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Netflix『ガス人間』――要らないものが、いちばん愛しい

Netflix版『ガス人間』を見終えたあと、しばらく「結局、これは何だったのだろう」と考え続けていました。最終的な黒幕は誰だったのか。ガス人間は悪なのか、それとも救いなのか。すっきり説明できる答えが用意されないまま、まるで岸に打ち上げられたような気分で終わる作品でした。

けれど、そのわからなさは単なる伏線の未回収ではないように思います。むしろそれは、主人公・岡本が最後にたどり着いた視点そのものだったのではないでしょうか。岡本は刑事です。最初は事件を暴く側にいます。犯人を見つけ、正体を突き止め、黒幕を特定し、善悪を分ける。それが彼の役割でした。けれど物語が進むにつれて、ガス人間という存在は、その分類をすり抜けていきます。犯人であり、犠牲者でもある。人を殺す存在であり、誰かを守ろうとする存在でもある。善悪という物差しそのものが、この作品の前では溶けていくのです。






原作『ガス人間第一号』が抱えていた核


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