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採血が得意になったきっかけ

今日は、みんなが1度は経験のある「採血」の話をします。
もう腕がムズムズしてきた人もいるんじゃないですか?


皆さんは、採血、得意ですか?


あの青白い病院の独特の匂いの中で、「ちょっとチクッとしますよー」という、ちっとも「チクっと」ではない宣告。腕を差し出すあの瞬間、宇宙の終わりみたいな顔になってしまう人も多いと思います。

実は世の中には「針恐怖症」と呼ばれる、強い恐怖を感じる人が成人の約10%もいるそうです。さらに、採血中に「針が刺さる瞬間を見ない」と決めている人は、全体の約70%にものぼるというデータもあります。

昔、動物園で、ハリネズミを見ていたら、突然、交尾を始めたところに出くわしたことがあります。とても痛そうでした。ハリネズミの世界には、男性による性暴力が少なそうです。

そんな「恐怖の儀式」、採血ですが、不妊治療というプロジェクトを走らせていると、夫婦ともに避けては通れないイベントになります。

夫は、精索静脈瘤の手術をする決意をしたので、それに向けた検査で、景気よく血を抜いてきました。
感染症の有無を調べたようです。

そういえば、この病院はやたら検査があるのに何の検査がいまいちはっきり教えてくれないんですよね。あと結果を聞きにまた来院しないといけないのも億劫です。まあそれはいいとして……。

隣の席の「戦士」

採血室で僕の隣に座った方は、まさに「70%の派閥」の筆頭。採血との死闘の真っ最中でした。
ギュッと目を瞑り、奥歯をこれでもかと食いしばり、呼吸を止めている。
「頼む、一撃で終わらせてくれ……!」という悲痛な心の叫びが、パーテーション越しに漏れ聞こえてくるようでした。

一撃でお馴染みのワンパンマン 引用元

夫は採血得意

一方の僕はというと、実は統計上の「3割」どころか、さらにその先を行く「採血得意勢」です。
というか、ぶっちゃけ怖くありません。

しかも、僕の腕は看護師さん泣かせです。皮膚が厚いのか、はたまた無駄に筋肉質なせいか、針がうまく入らない「難攻不落の城」状態になることがよくあります。

看護師「……すみません、反対の腕いいですか?」

左腕で失敗し、右腕でリトライ。そんな展開はしょっちゅうです。でも、僕は平気です。
むしろ、鋭利な針が皮膚をスーッと滑り、肉を割り、血管へと到達する「未知との遭遇」を、まばたきもせずにじっと見つめてしまいます。

その後、採血管の中に、自分の体から出たばかりの濃いワインレッドの液体がドクドクと満たされていく様子は、どこか神秘的ですらあります。
あまりに余裕があるので、作業中の看護師さんに「今日の僕の血、色艶はどうですかね?」とか「最近、食生活に気をつけてるんで鉄分仕上がってると思うんですよ」なんていう、居酒屋の常連みたいなトークを繰り出すこともあります。

採血が得意な理由

なぜ、僕はこんなにも針が平気なのか。
ふと考えてみると、僕の体に開いた「6つのピアス」が理由かもしれません。
僕にとってピアスは、自分でお店に行って機械的に開けたものではありません。
その一つひとつが、当時の大切な友人たちに開けてもらったものなんです。
針が皮膚を貫通する瞬間、そこには確かな「痛み」がありました。
でも、その痛みは僕を痛めつけるためのものではなく、「自分の体という境界線を、誰かに預ける」という究極の信頼の証でもありました。

針が刺さる。それは、自分という個体が外の世界、あるいは大切な誰かと「繋がっていく」ための儀式。
僕にとって針の感覚は、痛みそのものというより、その先にある「関係性」を象徴するものなのです。
不妊治療の採血も、きっと同じです。
抜かれた血は検査に回り、数値となり、やがて「未来の家族」へと繋がるデータになる。
そう思うと、あの鋭い針先は、僕たち夫婦のプロジェクトを明日へと繋いでくれる、細くて頼もしい「架け橋」のように見えてくるのです。
……まあ、そうは言っても、やっぱりリトライは2回までにしてほしいな、とは思いますけどね。

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