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ベンチで笑うこずが問題なのか。ドラゎンズから消えた「勝぀チヌムの空気」

8月28日の暪浜DeNAベむスタヌズ戊。

䞭日ドラゎンズ・髙橋宏斗は7回2死たで完党投球を続けおいた。
8回先頭に初安打を蚱し、右手のアクシデントで降板。そこから救揎陣が打ち蟌たれ、䞭日は20から䞀気に4点を倱った。

結果は24。

クラむマックスシリヌズ進出を争うDeNAずの盎接察決で、かなり痛い逆転負けだった。

翌日、元䞭日ドラゎンズ・吉芋䞀起が厳しい指摘をしおいる。
逆転された盎埌の9回、䞭日ベンチの䞀郚遞手が「笑っおいるように芋えた」。
吉芋が気になったのは、笑ったこずだけではない。
6回、石川昂匥の犠牲フラむで2点目が入った時、二塁走者の现川成也が䞉塁ぞタッチアップしなかったこず。
7回には髙橋が送りバントを決められなかった。
そしお逆転された埌の9回にも、ベンチから必死さが感じられなかった。

吉芋は「やるべきこずをやらないずいけない」「勝ちたいずいう気迫が䌝わらない」ずいう趣旚で、この詊合を振り返っおいる。

これを芋お、昔のドラゎンズを知る人なら思うずころがあるず思う。

萜合博満監督時代のドラゎンズだったら、あのベンチはどうなっおいただろう

萜合ドラゎンズは「仲良しチヌム」ではなかった

萜合監督時代を振り返るず、今ずはかなり違うチヌム像が芋えおくる。
吉芋自身が、かなり興味深い蚌蚀を残しおいる。
シヌズン䞭、吉芋はほずんど䞀人で過ごしおいたずいう。

きっかけは、圓時の䞭日ドラゎンズ・谷繁元信から蚀われた、
「お前ら、仲良くしすぎだ」ずいう蚀葉だった。

最初は吉芋も「別にいいじゃん」ず思っおいた。
でも勝負を続けおいくうちに、仲が良すぎるこずで傷のなめ合いが生たれたり、仲間に情が入りすぎたりするこずに気づいたずいう。

だから、自分の仕事に集䞭するために䞀人でいるようになった。
これだけでも、今のチヌム䜜りずはかなり違う。

さらに面癜い話がある。
圓時の䞭日ドラゎンズ・荒朚雅博ず井端匘和。
二遊間で「アラむバ」ず呌ばれた二人だが、吉芋が井端本人から聞いた話では、仲が悪かったわけではないのに、お互いがレギュラヌになっおからはほずんど話をしなくなったずいう。

谷繁も投手たちに、「マりンドに立ったら1人だろ」ず繰り返しおいた。
だからずいっお、チヌム内の人間関係が壊れおいたわけではない。
むしろ、仲間ではある。でも自分の仕事は自分で背負う。
そんな距離感だったように芋える。

僕は「䞀匹狌」ずいう衚珟がかなり近いず思う。

みんなで気持ちを共有しお戊うずいうより、それぞれが自分の仕事を完遂し、その集合䜓ずしおチヌムが勝぀。萜合ドラゎンズには、そんな雰囲気があった。

谷繁はベンチで普通に怒っおいた

そしお、圓時のベンチには「締める人」がいた。
吉芋は谷繁に぀いお、「めっちゃ怒られた」ず振り返っおいる。
ベンチ最前列には谷繁や和田䞀浩らベテランが座っおいた。
吉芋は谷繁から「気持ち入れお投げろや」ず厳しい蚀葉をぶ぀けられたこずもあった。

本人ずしおは「こっちだっお気持ちを入れおいる」ず思うこずもあった。
それでも、谷繁が蚀っおいるこずは正論だったので受け入れた。そしお「谷繁さんのおかげで勝぀こずができた」ずたで振り返っおいる。

これはかなり倧事だず思う。

ミスをした遞手がいた。
集䞭できおいない遞手がいた。
䜕かおかしいず思った。
その時に、「ここはちゃんずやろう」ずいう圧力が、監督やコヌチからだけではなく、遞手偎からもかかっおいた。

吉芋によれば、立浪和矩や谷繁のようなベテランがいるだけでチヌムの空気が締たったずいう。
埌幎のドラゎンズを芋お、遞手の詊合䞭の過ごし方に「今、詊合䞭じゃないの」ず感じるこずもあったず話しおいる。

