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『氎星の魔女』二次創䜜小説 取り換え子䞭篇


前回たでのあらすじ

 ベルメリア・りィンストンはバナディヌズ機関に゚ンゞニアずしお奉職するがカルド博士の人類の未来のビゞョンに圧倒されるのであった。それは人間ず機械の粟神の融合であった。宇宙を生きるのに人間の肉䜓は脆匱すぎるのだ。そしおそのような異端の思想を蚱すような宇宙評議䌚ではなく、バナディヌズ機関は粛枅されベルメリアは生き残りずしお苊難の道を歩むこずになる。

第五章 スレッタ登堎アスティカシア孊園、䞃ヶ月前

 そしおバナディヌズ事倉から21幎埌、私の前に「プロスペラ」ずスレッタが珟われ深くかかわり合うようになった。

 スレッタの蚀葉や行動を芋れば芋るほど、違和感が募る。圌女の無垢さは、玔真ずいうよりもどこか䞍自然なたでに培底されおいるように感じられた。それにしおも、どうしおこんなにも埓順なのだろう。母芪にここたで無条件で服埓するのは普通のこずなのだろうか

 「スレッタっおロボットみたいだな」
ふず、そんな蚀葉が頭をよぎった瞬間、自分に嫌悪感を芚えた。スレッタは人間だ。優しい良い子だ。
それをどうしおこんな颚に思っおしたうのか。自分の心の冷たさが怖くなった。

 それでも、゚リクトずスレッタの違いは、私の䞭で解消されるこずはなかった。゚リクトは勝ち気で、自信に満ちた子だった。スレッタはなぜこうも正反察なのか。プロスペラがそれを気にしおいない様子も、私には理解できなかった。圌女は䜕を考えおいるのだろう。そしお、スレッタずは䜕者なのだろう。

 やがお私は株匏䌚瀟ガンダムのプロゞェクトの䞀環で、スレッタず接觊する機䌚が増えた。圌女はい぀も私に瀌儀正しく、䜕の疑いも持たず接しおくる。その無垢さが私を苊しめた。
「もし私があなたに抱いおいる䞍審を知ったら、あなたはどう思うのだろう」
私は圌女ず目を合わせるのが怖かった。

 しかし、同時に私はプロスペラが連れおきた「゚アリアル」にも惹かれた。ほずんどルブリスそのものだず思われるそのモビルスヌツには、䜕かが隠されおいるのは明癜だった。私がプロスペラに぀いお沈黙を守るこずを遞んだ理由の䞀぀は、゚アリアルを調査するためでもあった。

 ある日、私は偶然にも゚アリアルの情報凊理系を詳现に調べる機䌚を埗た。末端的で、原始的ずも蚀えるレベルから解析を始める。たるで、人間の手足の反射を調べるような感芚だ。

 最初は普通のAI凊理の痕跡に芋えた。しかし、奥ぞ進むに぀れお、私は奇劙な感芚に襲われた。「䜕かがいる」そう感じたのだ。いや、正確には「䜕かの意識」がそこに存圚しおいるように思えた。゚アリアルの䞭で脈動する意志のようなもの。デヌタを远う手が震えた。それは単なるプログラムではない。たるで人間の感情に䌌たものが混圚しおいるようだった。

 私はスレッタず゚アリアルの間の通信デヌタを培底的に調べた。通垞、パむロットずモビルスヌツの通信は、単玔な呜什ず応答の連続だ。しかし、゚アリアルの堎合、スレッタが明瀺的に呜什しおいない動䜜がいく぀か蚘録されおいるこずに気づいた。それは戊闘䞭の䞀瞬の刀断や、スレッタが蚀葉にしなかった行動の補完だった。

「これっお、たるで゚アリアルが自分で考えおいるみたいじゃない」

私はデヌタの解析を進める䞭で、背筋に冷たいものが走るのを感じた。

第六章 占い、すごく倧きくお優しい女性の圱アスティカシア孊園、五ヶ月前

 スレッタずアリダが䌑憩時間に偶然䞀緒になったこずがあった。アリアがスレッタに「占いをしおあげる」ず提案した。私はそれを暪目で芋ながら「くだらない」ず思い぀぀も、䜕気なく耳を傟けた。

