タイパを捨てる最高の贅沢、建築士が旅先で「30キロの徒歩」を選ぶ理由
旅先でバスの時刻を確認しようとすると、1日2本しか運行していない。
そんな田舎あるあるな時刻表、皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか。(それが地元の方はすみません…)
現代の旅は、いかに効率よく目的地を回るかが重視されがちです。レンタカーを借り、カーナビに従って点から点へと移動すれば、1日で数多くの名建築や観光地を制覇できるでしょう。
しかし、私はあえて「歩く」という非効率な選択をしばしば選びます。
見知らぬ土地を、スマホのGoogle Map片手にひたすら歩く。変わっているか、変わっていないかわからないような景色をただひたすらに歩く。
何かがありそうな予感。
もう地図では目に入りそうな距離感、そして建物の角が見える。あきらかに誰かが「設計」した気配。その外観に出会えた時、
「本当にあったんだ…!」
という感動が胸を貫きます。

中に入ればその喜びはひとしお。……の場合もあれば、もちろん、頑張って歩いたけど思っていたほどじゃなかったな…なんて日もあります。
でも、それも行ったから初めて分かったことだし、晴れの日の写真ばかり見ていたから、たまたま雨だったから魅力が伝わり切らなかった、なんて可能性もあります。
逆に雨の日の姿を見れてラッキーなんて思いもあったりなかったり。
それも旅の醍醐味ですよね。
そんな気持ちは、時速数十キロで流れる窓越しの景色を眺めたり、特にSNSを開いていたら着いたという道のりでは、決して得られないと思っています。
「いくらなんでも、車で15分の距離を2時間かけて歩くのは非現実的だ」と笑われるかもしれません。
しかし、幸いなことに日本の交通網は優秀です。どれほど辺鄙な場所にある名建築でも、最寄り駅まで辿り着きさえすれば、徒歩1~2時間圏内に収まることがほとんどなのです。
そして、歩き続ける中で、「建築」と「道のり」の関係性について気づいた、大切なことがあります。
それは、
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