足踏SNEAKERS 店舗ワールドができるまで

こんにちは、Arfoxです。
いつも足踏SNEAKERS 並びに店舗ワールドにお越しいただきありがとうございます!
バーチャルスニーカーショップである『足踏SNEAKERS』の店舗ワールドが公開されてから早数ヶ月、沢山の方にお越しいただき数度のアップデートを行って参りました。
なかなか忙しい日々が続いておりましたが少しひと段落着いたので、これを機に僕が足踏SNEAKERSのメインメンバーとして加わった経緯から店舗ワールドが完成するまでのお話をここに書き記しておきたいと思います。✒️👟
先に伝えておきます!かなり詰め込んでいるので長文記事となります!!!
ですがその代わり読み応えもあると思っている(多分)ので、ぜひコーヒー片手に気になった部分だけでも、ぜひ読んでいってください。
【 足踏SNEAKERS発足 】
2024年12月、VRChatにて
「Arfoxさん、スニーカーって興味ありますか?」
現在のリーダーであるBUSSANさんにお声掛けを頂き、VRChatでスニーカーショップを始めたいとの旨を教えて頂きました。
以前僕がアップロードしたワールド『KURAGARI COFFEE』のワールドデザインに感銘を受けお声がけ頂けたようで、まさか憧れの方と一緒に仕事ができるとは思ってもみませんでした。
そういった経緯もあり、足踏SNEAKERSの店舗ワールド制作担当としてJOINしました。
(この頃、既にスニーカー製作担当のXeleviaさんとBUSSANさんの間でプロジェクトが進んでいました)
【 コンセプト決定とロケハン 】
この時点では恐らくVRChatに店舗を構えるスニーカーショップは僕の知る限り無かったと思います。
その為活動していく上で必要なショップのコンセプト・デザインのトンマナ・ロードマップを3人で入念に決定していきました。
そして「実際に店舗を作るならロケハンをしよう!」というBUSSANさんからの提案により、僕たちは東京に集まることにしました。

東京では渋谷・原宿・下北沢のセレクトショップやスニーカーショップを中心にロケハンを行いました。スニーカーの展示方法・ショップの雰囲気・販売されているスニーカーの種類など様々な視点から情報収集をしました。
これは今後の制作に関わる僕らの「共通言語」として大きな役割を果たすとても有意義な時間となりました。

【足踏SNEAKERSのあるエリア】
足踏SNEAKERS店舗ワールドでは、裏原宿や下北沢のような程よい都市感とアンダーグラウンドさが融合したエリアをロケーションの核として、実際にロケハンから得た立地的要素を組み合わせることでカルチャーと人が自然に繋がる空間を設計しています。
場所としての説得力を高めるためには自ずとそのエリアの名前が必要だと思ったので、僕たちはショップ名から連想された「足踏区」という名前をつけました。

足踏区の地形設計では「高低差」を意識しました。
ワールドに初めて入った際に一気に全容が見えるのではなく、地下道から地上へ上がることで初めて店舗の顔である入り口が見えるという「ワクワク感」を演出したかったためです。
その為、建物の正面はあえて斜めに切り落とされたデザインにしてあります。(現実だとなかなかこういった都合の良い物件も多くありませんが、そこを自由に作れるのがワールド制作の良いところ!)


ワールド内の目隠しについても気を配りました。
基本的に遠景はスカイボックスを使用して表現するのですが、実際に人が立ち入る箇所は自然と目につく箇所も必然的に多くなるため、しっかりと作り込む必要がありました。
アパートやマンション、雑居ビル、タワー式の立体駐車場など、大小異なる様々な遠景用のダミーモデルを作成し、足踏区各所に配置しました。
周辺の建物の築年数や建て替えが行われたという時間の差を意識し、意匠の凝った建物やモダンさが色濃く反映された建物が共存する環境を表現しています。


【店舗について:構造編】
さて、ここからは足踏SNEAKERSの店舗について深掘りしていきたいと思います。
足踏SNEAKERSのショップが入る建物は、都市郊外の「喫茶店だった古ビルのリノベ物件」という設定で制作していました。
個人的に好きな言葉として「温故知新」という四字熟語があります。
古き良きものへの美的感覚を大切にしながら現代的な視点から再解釈して新たに付加価値を持たせることはカルチャー的な面から見てもとても重要なことだと考えていて、「懐かしさ」や「新しさ」が混在する様子はVRChatのワールド制作に大きく通ずるものがあると感じ、このコンセプトに決定しました。

まず実際に東京でのロケハンで得たアイデアや資料を元にしながら各フロアの持つ役割や動線などを詳細に反映したラフスケッチを作成しました。

ラフスケッチ完成後、何度かメンバー内で意見交換を行い、最終的な目標地点を設定しました。
この際、オンラインホワイトボードサービスの "miro" がとても役に立ちました。リアルタイムで進捗状況を共有できる他、一箇所に資料を集約することができたので方向性に迷った時の指標としてとても便利でした。

本格的な制作へと移る前に、大まかなサイズのモックアップをBlenderで作成し、実際にVRChatで内覧会を行いました。
ユーザーによって使用するアバターの大きさが異なるというVRChat特有の条件により現実の縮尺で作成しても大きさが合わない事もよくあるので、VRChatワールドを制作するときはモックアップを作成してVR空間で確認することを大切にしています。

