ライフジャケットの選び方|船に乗るなら桜マークが要ります
売り場に立っていると、月に何度も聞かれる質問があります。
「今度、船釣りに誘われたんですけど、このライフジャケットで大丈夫ですか?」
だいたいの方が、堤防用に買った軽いフローティングベストを持ってきます。そして僕は、同じ答えを返すことになります。桜マークが付いていなければ、その船では使えないかもしれません、と。
今日はこのやり取りを、そのまま記事にしました。桜マークとは何なのか、船に乗るならなぜ必要なのか、堤防釣りなら気にしなくていいのか。
桜マークって、そもそも何ですか?

桜マークというのは、国土交通省が定めた基準をクリアした救命胴衣に付く型式承認のマークです。
簡単に言うと、国が「これは基準を満たした浮力と強度がありますよ」と認めた証明書のようなものです。桜の花びらのマークがタグや本体に印刷されているので、見ればすぐに分かります。
釣具店の売り場にも、桜マークが付いているものと付いていないものが両方並んでいます。値段だけを見て選ぶと、ここで差が出ます。
船に乗るなら、桜マーク付きの着用が「義務」です

2018年2月1日から、小型船舶では船室の外、つまり甲板の上にいるあいだ、桜マーク付きのライフジャケットを着用することが義務になりました。遊漁船(釣り船)ももちろん対象です。
なので、船釣りに行く予定があるなら、まず自分の持っているライフジャケットに桜マークが付いているかを確認してください。堤防用に買ったおしゃれなベストや、軽さ重視のフローティングベストの中には、桜マークが付いていないものも普通にあります。
僕自身、年に数回タイラバやイカメタルで船に乗るのですが、そのときは必ず桜マーク付きのものを着けます。持っていない、あるいは古くて怪しいという場合は、船に備え付けのものを借りることもできます。乗船前に一言相談すれば、たいていの船宿は対応してくれます。
その違反点数、実は「乗る人」じゃなく「船長」にかかります
ここ、売り場でもよく誤解されているところなので、はっきり書いておきます。
2022年2月1日から、この着用義務に違反すると2点の違反点数が付き、累積5点以上で最大6か月の免許停止になるという罰則が加わりました。ただし、この点数と免停は、乗っているお客さんではなく船を操縦する船長にかかります。
だから、船宿や遊漁船は桜マークなしの持ち込みをそのまま乗せてはくれません。船長側が処分を受けてしまうからです。桜マークが無ければ、貸出用に着替えてもらう、という運用になっているお店がほとんどです。
つまり、あなた個人が切符を切られるわけではありませんが、着けていないと船に乗れない、あるいは出港前にひと手間かけさせてしまう、ということです。事前に確認しておけば、当日バタつかずに済みます。
どんな船でも確実なのは「タイプA」です
桜マークには、実はA・D・F・Gという種類があります。それぞれ、使える船の種類や航行できる海域の範囲が決まっていて、船によっては使えるタイプが限られることがあります。
正直、ここまで細かく覚える必要はありません。釣りで船に乗る予定があるなら、タイプAを選んでおけば、まず間違いありません。タイプAは対象となる船の範囲がいちばん広く、どんな小型船舶でも基本的に使えるからです。
釣具店の売り場でも、船釣り用として案内するのはほぼタイプAです。パッケージやタグに「TYPE A」と書かれているので、購入時に確認してみてください。
堤防・岸釣りなら、桜マークにこだわらなくて大丈夫です
ここまで船の話をしてきましたが、堤防や磯など、完全に陸から釣りをする場合は、桜マークの義務はありません。
とはいえ、着けなくていいという意味ではまったくありません。堤防からの落水事故は、毎年一定数起きています。桜マークの有無より優先してほしいのは、次の3つです。
1つ目は、とにかく着ること。持っているのに着けない、荷物になるから車に置いてきた、というのが一番多い失敗です。
2つ目は、体格に合っていること。大きすぎるとすり抜けて外れてしまいますし、小さすぎると圧迫感で長時間着けていられません。
3つ目は、浮力が体重に合っていること。特にお子さんは、大人用を緩めて使うのではなく、その子の体重に対応したサイズを選んでください。
ライフジャケットのタイプ別・選び方

売り場で扱っているタイプを、僕が案内する順番でまとめておきます。
腰巻き(ウエスト)自動膨張式
腰に巻くだけなので軽く、動きやすいのが最大のメリットです。水に落ちると、内蔵されたボンベが作動して自動的に膨らみます。

ただし、ボンベと作動装置には使用期限があり、定期的な点検と交換が必要です。一度作動させたら、自分で新しいボンベに交換してリセットする作業も要ります。この管理を面倒に感じる方には、次の固定式のほうが向いています。
肩掛け(首掛け)自動膨張式
腰巻きタイプと基本の仕組みは同じですが、肩から掛ける分、膨らんだときに体をしっかり支えてくれます。船釣りでよく選ばれるタイプです。管理の手間は腰巻きと同じで、ボンベと作動装置の点検が必要になります。
固定式(浮力材入り)ベスト
中に浮力材が入っていて、着けた瞬間から浮力を発揮します。ボンベの管理が不要で、確実に浮くという安心感が一番のメリットです。
そのぶん厚みがあって夏は暑く感じますが、磯釣りやお子さんに着せる場合は、僕はこちらを勧めています。動作の心配がいらないからです。
フローティングベスト(ゲームベスト)
ルアー釣りをする方に人気のタイプで、ポケットや収納がたくさん付いています。ルアーケースやプライヤーを収納しながら浮力も確保できるので、動きの多いエギングやシーバスでは重宝します。
ただし、フローティングベストは桜マークが付いていないモデルも多いので、船釣りにも使いたい場合は購入前に必ず確認してください。
お子さんと乗るときに気をつけたいこと
お子さんと一緒に船や堤防に行くときは、必ず大人が同伴し、体重に合った浮力のものを選んでください。
自動膨張式は、基本的に大人用として作られています。お子さんには、着けた瞬間から浮く固定式のベストを選んであげてください。サイズが合っているかは、店頭で必ず試着して確認するのがおすすめです。
万が一のときに、ライフジャケットの有無で生存率は大きく変わります。絶対に安全とまでは言い切れませんが、着けているかどうかで結果が大きく変わる場面は、実際にあります。
まとめ
桜マークは、船に乗るなら義務であり、しかも違反した場合の点数と免停は船長にかかります。だからこそ、乗船前に必ず確認しておくことが、あなた自身にとっても船長にとっても親切です。
堤防や岸釣りでは義務はありませんが、着ること・体格に合うこと・浮力が合っていることの3つは変わらず大事です。
タイプで迷ったら、船釣りにも使うならタイプAの自動膨張式か固定式、堤防メインならフローティングベストか固定式、というのが僕の目安です。分からないことがあれば、売り場でもコメントでも、遠慮なく聞いてください🌸
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