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未亡人

昨夜は図書館から借りてきた村田喜代子さんの作品を読みました。

夫を亡くしたばかりの美土里と、彼の忘れ物をきっかけに知り合った三人の女性たち。「未亡人倶楽部」の彼女たちが過ごした一年を描く傑作長編小説。

作品帯より

「未亡人倶楽部」のメンバーは主人公の倉田美土里、時実美子、十鳥辰子。ほとんど同時期に夫を亡くした未亡人たちです。

作中で美土里が「未亡人」という言葉をWebで調べる場面が出てきました。

語源は古代中国で、夫が死んだ後、そのあとを追うこともせず、生き残っている妻のことを指す、と。

なんとも屈辱的な意味合いの言葉だったのだなと、読みながら思います。

私の夫は幸いにもまだ健在ですので、夫を失くすということは、実母が父を亡くした時の状況しか経験がありません。

けれどこの作品を読みながら、夫を失くすと言っても残された妻の各々が置かれた立場で随分と違うものだと感じました。

もちろん寂しさを感じるのは共通のようですが、長く一緒に生きてきたことによる思い出はそれぞれで、それに対する思いも大きく違います。

物語は主人公美土里の語りによって進みますが、未亡人3人の状況や思いが丁寧に書かれていて、不謹慎ですが心地よささえ感じてしまいました。

「小さな子どもは、くると、帰るの間に、できごとや時間というものがないんです。くると、帰るとがワンセットになっている。簡単なのですよ、人生が」
(中略)
「おとなはくると、帰るの間のスパンが長いのです。事情といきさつが人生のすべてみたいになってしまう」

本文p102-103抜粋

読書に年齢は関係ないはずだけれど、やはり読む時期によって感想は変化していきます。

この作品も私が夫を亡くした後に(私の方が長生きするという前提ですが)読んだら、また違った感想になるかもしれないと読み終わって思います。

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