心理職業界に蔓延る家父長制陰謀論

2022年において臨床心理士及びカウンセラーの66%は女性であり、心理士は最も女性が活躍してる分野の1つであると言えるだろう。この心理士達は現在「権力脅威意味フレームワーク(Power Threat Meaning Framework)」と呼ばれる心理モデルを構築し、現代社会で生き辛さに悩む人間達を救おうと頑張っている。この取り組みは精神科診断の基礎全体を覆し、また従来の精神疾患診断に代えるものとなることを目指したものだ。何故従来の精神疾患診断では駄目なのか?について彼女達はこう説明する。

抑圧的で危険で有害な社会状況で起こる不合理な出来事に対する女性の正当かつ合理的な反応と見なされるものを、体系的に病理化する精神医学的診断システム……フェミニスト心理学者は、精神医学的診断における構成概念としての異常性とジェンダーバイアスに異議を唱え、女性が患う「障害」は家父長制、人種差別、階級差別、異性愛主義、障害者差別の「病理」であり、「精神疾患の障害」ではないと主張している。
(the psychiatric diagnostic system for systematically pathologising what are seen as women’s rightful and reasonable responses to unreasonable events occurring in repressive, dangerous and damaging social contexts…..feminist psychologists have challenged abnormality as a construct and gender bias within psychiatric diagnosis, arguing that it is the “pathologies” of patriarchy, of racism, classism, heterosexism and ableism that are the “disorders” women suffer from, not “disorders of mental illness’”.)

https://www.bps.org.uk/member-networks/division-clinical-psychology/power-threat-meaning-framework

どういう意味か?もっと分かりやすく日本語に訳せ!等とは言わないで欲しい。なにしろ英語ネイティブ圏の人間ですら、ある種の女性以外に上記の文章の意味を理解出来る方はいないからだ。とにかく文章自体は意味不明ながらも、彼女達は「女性は実際には精神疾患を患っていない。精神疾患のように見える女性がいたとしても、実際には女性に対する抑圧の産物なのである」と主張してる事はなんとなく分かるだろう。

そして貴方はこう思ったはずだ。「これは心理学の1部には急進的であったり思想が強い人間がいるという話ではないか?こうした例外的に急進的であったり思想が強い人間の主張を取り上げて心理学全体を語るのは如何なものか?」と。残念ながら貴方の疑問は完全に的外れだ。何故ならこうした主張は急に出てきたわけでも、心理学者の1部が強硬に訴えてるわけでもなく、そもそも心理学においては「男性は特権階級であり女性は男性のせいで精神疾患に陥る」というのは彼等の行うセラピーやカウンセリングの基礎となる前提だからだ。

論より証拠として現在カウンセリングのゴールドスタンダードであるAPA(米国心理学会)の「少女と女性向けのガイドライン」には、女性の精神疾患は男性の責任であると明記されている。(前提として心理学において虐待やDVは男性が家父長制を維持する為にやるものであり、従って女性暴力は全て自己防衛であり女性のDVや虐待は存在しない。詳しくは後述)

私達の社会における虐待や暴力は、摂食障害、うつ病、不安、自殺行動などの機能不全行動の発症に寄与する可能性があり、1方で有色人種の女性や少女に対する差別は、自己期待の低下、不安、憂鬱、自己に対する否定的な態度を引き起こす可能性があります。
(The abuse and violence in our society (e.g., abuse, battering, rape) may contribute to the development of dysfunctional behavior such as eating disorders, depression, anxiety, and suicidal behavior, while discrimination against women and girls of color can result in lowered self-expectations, anxiety, depression, and negative attitudes toward self (Keith, Jackson, & Gary, 2003). )

https://www.apa.org/practice/guidelines/girls-and-women

因みに女性の「機能不全行動、摂食障害、うつ病、不安、自殺行為」の発生率が高いのは「虐待と暴力」によるものだという証拠は示されていない。末尾にあるKeith, Jackson, & Gary, 2003はアフリカ系アメリカ人女性のメンタルヘルスに関して研究した本であり、人種差別が自己期待の低下、不安、うつ病、自己に対する否定的な態度に繋がる可能性を示唆しているものの、その前の文章の証拠は特に提示されていない。