2階建+屋上階という構成のビルの中には元々各階全範囲に伸びたフロアがある想定でした。そのフロアを一部取り壊して大きな吹き抜けを設けることで開放感のあるアトリウムを作り出しています。
他にも元々建物に使われていたコンクリートブロックやガラスブロックをそのまま生かした壁や打ち放しのコンクリート床など、物件の持つルーツや物語を感じてもらえるような仕上げにしています。

【店舗について:什器編】
スニーカーセレクトショップということで、スニーカーを展示する場所の設計も行いました。
店舗内には僕たち足踏SNEAKERSのオリジナルスニーカーを展示するスペースと、VRChat想定のスニーカーを作っているショップ様のスニーカーをセレクトして展示するスペースをそれぞれ設けています。
僕たちの1stスニーカーである"WARV"を展示する什器は、コンクリートブロックやラッシングベルトを使用した都会的なインスタレーションアートをモチーフに設計しました。
1stスニーカーは店舗の顔ともなる部分なので特にユニークさを持たせた什器となっています。

2ndスニーカーである"TREDS"はユーザーごとに好みの見た目にカスタムできるコンセプトを全面に押し出した什器でした。WARVでも表現していた都会的な雰囲気はそのままに、実際にカスタムできる"CUSTOM STAND"を併設した体験型の展示方法になっています。


様々なショップ様のスニーカーをそれぞれ展示するスペースでは、長期的な運用を加味して後々のレイアウト変更が可能なモジュール式の展示方法を考案しました。
これにより展示するスニーカーやショップ数が増減しても柔軟に対応できる什器にすることができました。


【店舗について:インテリア編】
店内のインテリアは主に以下の素材で構成されています。
・コンクリート…50%
・木材…20%
・金属…20%
・その他素材(レザー・布等)…10%
建物そのものが持つコンクリートや金物の無骨な質感をベースに、温かな印象をプラスするため家具や壁の仕上げ材として木材を使用しています。
これは1940年代~1960年代のアメリカを中心に流行した「ミッドセンチュリー」の影響を強く受けており、プライウッドと呼ばれる合板のマテリアルを使って制作しています。
装飾的にラグやレザー製のソファなどファブリックも使用する他、観葉植物を各所に配置するなどして全体のバランスを整えています。


【ワールド内のギミックについて】
ワールド内ではアセットに含まれるギミックのほか、いくつか自前でギミックを用意しました。
・ワールド環境音のリピート
・屋内と屋外の環境音減衰、反響効果
・ポスター等の画像データの読み込み
以上のギミックをChatGPTを用いたバイブコーディングで実装しています。
最近は簡単なギミックであれば実装できてしまうので大変重宝してます。
(本当はちゃんとギミック組めたほうが良いんだろうけど…)
ワールド環境音のリピートギミックは、都市の空気感を表現する交通の音や大気の音をループさせています。
それに加えて季節感や時間帯を演出するためにその時々で鳥の声や虫の音をランダムにループさせるAudioSourceを配置しています。
また、ユーザーが店舗内に入った際にそれらの音を減衰させるスクリプトも合わせて実装し、自然な音響体験になるように努めました。
【ポップアップスペースについて】
足踏SNEAKERSでは不定期ですが期間限定でポップアップ展示を行っています。
店舗入り口の正面部分が展示スペースとなっており、来店いただいた方に楽しんでいただけるように毎回違った形式で展開しています。
『足踏SNEAKERS -Signature Update- 』
こちらはVTuberの「間牙みつき」さん、クリエイターの「コバぽこ」さんをモチーフにしたWARVのシグネチャーモデルを制作した際のポップアップです。
ドリンクケースを什器に転用し、スニーカーと同じく店舗にもモデルのお二人の要素をあしらいました。


『MIGIRI Footsteps -アシブミカウンター- 』
こちらはMIGIRI LABさんから発売されているアバター・ワールド向けギミック"MIGIRI Footsteps"を体験できるポップアップです。
80年代アーケードゲームがモチーフの筐体を制作し、実際に足踏みして遊べるギミックをMIGIRI LABさんに実装していただいたものを設置しています。
その他、アバター向けギミックを実装したサンプルアバターをXeleviaさんに制作いただきました。


今後も足踏SNEAKERSは様々なクリエイター・団体の方とのコラボを通じてVRChatからスニーカーカルチャーの魅力を発信していきます。
【終わりに】
以上、「足踏SNEAKERS店舗ワールドができるまで」でした。
ここまでの読了お疲れ様でした!お読みいただきありがとうございました!
このプロジェクトに参加してから様々なことを体験させていただきました。
スニーカーやストリートカルチャー、ファッションが好きな人たちを含め様々な方がこの店舗に集まってそれぞれの「好き」を共有する、そんな素敵な繋がりが生まれていく景色は足踏SNEAKERSがなければ見られなかったかもしれません。
そんな場所を作ることができてとても光栄ですし、これからもそうしていきたいと考えています。
まずはメインメンバーのお二方であるリーダーのBUSSANさん、スニーカー担当のXeleviaさん、並びにご協力いただいた団体やクリエイターの皆様、いつもご来店いただいている皆様に深い感謝を申し上げます。
足踏SNEAKERSは開発メンバーそれぞれが表現したいものを原動力に活動してきて、きっとこの先も変わらず続いていくと思います。それを皆さんとぜひ一緒にこれからも作り上げていけたら嬉しいです。
今後とも足踏SNEAKERSをよろしくお願いいたします。
https://ashibumisneakers.booth.pm/


