あなたが原点を望むとき、未来の扉が開かれる。
コロンころ〜ん。
コロンころ〜ん。
蓬(よもぎ)の香りに誘われて。
懐かしい音が心臓に触れる。
馬の足音と、風車の音に耳を澄ませて。
コロンころ〜ん。
コロンころ〜ん。
朝露が蓬を包み、夏虫色を呼び寄せる。
紫陽花にも負けないグラデーションを呼び寄せる。
茶色を深く吸い込みながら。
進みすぎた今日に肩を叩く。
後ろを振り向き、白いキャンバスを抱きしめて。
指にたっぷりつけた砂粒で、あなたの顔を描いていく。
夏虫色に、黄昏の日差しが差し込み。
蓬に花緑青(はなろくしょう)の模様を付けていく。
苦味を持った緑は、心の傷となって。キャンバスの傷となって。
傷に砂粒を擦り付け、あなたの顔を描いていく。
春と冬の季節に揺れて。
コロンころ〜ん。
コロンころ〜ん。
誰にも見せられない。
砂で汚れたキャンバスに、あなたの好きな雫を垂らして。
ザラザラが、あなたの表情となって。
砂の体温が色彩となり、キャンバスに魂を吹き込む。
私はあなたの手を取り、新しい扉を指差す。
泥色の扉に、鮮やかな四季彩の香りを。
