今、気になる人! 哲学を語る人編🎁マーサ・ヌスバウム「人間らしく生きるって何だろう」
マーサ・ヌスバウムってどんな哲学者?
💝「人間らしく生きるって何だろう」を考え続けた人
哲学者と聞くと、なんだか難しそう
遠い世界の人みたい
そんな印象を持つ方も多いかもしれません
でも、マーサ・ヌスバウムという哲学者の考えていることは、実はとても身近です
たとえば
人はただ生きていればそれでいいのか
お金があれば幸せなのか
好きなことを選べる自由はあるのか
安心して暮らせることは、どれほど大事なのか
こうした問いを、社会や政治や教育の問題とつなげながら、ていねいに考えてきたのがマーサ・ヌスバウムです
ひとことで言うなら、この人は
「人が人間らしく生きるためには、何が必要なのか」
をずっと考えてきた哲学者です
💝幸せって、お金だけでは決まらない
ヌスバウムの考え方で、とくに有名なのが
ケイパビリティ
という言葉です
少しかたく聞こえますが、意味はそれほど難しくありません
これは簡単に言うと
その人が、自分らしく生きるための本当のチャンスを持っているか
ということです
たとえば
学校に行ける
安全に暮らせる
病気になったときに治療を受けられる
働くかどうかを自分で選べる
自分の考えを言える
人とつながれる
そういうことができてはじめて、人は「生き方を選べる」と言えます
ただ息をしているだけではなく
ただ我慢して毎日を過ごしているだけでもなく
ちゃんと「自分の人生」を生きられること
ヌスバウムは、それがとても大切だと考えました
💝「満足している」だけでは見えないことがある
ここが、ヌスバウムの面白いところです
たとえば、つらい環境の中で長く生きてきた人が
「私はこれで十分です」
「これが普通です」
と思っていることがあります
もちろん、その気持ちを否定することはできません
でもヌスバウムは、そこでもう一歩考えます
その人は本当に自由に選べているのだろうか
本当はもっと違う生き方もできたのに、最初からあきらめていただけではないのか
つまり
人が満足しているように見えることと、その人が本当に尊重されていることは、同じではない
ということです
これはとても大事な視点です
人は、貧しさや差別や不自由の中に長くいると
「しかたない」と思うようになることがあります
でも、そこで「本人が文句を言っていないから大丈夫」としてしまったら
見えなくなる苦しさがあります
ヌスバウムは、そういう見えにくい不平等に光を当てようとしたのです
💝人間らしく生きるために必要なもの
ヌスバウムは、人間らしく生きるためには、最低限守られるべき大事なものがあると考えました
たとえば
命
健康
安全
学ぶ機会
考える自由
感情を育てること
人とのつながり
遊び
政治や社会に参加すること
こうして見ると
「生きる」というのは、ただ食べて眠ることだけではないとわかります
安心できること
愛すること
笑うこと
学ぶこと
考えること
誰かと関わること
自分の意思を持つこと
そうしたもの全部が合わさって、はじめて「人間らしい生」ができあがる
ヌスバウムはそう考えました
だから彼女の哲学は、ただの理想論ではありません
福祉
教育
女性の権利
障害のある人の権利
貧困
民主主義
国際社会の不平等
こうした現実の問題と強く結びついています
💝感情は弱さではなく、大切な力
ヌスバウムの考えで、もうひとつ魅力的なのが
感情をとても大事にしていること です
哲学というと、理性が大事で、感情はじゃまもの
そんなイメージを持つ人もいるかもしれません
けれどヌスバウムは、そうは考えませんでした
悲しみは、何か大切なものを失ったことを教えてくれます
怒りは、不当な扱いを受けたことを知らせてくれます
愛情は、その人がどれほど大事な存在かを感じさせてくれます
つまり感情は、ただの気分ではなく
私たちが何を大切にしているかを映し出すもの だというのです
この考え方は、とてもあたたかいですよね
感情的になることを、すぐに弱さと決めつけるのではなく
そこにどんな意味があるのかを見つめる
それもまた、ヌスバウムらしい姿勢です
💝文学や芸術も、人を育てる
ヌスバウムは、小説や演劇や音楽のような芸術も大切にしました
なぜなら、物語にふれると
自分とは違う立場の人の痛みや喜びを想像できるからです
自分とはまったく違う人生を生きている人のことを
「そんな人もいる」で終わらせず
「この人はこんなふうに苦しみ、こんなふうに願っているのかもしれない」
と感じられるようになる
この想像力は、やさしさにつながります
そして、民主主義にもつながります
人を数字として見るのではなく
ひとりの生きた存在として見ること
それができる社会のほうが、きっとあたたかいはずです
だからヌスバウムは
教育の中で文学や芸術を軽く見てはいけない
と考えました
役に立つかどうかだけで学びを決めてしまうと
人の心を想像する力が弱ってしまうからです
💝古代の哲学を、今の社会につなげた人
ヌスバウムは、古代ギリシアのアリストテレスや、ストア派の哲学からも大きな影響を受けています
でも、古い考えをそのままなぞったわけではありません
昔の哲学が考えていた
「よく生きるとは何か」
という問いを、現代の社会問題に結びつけて考え直したのです
だから彼女の哲学は、古典的でありながら、今を生きる私たちにもちゃんと届きます
女性の生きづらさ
教育格差
貧困
差別
弱い立場に置かれた人の尊厳
そうしたテーマに向き合うとき
ヌスバウムの考え方はとても力を持ちます
💝マーサ・ヌスバウムの哲学が教えてくれること
ヌスバウムの哲学を知ると
「豊かさって何だろう」
と考え直したくなります
収入が高いこと
効率がいいこと
成果が出ること
それもたしかに大切です
でも、それだけでは、人は幸せになれません
安心して眠れること
意見を言えること
誰かに大切にされること
学べること
遊べること
自分で選べること
そういうものがなければ
どれだけ数字が良くても、生きることは苦しくなってしまいます
ヌスバウムは
人を数字ではなく、人として見ること
の大切さを教えてくれます
そして
誰もがその人らしく生きられる社会こそが、本当に良い社会なのではないか
と問いかけてくれます
💝マーサ・ヌスバウムは
人間の尊厳を大切にする哲学者 です
彼女は
幸せはお金だけでは決まらない
人には、その人らしく生きるための条件が必要だ
感情や想像力も、人間らしさの大事な一部だ
と考えました
だからヌスバウムの哲学は、難しい理論というより
どうしたら人はもっと人間らしく生きられるのか
を考えるための、あたたかくて強い哲学だと言えます
もし哲学に苦手意識があっても
ヌスバウムの考えは、きっと思ったよりずっと身近です
私たちが毎日の中で感じる
苦しい
悲しい
なんだかおかしい
もっと大切にされたい
そんな気持ちの背景にも
彼女の哲学は静かに寄り添ってくれるように思います