更にガイドラインでは「戦争の最大の犠牲者は女性」「女性はルッキズムの被害者」等の読者の皆様はお馴染みの理論も語られる。念の為に繰り返すがこれは思想書やプロパガンダではなく、カウンセリングの教科書だ。

現代における女性の問題は数多くあるが、特に顕著な例としては世界的なテロリズムや戦争の蔓延により特に女性が強姦、暴行、貧困などの脆弱性によって被害を受けている。またメディア等で女性のイメージを痩せていて、白人で、性的対象として扱われ、被害者として描写する大衆文化も女性のメンタルヘルスに甚大な悪影響を及ぼしてる。
(There are many contemporary issues that could be cited here, however, four particularly salient and recent examples include the increasing prevalence of global terrorism, violence, and war in which women are particularly victimized by vulnerability to rape, assault and poverty; the effects of the media in popular culture that portrays an image of woman as thin, white, sexualized, and victimized)

https://www.apa.org/practice/guidelines/girls-and-women

こんなんツッコミ出したらキリがないので、ここら辺でやめるが、ここまで読めば分かる通り、今の心理学はフェミニズムと密接な関係にある…通り越して思想のプロパガンダになってる事は明らかだ。繰り返すが、これは心理学の世界的ゴールドスタンダートである。当然に日本の心理士も概ねこのような理論と前提を学習し、それをセラピーやカウンセリングという形で実践してるのは言うまでもない。ハッキリ言ってしまえば彼女達のやってる事はプロパガンダや思想教育のソレに近いのだ。

更に言えば、心理学に対してフェミニストが直接的・意図的に介入した証拠がある…というか心理学のこうした変化はフェミニスト自身が「フェミニズムの輝かしい功績」として別に隠したりしていない。

元々心理学では男らしさは長らく「優しさ、寛容さ、勇敢さ」という意味で使われていた。その裏表として「支配的」「自己完結的」「攻撃的」とも結びつけられていたが、その扱いは比較的良性のものとして捉えられていたのだ。

https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3734314

しかし1980年代に「家父長制」という概念が登場すると、途端に男らしさは「女性蔑視」「同性愛嫌悪」と結び付いて身体的・精神的な健康に悪影響を及ぼすものとされ、果てには性的暴行の加害にさえ繋がると理論づけられた。このような現象は社会学者がフェミニズム運動として「覇権的男性性」「男性の権力と特権」といった理論を持ち込んで起こった事が確認されている…というより社会学が自分達の輝かしい成果として誇示しており、その政治運動をまとめた本まで出版してる。

さてこうした思想が蔓延…というより自明の真理・積極的に広めるべき教条として扱われる集団において、彼女達に助けを求める男性はどのように位置づけられるか?は明確だ。もう言わなくても予想出来てると思うが、APAの「少年と男性に対する心理学的実践のガイドライン」には男性の精神疾患は家父長制のせいだと明記されている

伝統的な男らしさのイデオロギーに従うための社会化は、男性の心理的発達を制限し、行動を制約し、性別役割の緊張と性別役割の葛藤をもたらし、精神的健康と身体的健康に悪影響を及ぼすことが示されている。
(socialization for conforming to traditional masculinity ideology has been shown to limit males’ psychological development, constrain their behavior, result in gender role strain and gender role conflict and negatively influence mental health and physical health)

伝統的な男らしさについて:男らしさのイデオロギーとは、男子や男性についての記述的、規範的、禁止的な認識であり……反女性、達成、弱々しい恰好の回避、冒険、リスク、暴力などが含まれる。これらは総称して伝統的な男らしさのイデオロギーと呼ばれている。(Masculinity ideology is a set of descriptive, prescriptive, and proscriptive of cognitions about boys and men (sic)……including: anti-femininity, achievement, eschewal of the appearance of weakness, and adventure, risk, and violence. These have been collectively referred to as traditional masculinity ideology.)

