C値至上主義が性能を破壊する理由
住宅の今を、できるだけ専門用語を使わずに噛み砕いて解説します。
今日はC値至上主義というテーマについて整理します。
気密が高いから良い家ではない
C値=隙間相当面積のことです。
この値が小さいと、隙間が少ない家であることを表す数字です。
戸建て住宅を検討する人に呪文のように語られています。
C値が少ない家は良い家でしょうか?
SNS情報発信が混乱を招き、逆に足を引っ張っている状況を分析してみました。
あ。異論は認めます。しかし
気密数値が高い家=性能が良い家
そんな幻想と誤解が建築費用の高騰と実性能の低下を引き起こしている現実があります。
気密至上主義はなぜ?
住宅業界では気密が良い家=良い家という考え方が広がっています。
しかし実務では順番が逆です。
いい家は施工精度が高いから気密が高くなる。これが真理。
気密そのものを目的化すると、家づくりの優先順位が狂ってしまいます。
気密性能が素晴らしければ性能も素晴らしい家のような誤解を生むことがあります。
これが気密至上主義の問題です。
某工務店が性能値を証明する手段として気密に目をつけ、そこに感化された人が大騒ぎしている状況。
なぜ気密だけでは意味がないのでしょうか?
国も省エネ指針から外している
まず、気密性能は国の省エネ基準から正式に外されています。
そう、意味がないんですよ。
算数ができればわかります。
断熱等級のように全国一律の必須項目ではなく、国の制度としては優先順位を落としているのが現実です。
一つの数字で住宅性能を語ることがそもそも難しいためです。
なぜ工務店はC値向上を目指す
にもかかわらず、業界側はC値を武器にして差別化をしようとします。
頑張れば小規模工務店でも数字が出るため、営業的に扱いやすいからです。
頑張ってペタペタテープを貼って、換気扇を塞ぎ、コーキングガシガシ使えば、ほらあっという間に高気密住宅です。
制度的な優先度は低いのに、現場だけがC値争いに熱中するという、歪んだ構図が生まれています。
また、性能オタクが大騒ぎする温床でもあります。
C値は分かりやすい
C値は単純で、測定すれば数字が一発で出ます。
営業に使いやすく、SNSで広がりやすい。
その分だけ数字が独り歩きし、性能の本質から遠ざかってしまいます。
換気扇を塞いでからの測定が意味がない
しかし気密測定中は換気扇も給気口も塞ぎます。目張りしまくりです。
普通の生活でほぼ有り得ない状態で測定が行われます。
そんなシチュエーションがあり得ません。
換気扇の大きさわかりますよね?しかもあそこから機械排気をし続けるんです。
熱交換が大切でーというマニアな方。
あなたの家はトイレの換気扇も熱交換なのですか?
トイレもお風呂も換気扇ガンガン回します。
換気ロスは気密ロスの数十倍、強制排気をします。
C値0.1の誤差など換気扇が回った瞬間に消えます。瞬殺です。
優先順位は明らかです。
この前提条件の違いが、C値議論のズレの根本です。
玄関を一度開けるだけで吹き飛ぶ数値
C値1の家はハガキ1枚分の隙間と言われます
ドア面積:2.0m × 1.8m = 3.6㎡。
はがき面積(100mm × 148mm=0.1m × 0.148m):0.0148㎡。
換算枚数:3.6 ÷ 0.0148 = 約243.24枚。
つまり、暮らしのスケールでは気密ロスよりドアや窓の開閉の方が圧倒的に大きい。
小数点以下の競争をしても、数回のドアの開閉で上書きされるのが現実です。
100年かけても回収不可能
気密強化には追加費用が発生します。
そもそも気密を高く宣言しただけで買ってくれる人がいます。
しかし省エネ効果は薄く数百年かけても回収できないかもしれません。
さらに、気密値が何年維持されるかは不明です。
コーキングは痩せ、木は縮み、地震が起こり気密層は必ず動きます。
引き渡し後に定点観測をし、何度も再測定しない限り、数字の持続性は証明できません。
私が提唱する「性能マニアは幸せになれない」理由はここにあります。
家族の中で嫌われますよ。だからSNSで騒ぐのでしょうが…
C値至上主義の弊害
①実性能でのメリットがないのに価格が高い。
②「性能が良い」と誤解させるミスリード。
気密は結果であり、目的ではありません。
施工精度と設計の合理性が高い家ほど、自然と気密値が良くなります。
だから気密を目的にした瞬間、本質がズレます。
優先すべきは気密層の設計、換気計画、窓性能、断熱、そして現場の精度です。設計通りに物を作れる技術とシステムです。
C値にこだわった家=悪い家ではありませんよ。
悪い家を誤魔化すためにC値を利用している悪い会社があることを知っておきましょう。
家は性能ではなく品質だと思う理由がここにあります。
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その時は写真もUPしますね。