いわき信組 247億巨額不正融資に学ぶ、組織の“緩み”はなぜ起きるのか
1. 日本の信用組合で“前代未聞”の不祥事が起きた
福島県いわき市に本店を構えるいわき信用組合が、247億円にも及ぶ不正融資を行っていたことが明らかになりました。
しかも、その手口は単なる融資ミスではなく、組織ぐるみの不正・隠蔽工作だったというから驚きです。
無断で1300以上の口座を開設
顧客の印鑑を勝手に用意
架空会社への融資
ハンマーでパソコンを破壊して証拠隠滅
死亡者名義を使った口座開設

第三者委員会はこの件を「我が国の金融史上、類例を見ないほど悪質」と断じています。
さらに衝撃なのは、この不正が約20年にわたって続けられていたという点です。
2. でも、これは“特別な事件”じゃないかもしれない
私はこの報道を見て、「まーそういうことあるよね。」という感想を持ちました。
なぜなら、私のクライアント先でこうした事件が起きたことはありませんが、“そういう話”はたびたび耳にしてきたからです。
そして、今回の件を思い出してすぐに浮かんだのが、2017年の政府系金融機関である商工中金の不正融資問題です。
2646億円にのぼる不正融資
4609口座の虚偽実績
全従業員の2割にあたる813人が処分対象
経営陣は一斉辞任
「解体的出直しが必要」と経産相
こちらは、記者会見で頭を下げて終わるだけでは済まされないレベルの組織的な改ざんと偽装でした。
3. 金融機関だから特別?いや、どの会社でも起こりうる
今回の事件の本質は、「金融業界の闇」ではありません。

本質は、組織というのは人間の集まりであり、人間は間違えるという前提が欠けていたことです。
「うちはそんなこと絶対に起きない」
「真面目な社員しかいないから大丈夫」
——その“正常性バイアス”こそが最大のリスクです。
4. 間違いが起きたとき、組織がどう向き合うかで未来は決まる
人間である以上、間違いはあります。
重要なのは、それを“なかったこと”にしようとするのではなく、
認める文化
再発防止策を仕組み化する文化
誰でも声をあげられる風通しの良い組織

このような文化を持っているかどうかです。
逆に、「責任を問われる=居場所がなくなる」会社は、いずれ取り返しのつかない爆弾を抱えることになります。
5. 経営者に問いたい。「うちでは絶対起きない」と本当に言えますか?
いわき信組も、商工中金も、最初は小さなズレから始まったはずです。
融資目標に追われた結果、書類をちょっと加工
上司が黙認、部下が真似
結果、全社的に“慣例”となる
最初は小さなミスでも、上に立つ人間が見て見ぬふりをした瞬間に、それは“文化”に変わるのです。
6. 企業を守るのは「叱られる仕組み」ではなく「言える仕組み」
経営において重要なのは、完璧な社員を揃えることではありません。
むしろ、「間違いを起こせる余地」を残しつつ、そこに“正しく立ち戻れる風土”を築くことです。
チェック体制が形骸化していないか?
ミスを指摘した社員が「面倒な人」とされていないか?
経営者が「耳の痛い話」を避けていないか?
すべての企業が、明日は「いわき信組」になる可能性を持っています。
結びに
私たちは、金融不祥事を“遠くの出来事”と捉えるのではなく、組織経営のリスク管理そのものとして捉え直すべきです。
社員を信頼するのは当然ですが、
「信頼しているからこそ、何かあった時のための仕組みを整える」という考え方が、これからの企業には必要です。
「うちの会社は大丈夫」と言い切らずに、
「間違いが起きても再起できる会社であるか?」
それを考えるタイミングが今かもしれません。
(空想ですが)
一般的に言って、大口融資先が天下り先(出向先)だったのかなー。その会社に元支店長のOBなんかがいたら、それはモノが言えないだろうなー。空想ですが。
