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鮎川誠の声が、ある日ふいに帰ってきた

私のおぼろげな記憶では――
本当に曖昧なのですが――
1992年に発表された The Rokkets『ROKKET SIZE』は、
シーナの産休時期に作られたアルバムだったように思います。

その中に収められている「VINTAGE VIOLENCE」が、
昔からとても好きでした。

鮎川誠のロックンロールとブルースの泥臭さをまとった、
ぶっきらぼうなのに、どこか色気のあるボーカル。
無愛想なのに、なぜか耳から離れない――
そんな一曲でした。

もう30年以上も前の歌です。
当時は、何度も繰り返し聴いていたはずなのに、
歳を重ねるうちに、いつしか思い出すこともなくなっていました。

それが、ここ2、3日前のことです。
ふっと降りてきたかのように、
突然、脳内で再生が始まりました。

長く生きていると、
こういう体験を何度も繰り返します。

ルー・リードであったり、
ピンク・フロイドであったり、
吉田拓郎であったり。

忘れていたはずの音楽が、
ある日ふいに、静かに顔を出します。

そして思い出したように、
実際の音源を探し、
何度も、何度も、聴き返します。

たぶん、これも
人生の楽しみのひとつなのだと思います。

音楽は、過去を連れて帰ってきます。
そして今の自分の耳で、
もう一度、鳴り直すのです。

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