瀺されるたたにポヌズを取る私たち。たるで雑誌の撮圱でもしおいるかのような展開に、少し笑いそうになっおしたう。

さらに、最初は無衚情だったそのスタッフが、動画撮圱の瞬間だけ突然テンションを䞊げおくる。

「サンニヌむチッハむ、離しお〜」

こんな感じで飛ばしたした。

その劙に甲高い掛け声に、思わず吹き出しそうになった。

「動画に声が入るから、テンション䞊げるようにっお決たっおるんだろうね」

劻が小さく笑いながらそう蚀う。なんだか玍埗できるような、劙にプロっぜい瞬間だった。

ランタンは、するりず倜空ぞ。ふたりで小さく手を振りながら芋䞊げる。薄曇りの空に、橙色の光がゆっくりず吞い蟌たれおいく。


🖋線路沿いの散策ず、ひず口の幞せ
ランタンを飛ばしたあずは、20分ほどの自由時間。特に䜕をするでもなく、線路沿いの通りを歩いおみるこずにした。

雑貚屋や軜食スタンドが䞊んでいお、吊るされたランタンがいい雰囲気を出しおいる。芳光客は倚いものの、隒がしさよりもどこか緩やかな空気が流れおいお、ちょっず歩くだけでも気分が萜ち着く。

そういえば、ず台北駅で買っおおいた牛肉捲逅のこずを思い出す。ベンチを芋぀けお、ふたりでひず぀を分け合っお食べた。

「これ、矎味しいね」

劻がそう蚀いながら口元を拭く。手軜な軜食だけど、こういうタむミングで食べるずやけに矎味しく感じる。

ちょうど小腹も満たされたずころで、バスに戻る時間。次は、今回の旅でも楜しみにしおいた堎所のひず぀、九仜ぞ向かう。


🖋九仜ぞ。山道の先に広がるノスタルゞヌ
バスが九仜に向かっお山道を登りはじめるず、ガむドのハンさんがマむクを手に、ぜ぀りぜ぀りず話を始めた。

「“九仜”の“九”は数字の九、“仜”は“分け前”ずいう意味です。昔、この集萜には九䞖垯しかなくお、誰かが街に買い物ぞ出るずきは、毎回『九人分ください』ず頌んでいたそうです。もちろん諞説ありたすが」

知らなかった。そんな玠朎な由来があったずは。芳光地ずしおの賑わいしか知らなかった堎所に、ふず生掻の匂いが感じられお、ちょっず芋方が倉わる。

そのあずは、やっぱりずいうか、お決たりの『千ず千尋の神隠し』の話ぞ。提灯が䞊ぶ階段、狭い路地、叀びた茶楌  確かに䌌おいる。

「でも、スタゞオゞブリは“九仜がモデルじゃない”ず公匏には吊定しおるんですよ」ず、ハンさんがさらりず補足。

ずはいえ、そう蚀われおも、この街䞊みを芋お「あれっぜい」ず思う人は倚いはず。芳光で蚪れる偎ずしおは、公匏かどうかなんお正盎あたり関係ない。自分の䞭でちょっずワクワクできれば、それで十分だ。


🖋九仜マップず“劻の本呜”
バスの座垭には、芳光甚の「九仜マップ」が甚意されおいた。ハンさんはそれを片手に、おすすめの立ち寄りスポットをひず぀ず぀説明しおくれる。

お土産屋が立ち䞊ぶ老街ラオゞ゚、叀い建物がそのたた残る写真スポット、そしお  

「阿効茶楌。九仜でいちばん有名なお茶屋さんです。階段からの眺めがきれいで、特に倜の提灯が灯る時間垯は、写真にするず本圓に映えたすよ」

その説明に、隣の劻がふっず反応した。配られたマップをじっず芋぀めながら、「混んでるから、お茶はたぶん無理だず思うけど  写真だけでも撮れたら、それで満足かな」ずぜ぀り。

その声には、ちょっず諊めも混じっおいたけれど、やっぱりどこか期埅しおいる気配もあった。

そうこうしおいるうちに、バスは九仜に到着。空はやや曇りがちで、湿気を含んだ山の空気が肌にたずわり぀くようだった。でも、そのしっずりした感じもたた、この街の雰囲気にはよく䌌合っおいた。


🖋雚の九仜。赀い灯ず奇跡の垭
バスが到着しお、さあ降りようかずいうタむミングで、急に窓に雚粒が叩き぀けられた。想像以䞊の音に、思わず顔を芋合わせる。

「うわ、けっこう降っおるな」

倖ぞ出るず、案の定の本降り。傘をさしおも足元はすぐに濡れおしたいそうなほどの雚。でも、ガむドのハンさんに続いお、私たちもゆっくりず石段の街・九仜の䞭ぞず入っおいく。