心理学によれば我々の精神疾患や精神障害は「達成したい」という欲望や冒険心、それに反女性が原因ということだ。繰り返すが、これは世界的なカウンセリングやセラピーのゴールドスタンダードである。こんなんツッコミ出したらキリがないが、とりあえず最大のツッコミどころは「伝統的な男らしさ」と呼ばれるものがAPAによって男性の標準であると語られていることだ。これは要するに「伝統的な男らしさは男が作りだして男に強制してるんだ!だから女性には1切の責任がないんだ!男性の問題は男性だけで解決されるべきなんだ!」という主張に他ならない。なにしろ上述の通り、心理学においては女性は常に家父長制?の犠牲者として位置づけられるからだ。

まとめれば心理学において女性の精神疾患は家父長制社会・男性による不当な扱いによるものであるが、男性の精神疾患は自業自得であるとして扱われている。その為、そういった自業自得でメンタル不調に陥った男性がカウンセリングに訪れたら心理士はどうするべきか?は明確だ。まずは男性は特権階級の加害者であることを認識させるのだ。

この方針は勉強熱心な(皮肉抜きで本当に熱心に最新の心理学理論を学んでしまったのだろう)我が国の子ども家庭庁も推進しており、例えば性被害にあった男子に対するケアとして「男らしさの呪縛や男性の特権階級を自覚させる」ことが推奨されている。

https://t.co/VxFEz7Q5zt

そして臨床心理学最大のヤバさは彼女達自身がこうした問題点…男性を常に加害者・特権階級と位置付ける事でカウンセリングやセラピーから遠ざけてる事を知っており、尚且つそのうえで男性患者のニーズに合わせた治療サービスの提供を目指すのではなく「男性患者の方が私達に合わせるべきなんだ!」と主張していることである。

多くの男性がセラピーにおいてバイアスに基づく性差別的な扱いを受けた事を報告している(Further complicating their ability to receive help, many men report experiencing gender bias in therapy (Mahalik et al., 2012))

男性の精神衛生上の問題の発生率と深刻度と心理サービスを受ける男性の数が少ないことの間には不均衡がある。心理的および感情的な問題に対する支援を求めることは恥と弱さであると考える男性的な文化的規範とサービスが1致していないため、多くの男性が心理的支援を求めていないのだろう
(A disparity exists between the occurrence and severity of men’s mental health problems and the disproportionately low number of men served by psychological services (Englar-Carlson, 2014). It has been suggested that many men do not seek psychological help because services are not in alignment with masculine cultural norms that equate asking for assistance for psychological and emotional concerns with shame and weakness (Addis & Mahalik,2003).)

こんなんツッコミ出したらキリがないが、とりあえず彼女達の主張は「男女どちらの精神疾患も家父長制社会により作られるものであるのならば、男女平等が進むにつれて男女の精神疾患…とりわけ女性の精神疾患は減るはずであるが現実はそうでなはい」ことで否定出来る。

https://honkawa2.sakura.ne.jp/2150.html

ハッキリ言えば、今の心理学会はある種のカルト宗教ないし家父長制陰謀論者の巣と化している。例えば我が国の日本公認心理士協会の会長である信田さよ子氏は家父長制陰謀論を自明として、以下のような理論を日本に広めた。

https://x.com/SnoKbCW2O34R7Bh/status/1821519325532168644?t=q_atjlmSfU3UXqt9uV1yug&s=19

https://x.com/SnoKbCW2O34R7Bh/status/1821519897203015733?t=RD0u2dZGotxWOkff9C-x5Q&s=19

悪い事は言わない。ここに相談するぐらいなら泣き寝入りする方が遥かにマシだ。なにしろ泣き寝入りしても問題は何も解決しないが、少なくとも悪化することはないのだから。

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