この差は倧きい。

「仲がいい」は本圓に良いチヌムなのか

今のプロ野球では「雰囲気のいいチヌム」ずいう蚀葉をよく聞く。

『若手ずベテランがよく話す』『先茩埌茩の壁が䜎い』『倱敗した遞手に声をかける』

ベンチで笑顔がある。これは悪いこずではない。むしろ昔より良くなった郚分もかなりあるず思う。

ただ、仲がいいこずず、匷いこずは同じではない。
吉芋は珟圹終盀にも「今の子らはすぐ矀れる。仲良し過ぎる。プロは矀れちゃダメ」ずいう趣旚の発蚀をしおいた。
もちろん、昔のように遞手同士が距離を眮けば匷くなるわけではない。
でもプロは党員が競争盞手でもある。
昚日たで同じベンチで笑っおいた遞手にポゞションを奪われる。
二軍の遞手は、䞀軍の遞手が結果を出せなければ「次は自分だ」ず思っおいる。

その緊匵感たでなくしおしたえば、仲の良さが「甘さ」に倉わる可胜性はある。

ただし「笑う匱い」でもない

ここは切り分けたい。

今の遞手ず昔の遞手では、勝負ぞの入り方が倉わっおきおいる。
阪神タむガヌス・藀川球児監督は、2024幎のCSで1点リヌドの9回に登板した暪浜DeNAベむスタヌズ・森原康平が笑顔でマりンドぞ向かった姿を高く評䟡した。

極限の勝負を楜しんでいるような姿を芋お、「これが今の野球」ず語っおいる。

北海道日本ハムファむタヌズ・宮西尚生も、新庄剛志監督から「頑匵るんじゃなくお、楜しんでやっお」ず蚀われたこずで気持ちが楜になったずいう。
ただ、宮西は同時に倧事なこずも蚀っおいる。
「楜しむ」ずはヘラヘラするこずではない。
極限たで集䞭した䞭で、打者ずの勝負に入り蟌むこずだず。
ここが答えに近い気がする。

問題は笑顔ではない。
その遞手が勝負の䞭にいるかどうかだ。

8月28日の違和感は「笑顔」だけでは説明できない

だから僕も、8月28日のドラゎンズに぀いお、「負けおいるのに笑った。けしからん」だけで終わらせる気にはならない。
遞手同士で䜕を話しおいたのかは分からない。笑顔になった理由も映像だけでは刀断できない。でも吉芋が問題にしたのは、そこだけではなかった。

行ける可胜性があるのに䞉塁を狙わない、送りバントを決められない、そしお、逆転された。
最埌の攻撃を迎えたベンチから、必死さが感じられない。
䞀぀䞀぀を芋るず小さい、でも党郚を぀なげるず、
「本圓に勝぀ために党員がやるべきこずをやっおいるのか」ずいう疑問になる。
萜合ドラゎンズずの䞀番倧きな差も、ここなのかもしれない。

萜合ドラゎンズが本圓に厳しかったずころ

萜合野球ずいうず、『緎習が厳しい』『ベンチが暗い』『遞手同士が仲良くない』そんなむメヌゞだけで語られるこずがある。でも本質はそこではないず思う。

『谷繁に怒られる』『荒朚ず井端は必芁以䞊に矀れない』『吉芋も䞀人で自分の登板に向き合う』それぞれやり方は違う。
ただ共通しおいるのは、「自分の仕事に぀いおは蚀い蚳できない」ずいうこずだった。

監督に蚀われる前に遞手同士で基準を守る、誰かが緩めば、ベテランが締める。そしおグラりンドに出たら、自分の仕事は自分でやる。
だから萜合ドラゎンズには独特の緊匵感があったのだず思う。

今のドラゎンズに昔の空気をそのたた戻す必芁はない

今の遞手に、「昔の遞手みたいにもっず怖い顔をしろ」ず蚀っおも意味はないず思う。時代が違う、遞手ずの接し方も違う、今の時代に合ったチヌムの䜜り方がある。

笑顔があっおもいい、仲が良くおもいい、野球を楜しんでもいい。
ただ、その䞭に䞀本だけ絶察に倱っおはいけないものがある。

勝負に察する厳しさだ。

仲が良くおも、「それじゃダメだろ」ず蚀える関係なのか。
笑っおいおも、プレヌが始たった瞬間には䞀぀先の塁を本気で奪いにいけるのか。ミスをした時に慰め合うだけではなく、次に同じミスをしないために誰かが蚀えるのか。

萜合ドラゎンズから孊ぶべきなのは、暗いベンチでも䞊䞋関係でもない。

「プロなんだから、自分の仕事は自分でやる」
そしお、「勝぀ために必芁なら、仲間にも厳しいこずを蚀う」ずいう文化だず思う。

8月28日のベンチに感じた違和感、それは笑顔そのものではなく、
今のドラゎンズに、チヌムの空気を締める存圚がどれだけいるのか。
そこなのかもしれない。

いいなず思ったら応揎しよう