提灯がぜ぀ぜ぀ず灯りはじめおいお、それが濡れた石畳に映り蟌んでいた。昌間に蚪れたずきずはたったく違う颚景。赀い灯りが雚に揺れお、どこか幻想的な雰囲気がある。

「ああ、これは確かにゞブリっお蚀いたくなるな」

誰が吊定しおも、そう思っおしたうのは自然なこずかもしれない。しっずりず濡れた九仜の倜は、静かに心に染みる颚景だった。


🖋奇跡の垭ず、静かな茶の時間
階段を登っお「阿効茶楌」ぞ向かう。

息を切らしながら入口に着くず、そこには行列ができおいたものの、思っおいたほどの混雑ではなかった。

「ちょっず、䞊んでみる」

そう声をかけるず、劻が軜くうなずく。

しばらく䞊んでいるず、タむミングが良かったのか、前にいたグルヌプがどんどん店内ぞ。気が぀けば、あっずいう間に私たちの番が来おいた。しかも、案内されたのは2階テラスの角垭。あの、テレビなどでよく玹介される“䟋の堎所”だった。

倖を芋れば、赀い提灯が颚に揺れ、その奥には石段を䞊り䞋りする傘の列。雚はただ降っおいたけれど、この垭にいるず、䞍思議ずその気配が遠く感じる。しんず静かな空気が流れおいた。

「ここ、すごいね  」

劻が笑顔でそう蚀う。

2人分のお茶セットを頌むず、スタッフが䞁寧に茶噚を䞊べ、簡単に淹れ方の説明をしおくれた。ひず通り聞いたあずは、あずは奜きなようにお茶を楜しむだけ。湯を泚ぐたびに、ほのかなお茶の銙りが立ちのがる。

気づけば、雚も小降りに。提灯の灯りが雚粒を照らしお、静かにゆらゆら揺れおいた。䜕をするでもない時間だけど、それがかえっお莅沢だった。


🖋思い出の灯り、そしお垰路ぞ
垭で撮った写真を、その堎でAIアプリにかけお“ゞブリ颚”に加工しおみた。スマホの画面を芋せるず、劻が笑う。

「ほんずだ、ゞブリキャラっぜいね」

䜕気ない䌚話だったけど、どこか楜しそうな雰囲気が䌝わっおきお、それだけで十分だった。

写真は気が぀けばけっこうな枚数になっおいた。お茶もゆっくり飲みながら、時間ぎりぎりたで過ごす。

時蚈を芋るず、もうすぐ集合時刻。名残惜しさはあるけれど、急いで階段を䞋りおバスぞ向かう。石畳が少し滑りやすかったので、足元に気を぀けながら。

バスに乗り蟌んだあず、劻ががそっず぀ぶやいた。

「今日は、来およかったね」

「うん、いい時間だった」

たぶんこの九仜での時間が、今回の旅の䞭でいちばん印象に残るず思う。
バスはそのたた士林倜垂を経由し、ホテルぞず戻る予定。もうすぐ旅の䞀日が終わる。けれど、九仜の赀い灯りは、しばらく心に残りそうだった。


⑊【士林倜垂ず最終バス】ちょっずだけ、が旅を締めくくる

二日目⑊の芁玄
倜の士林では、胡怒逅やラむス゜ヌセヌゞ、焌き小籠包ずいった台湟名物を“ちょっずだけ”堪胜。食べ逃したさ぀たいもボヌルに少し残念さを感じ぀぀も、旅の䜙癜ずしお受け止めた。垰り道はシャトルバスの最終䟿にギリギリで滑り蟌み、ホテルに戻っおようやく湯船でひず息。最埌たで駆け抜けた䞀日に、じんわりずした安堵ず満足が残った。

🖋士林倜垂ぞ“ちょっずだけ”の寄り道
バスが士林垂堎の近くにさしかかる頃、劻がぜ぀りずこがした。

「倜垂は、今日はもういいかな  」

朝から移動も倚く、かなり歩き回った䞀日だったので、そう感じるのも無理はない。でも、倜垂に立ち寄る機䌚はこの旅で今倜だけ。せっかく台湟に来たのだから、雰囲気だけでも芋おおきたいず思い、「少しだけ歩いおみようか」ず声をかけた。

「そうね、せっかくだし」ず短く返っおきたので、そのたた倜垂の通りぞ足を向ける。

歩きながら、事前に調べおいたB玚グルメの䞭から、いく぀か目星を぀けおいた店を探す。人出は倚かったが、どこか地元の人たちの空気感もあっお、芳光地にありがちな浮぀いた感じはなかった。

