嘘の学歴や公約より「あんたの10年」なんだねと思った「銀河の一票」第8話
ドラマ「銀河の一票」がもう8話まで進んでしまった。毎回、楽しみにしている。
与党幹事長の星野鷹臣(坂東彌十郎)の娘でその秘書だったが絶縁された・星野茉莉(黒木華)。彼女に出会い、都知事を目指すことになったスナックママの月岡あかり(野呂佳代)。「チームあかり」にはそのほかに元幹事長秘書の五十嵐隼人(岩谷健司)と元市長の雲井蛍(シシド・カフカ)が加わった。都知事選に出馬する有力候補は、幹事長が推す日山流星(松下洸平)。茉莉の幼馴染だ。
ほかにも、YouTuber白樺透(渡邊圭祐)や新聞記者の雨宮楓(三浦透子)などがあかりたちに協力する。これまでの回で彼らについても丁寧に語られてきた。そうすることで、いろいろな立場の視聴者にも寄り添う作品だ。第6話だけの出演だったけど、望月歩が演じた明も忘れられない。
そして第8話ではついに、あかりの過去が語られた。(以下、ネタバレします)
「あんたの10年を信じるよ」
都知事選に不利になりかねないその過去(これはドラマを見てほしい)に、五十嵐は「俺はあんたの10年を信じるよ」と言う。それがどういう意味なのか、話が進んでいくとわかってくる。
あかりたちは、その前段で「選挙には物語が必要だから」と嘘を交えてあかりのバックグラウンドを構築する相談をしている。政治の世界のリアルだ。選挙には嘘があることを教えてくれる。このドラマは主人公たちを完全にクリーンには描かない。
(第7話ではチームあかりは、日山への票を割るために対立候補としてAI企業社長を出馬させたりしている。これもリアル。実際、前回の都知事選でもそういう候補がいて、まんまと大量得票して都知事のアシストをしてましたもんね)
その後あかりたちは、さまざまな仕事や立場の都民にヒアリングをしていく。どんなことに困っているのか、どうしてほしいのか。この場面は、俳優ではなく当事者と思われる人たちも出てくる。ここだけノンフィクションだ。
選挙は人気投票ではないこと、困っている人を助けてくれる人を選ぶためのものだと思い出させてくれる。わたしたちは自分が何を求めているのか、それを実現してくれるのは誰なのかを考えて投票しなければならない。
ところで茉莉が作った下手くそなホームページ。ダイヤルアップのインターネット初期によく見た感じで、なんか懐かしかった。
「あんたの10年」は嘘がつけない
ネットであかりの過去に気づいた人たちが心無いコメントをするなか、「相談にのってもらった」「パート先で一緒だった。優しくて明るくて」などの声も見つかる。実際にあかりを知っている人たちが、応援してくれている。
そこで、「な、あんたの10年」と五十嵐さん。
そうだ。選挙のときには何だって言える。これまでだって現実の選挙で経歴詐称や公約破りがあった。だけど、その人が実際に過ごしてきた過去10年を見たらどうだろう。そこは嘘がつけない。
これからは「あんたの10年」を見て投票しよう。
日山に何かありそう
幹事長の秘書・雫石誠(山口馬木也)に「育ちが出ますので」と言われ一瞬表情をなくす日山には、これから何か大きな変化がありそう。つらい過去がある一方、世の中と政界をフワフワとうまくわたるイケメン議員を松下洸平がかなりうまく演じてくれるおかげで、あかりの選挙が面白くなりそうだ。
「侍タイムスリッパー」以来、存在感を増している山口馬木也も曲者を演じてすごくいいし、黒木華(舞台「表に出ろいっ!」の頃からすでに大物だった)や三浦透子(NHK「大奥」の家重役が忘れ難い)の凄さは言うまでもない。何より野呂佳代が、あかりの過去も現在もやりすぎず自然に演じていて驚く。
ところで
そうそう、最新の「選挙の問題」といえば、「高市早苗首相陣営によるライバルや野党への“中傷動画”の作成・拡散問題」ですよね。コワいですねー。

