見出し画像

【詩】海を見ていた午後【写真】

波の音を聴きながら 
花は育ち
波の音を聴きながら 
花は背を伸ばした
心をざわめかせ続ける
音の主の姿を、一目
見てみたい その一心で

ようやく出会えると
知らぬ間に
白い蕾はほころび
こぼれた香りが
水平線まで届くと
午睡にまどろんでいた海は
微笑んで さざめきを返した

風に揺れる花は
枯れゆくその日まで
海と見つめ合っている
朝も昼も夜も
応えてくれる
揺るがない
青い心を見つめている

波の音と共に
海の傍の部屋に満ちる
ねっとりと甘い芳香と
潮の香り
人にはわからぬ方法で
続く交信と応答を、ただただ
べたつく肌で 見ていた午後

海を見ていた午後。

* * *
季節になる街角や公園などの隅から立ち上ってくる、花の甘い香りが好きです。
海際での甘い花の匂いにはっとして、思わず写真を撮りました。

シロクマ文芸部さんのお題【波の音】をお借りしました。いつも素敵なお題をありがとうございます。


いいなと思ったら応援しよう!

雪柳 あうこ よろしければサポートお願いします。これから作る詩集、詩誌などの活動費に充てさせていただきます。