時間に䜙裕があるわけではなかったけれど、こうしお“ちょっずだけ”歩いおおくこずで、旅の最埌にひず぀気持ちの敎理が぀いたような気がした。


🖋胡怒逅ずラむス゜ヌセヌゞ。士林名物を味わう
最初に向かったのは「犏州䞖祖胡怒逅」。

ミシュラン・ビブグルマンにも遞ばれたずいうだけあっお、窯の前にはすでに10人ほどの行列ができおいた。けれど、このくらいならすぐだろうず、そのたた䞊ぶ。

犏州䞖祖胡怒逅

1個65元。ひず぀だけ買っお半分に割るず、熱気ず䞀緒に胡怒の銙りがふわっず広がった。サクッずした皮の䞭には、肉汁たっぷりの逡。スパむシヌさの䞭にしっかりずした旚味があっお、たしかに評刀になるのも頷ける味だった。

続いお立ち寄ったのは「倧腞包小腞 正宗士林創始店」。

モチ米でできたラむス゜ヌセヌゞの䞭に、䞭華颚゜ヌセヌゞを挟んだ“包小腞”ずいう名物。いく぀かある味の䞭から、今回はガヌリックを遞んでみた。䟡栌は70元。

倧腞包小腞 正宗士林創始店

焌きたおのラむス゜ヌセヌゞはもっちりずしおいお、䞭の゜ヌセヌゞは甘じょっぱく銙ばしい。食べ歩きずしおはちょうどよく、なんだか気持ちたで少し軜くなった。歩き疲れた身䜓にも、ちょうどいい小䌑止になった気がする。


🖋食べ逃しず、最埌の䞀品
次に向かったのは、劻がチェックしおいた「小皇地瓜球さ぀たいもボヌル」。この倜垂グルメも、今回の旅でぜひ食べおおきたかった䞀品だったのだけれど、到着したずきには、すでに店じたいしたあずだった。

「もう少し早ければ、間に合ったかもね」

そう蚀いながら、少し肩を萜ずす劻。ただ人通りのある通りを、駅に向かっお歩き始める。

その途䞭、ふず目に留たったのが焌き小籠包の店。ほずんど同時に立ち止たり、「小籠包、食べおなかったね」ず口をそろえた。

迷わず賌入し、その堎でふたりで分ける。熱々の小籠包をふうふうず冷たしながら頬匵るず、肉汁がじゅわっず広がっお、思っおいた以䞊の満足感。

少し遅い時間だったが、これがちょうどいい締めくくりになった。

そのたた剣札駅たで歩き、倜垂を埌にした。ちょっずした心残りはあったけれど、それも含めお倜垂らしい時間だったず思う。


🖋ギリギリの倜。最終シャトルバスに滑り蟌み
剣札駅のホヌムで電車を埅っおいたが、思った以䞊に来ない。
䜕床もスマホで時刻衚を確認しながら、圓山倧飯店のシャトルバス最終䟿の時間ずにらめっこ。刻䞀刻ず迫る発車時刻に、じわじわず焊りが募る。

最終䟿の出発たで、残り10分を切った頃には、半ば諊めかけおいた。
「これは、さすがに厳しいかもしれない」そう思ったタむミングで、ようやく電車がホヌムに滑り蟌んできた。

圓山駅に着いたのは、発車4分前。

「先に行く」

そう蚀っお、荷物を肩にかけたたた䞀気に駆け出す。倜の駅前を党力で走り、シャトルバスの停留所に到着した時、ちょうどバスが動き出そうずしおいた。

運転垭の窓を叩き、「もう䞀人来たす、あず少しだけ埅っおもらえたすか」ず䌝える。運転手は驚いたような顔をしながらも、軜くうなずいおくれた。

数秒埌、埌ろから足音が迫っおくる。ふり返るず、劻が息を切らしながら階段を駆け䞋りおきた。

どうにか間に合った。ふたり䞊んで乗り蟌み、空いおいる座垭に腰を䞋ろすず、どっず疲れが抌し寄せた。
今日も䞀日、よく動いた。
ほんの数分の差だったけれど、最埌のひず螏ん匵りでなんずか滑り蟌めたこずに、心の底からほっずした。


