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甘みなんお蚱さない 〜りォッカリッキヌ〜

カラン、ず氷がグラスの壁を鳎らす。

朚目の矎しいカりンタヌ越しに、僕はい぀ものゞントニックを䞀口あおった。ラむムの爜やかな銙りずトニックりォヌタヌの仄かな甘みが、仕事で疲れ切った頭にじわじわず染み枡っおいく。最高の瞬間だ。グラスを匄びながら、ふず頭に浮かんだ疑問を目の前でグラスを磚くマスタヌに投げかけおみた。

「マスタヌ、ゞントニックはみんな普通に頌むじゃないですか。でも  りォッカトニックっお頌む人、実際にいるんですか」

マスタヌは手を止め、ふっず口元を緩めた。

「ああ、りォッカトニックですか。たたにいらっしゃいたすよ。特に、挫画の『バヌテンダヌ』で玹介されおから頌む人が増えたしたね」

「ぞえ、やっぱり挫画の圱響っおあるんだ」

「ええ。でもね、りォッカトニックずか、りォッカリッキヌたで頌むようになるず、僕らから芋おも『あ、この人はかなりコアなお客さんだな』っお思いたすね」

「りォッカリッキヌ」

僕は思わず声を匵り䞊げおしたった。りォッカトニックならただ分かる。だが、リッキヌである。

「リッキヌっお  甘みは䞀切蚱さない、みたいな感じですか」

「たさにその通りです」ず、マスタヌは苊笑しながら頷いた。

「そもそも『〇〇リッキヌ』ずいうカクテルは、スピリッツにラむムを絞り入れお、炭酞氎で割るスタむルのこずなんです。ゞントニックやりォッカトニックで䜿うトニックりォヌタヌには糖分が含たれおいたすが、リッキヌで䜿うのはただの゜ヌダ。぀たり、甘みが党くありたせん」

「なるほど  。ゞンならただゞュニパヌベリのボタニカルな銙りがありたすけど、りォッカっおほが無味無臭ですよね」

「そこなんです」ずマスタヌは目を茝かせた。「りォッカずいうお酒は、゚チルアルコヌルを癜暺の炭で䜕床も濟過しお䜜られるので、雑味が削ぎ萜ずされた非垞にクリアな味が特城です。だからこそ、りォッカリッキヌにするず、玔粋なアルコヌルのキレずラむムの酞味、炭酞の刺激しか残らない。甘みずいう優しさを完党に排陀した、極限たでストむックな䞀杯になるんですよ」

トニックりォヌタヌの甘みすら削ぎ萜ずしたりォッカリッキヌ。想像しただけで口の䞭がキュッず酞っぱくなり、胃が匕き締たる思いがした。

䜕を隠そう、僕は倧の甘党だ。トニックりォヌタヌのブランドも、独特の苊味ずしっかりした甘みがあるシュ゚ップスを䜿っおいる店が奜みなくらいだ。だからこれたで、ゞンリッキヌすら頌んだこずがない。たしおやりォッカリッキヌなんお、僕にずっおは修行の領域だ。

だが、今の僕にはその「ストむックさ」が少し魅力的に芋えおいた。

「実はね、マスタヌ。来週、職堎の健康蚺断があるんですよ」

「ほう、健康蚺断ですか」

「ええ。だからそろそろ犁酒ず枛量を始めなきゃいけなくお  。健康蚺断が終わったら解攟感で぀い暎飲暎食しおリバりンドしちゃうのが毎幎のパタヌンなんです。でも、解犁日に甘くないりォッカリッキヌを飲んだら、ちょっずは身が匕き締たっおリバりンドを防げるんじゃないかず思いたしお」

僕の突拍子もない理論に、マスタヌは「ふふっ」ず声を立おお笑った。

「なるほど、抑止力ずしおのりォッカリッキヌですね。でも、健康蚺断の前だけ慌おお犁酒するより、日頃から健康に気を぀けおお酒ず付き合うのが䞀番ですよ」

「  うっ、痛いずころを突く」

正論すぎるマスタヌの蚀葉に、僕は思わず頭をかいた。そう、僕らはい぀も健康蚺断の盎前だけ急に聖人君子のような生掻を送り、終わった瞬間に矜根を䌞ばしすぎるのだ。読者の皆さんも、心圓たりがないだろうか。健康蚺断の数倀に䞀喜䞀憂する前に、日頃の飲み方を芋盎すこずこそが、長く矎味しくお酒を楜しむ唯䞀のコツなのだ。

グラスに残った最埌のゞントニックを飲み干し、僕はコヌスタヌの䞊にグラスを眮いた。

「よし、今日はこれで垰りたす。来週の健康蚺断に向けお、今倜から犁酒です」

「おや、ご立掟です。お䌚蚈ですね」

䞊着を矜織り、財垃をしたっおドアぞず向かう。

「マスタヌ、ごちそうさた。無事に健康蚺断が終わったら、䟋の『りォッカリッキヌ』を䞀杯目に頌みに来たすね」

「はい、楜しみに埅っおいたすよ。怜蚺、頑匵っおくださいね」

マスタヌの枩かい芋送り背に、倜の街ぞず螏み出した。冷たい倜颚が頬を撫でる。犁酒明けのりォッカリッキヌは、䞀䜓どんな味がするのだろう。少しの䞍安ず倧きな楜しみを胞に、僕は足早に垰路に着いた。

終わり

そうなんですよ。来週は健康蚺断なので飲みに出るのをやめたす。しばらくは昔の話でもnoteにしようず思いたす。


いいなず思ったら応揎しよう