🖋倜の安堵、䜙韻
ホテル行きのシャトルバスに滑り蟌んで、ようやく座垭に腰を䞋ろした瞬間、党身から力が抜けた。どっず疲れが抌し寄せる。

「  今日も、最埌たで慌ただしかったな」

思わずそんなひず蚀が挏れた。ずなりを芋るず、劻も同じように苊笑いしおいた。

それでも、䞍思議ず気持ちは軜い。き぀かったはずなのに、終わっおみれば、どこか楜しかったず思えるのが旅の䞍思議だ。

ホテルに戻り、さっそく郚屋で湯を匵る。湯船に぀かるず、歩き疲れた足がじわっずほぐれおいくのがわかる。ようやく、身䜓ず気持ちがひず息぀いた感じがした。

思い返せば、朝からずっず動きっぱなしだった。でも、そのぶん充実感もひずしおだった。

明日は、いよいよ垰囜。
そう思うず、名残惜しさも少しだけ混じる倜だった。


2025幎5月5日月台北旅行【最終日】

①【垰囜の朝ず、旅の䜙韻】静けさの䞭に満ちるもの

最終日①の芁玄
旅の最終日、圓山倧飯店で穏やかな朝食をずり、KKDAYの送迎で桃園空枯ぞ。空枯ラりンゞでは点心やワむンを楜しみながら、旅の終わりを静かに噛みしめた。思いがけない出来事や詰め蟌んだ予定も含めお、すべおが「旅らしさ」に倉わっおいた。たたあの街を思い出し、次の旅ぞず心が動き出す——そんな幕匕きにふさわしい䞀日だった。

🖋最終日、静かに旅を締めくくる朝
6時半のアラヌムで起床。少し眠かったけれど、今日はもう垰囜の日だず思うず、䞍思議ず気持ちはすっきりしおいた。

9時半にはKKDAYの送迎車が来る予定。それたでの時間、ロビヌ階のダむニングで朝食をずるこずにした。

すでに勝手は分かっおいるので、気負うこずなく、それぞれ食べたいものを取っお垭ぞ。特に䌚話はなかったが、なんずなく、穏やかで満ち足りた空気が流れおいた。慌ただしかった旅の䞭で、こういう萜ち着いた時間があるのはありがたい。

8時半すぎに郚屋ぞ戻り、最埌のパッキング。靎や服、バスルヌムに残っおいた小物をひず぀ず぀スヌツケヌスにしたい、チェックアりトの準備を敎える。

9時20分、フロントでチェックアりトを枈たせお、ロビヌでしばし送迎車を埅぀。ほどなくしお、KKDAYのドラむバヌがやっおきた。

車に乗り蟌み、ゆっくりずホテルを埌にする。短い滞圚だったけれど、濃い時間だった。そんなこずを思いながら、窓の倖に小さく手を振った。


🖋桃園空枯で、旅の䜙韻にひたる
ホテルから空枯たでは、およそ40分。道も空いおいお、拍子抜けするほどスムヌズに桃園空枯に到着した。

チェックむンを終えたあずは、そのたた出囜審査ぞ。こちらも日本ず同じく、自動化ゲヌトで顔認蚌ずパスポヌトの読み取りだけ。列も短く、あっずいう間だった。

免皎゚リアに出るず、たずは劻のお父さんぞのお土産にパむナップルケヌキを賌入。遞ぶ皮類にちょっず悩んだが、結局、パッケヌゞが䞊品なものを遞んだ。

そのあず、キャセむパシフィック航空のラりンゞぞ移動。䞭は広く、点心や麺のラむブキッチンがあり、萜ち着いた雰囲気。ほどよい静けさのなか、ふたりで軜く食事をずった。劻はカフェラテをゆっくりず飲み、私はバヌカりンタヌでスパヌクリングワむンを䞀杯。

ラむブキッチンでオヌダヌ

こういう空枯での静かな時間も、旅の終わりにはちょうどいい。

搭乗時間になり、ゲヌトぞ。出発もほが定刻。窓の倖に広がる台北の街䞊みが少しず぀遠ざかっおいくのを眺めながら、あらためお「よく動いた旅だったな」ず思った。

あずは日本に垰るだけ。慌ただしかったけれど、思い出の残る旅になった。


🖋そしお、たた次の旅ぞ
こうしお、今回の旅は無事に終わった。

思い返せば、朝から晩たでずにかくよく動いた。予定を詰め蟌んだ分だけ慌ただしかったけれど、その分、蚘憶に残る堎面が倚かった。小さな行き違いや予想倖の展開もあったが、終わっおみればどれも“旅らしさ”の䞀郚だったず思える。

どんな旅にも、「たた行きたい」ず思える瞬間がある。今回もそうだった。次にい぀、どこぞ行けるのかはただ決たっおいない。でも、あの街のこずをふず思い出すだけで、たた少し前向きな気持ちになれる。

それが旅のいいずころなのかもしれない。

たた時間を぀くっお、次の行き先を探しおみよう。今は、そう静かに思っおいる。


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