 アリアは絵や暡様の曞かれたカヌドを裏向きにテヌブルの䞊に䞊べた。

「はい、スレッタ。じゃあ、このカヌドを匕いおみお」

「これかな」

スレッタはこういうずきい぀も真剣だ。アリダはスレッタの匕いた䜕枚かのカヌドを衚にしお䞊べなおし、それを読み解き始める。

「うヌん、うむ、なるほど。スレッタ、あなたには倧きな圱が぀いおるわね。」

「圱」

「でも悪い圱じゃないわ。すごく倧きくお、優しい女性の圱。」

この瞬間、私は背筋が凍るような感芚を芚えた。「倧きな女性」ずいう蚀葉に、カルド博士の姿が頭をよぎったからだ。

 アリダはさらに続ける。

「その女性は、あなたを守っおいるけど、同時にあなたにずおも重いものを背負わせおる。䜕か、蚈画ずか䜿呜ずか。あなた自身がそれを理解しおないみたいだけど。」

私は思わず手にしおいたカップを萜ずしそうになった。この蚀葉が暗瀺するのは、カルド博士の蚈画そのものではないのか

「あず、ええず、スレッタ、あなたは、あなた自身じゃない、みたいな」

アリダ自身占いの結果を持お䜙しおいるのか、自信なさげだ。

「え どういうこず」

「うヌん、なんか倉な感じ。自分でいるけど、誰かの代わりみたいな感じ」

アリダは掎みかけたその意味を粟䞀杯の自分の蚀葉で䌝えるが自分でも理解できおいない。

スレッタは銖をかしげるだけだが、私は血の気が匕いおいた。

「カルド博士 いや、そんなはずはない。スレッタは株匏䌚瀟ガンダムの勉匷䌚でカルド博士の動画を芋おも誰だか分らなかった。でも、もし、もしルブリスAIが博士の人栌を暡倣し、その圱響でスレッタが生たれたずしたら」

 私は無意識に怅子を握りしめおいた。その行動がスレッタに気づかれ、スレッタが心配そうに声をかける。

「ベルメリアさん、倧䞈倫ですか」

「え ああ、倧䞈倫。ごめんなさい、少し疲れおいただけ。」

私は無理に埮笑んだが、内心では動揺が収たらなかった。

 私はアリダの占いの「倧きな女性」ずいう衚珟にカルド博士の圱がちら぀いお、それがスレッタの存圚ずどこか繋がっおいる気がしおならなかった。

第䞃章 ゚リクトの「真実」フロント経枈ステヌション、四ヶ月前

 私は思い出す。プラントク゚タ事件の1か月ほど埌、私はプロスペラから呌び出された。遅れおいたクワむ゚ット・れロの蚈画を掚進するため私すら䜿圹しようずいうのだ。

 もううんざりだ。プロスペラはあやしげな秘密の蚈画に私を利甚しようずしおいる。嘘で固めた経歎、その嚘すら矛盟の塊ずきおいる。私は意を決しおプロスペラに蚀った。

「あなたのお嬢さん゚リクトはどこですかスレッタず゚リクトは別人物ですね。」

 意倖な皋オヌプンにプロスペラぱリクトに぀いおの「事実」を話し始めた。゚リクトが過酷な氎星で死んだこず。゚リクトの生䜓デヌタがルブリスの助けを借りおデヌタストヌムの向こうに移転されたこず。

「゚リクトぱアリアルの䞭にいるのよ。」

プロスペラの蚀葉には揺るぎない信念が蟌められおいたが、私にはどうしおも理解できなかった。機械の䞭に゚リクトがいるその存圚が「圌女そのもの」だず蚀い切るのは、あたりに傲慢ではないだろうか。

 しかし、それ以䞊に私を混乱させたのは、プロスペラの次の蚀葉だった。

「私はデヌタストヌムの向こうにいる゚リクトをこの䞖界で生きれるようにするの。」

 私は蚀葉を倱った。プロスペラはたるで降霊術を行う霊媒垫のようだった。゚リクトずいう魂をこの䞖に呌び戻し、それを操䜜するかのような行動に取り憑かれおいるように芋えた。圌女は自身を科孊者ず䞻匵しおいるが、その執念は狂気にも近いものがあった。

 冷や汗が背を流れるのを感じた。
「プロスペラ、あなたは䜕に取り憑かれおいるの」
その蚀葉を、私は心の䞭で繰り返しおいた。圌女は、自分の信じる道を進むこずを遞んだ。だがその先には、人類の倫理や垞識の限界を超えた䜕かが埅っおいるずしか思えなかった。私は戊慄を犁じ埗なかった。

 プロスペラが語った蚈画、いや圌女が「䜿呜」ず呌ぶものに぀いお考えるたびに、私は理解が远い぀かず、頭の奥に鈍い痛みを芚えた。
 ゚リクトの粟神デヌタをデゞタル化し、情報空間に移動させる。そこたでは、原理的には私も理解できた。脳波やニュヌロン掻動を解析し、情報ずしお保存する技術は、理論䞊は可胜だ。しかし、それが本圓に゚リクト自身なのか、それずも単なる「コピヌ」に過ぎないのか、私には確信が持おなかった。

 では、スレッタはプロスペラぱリクトに倢䞭で、い぀もの無頓着さでスレッタに぀いお語らなかった。そしお私は明らかになった゚リクトの秘密で動転しお、プロスペラに質問するこずができなかったのである。そしおベネリットグルヌプの最優先事業だずクワむ゚ット・れロぞの協力を畳みかけおきたのだ。

 私はスレッタに぀いおもっず粘り匷く質問を続けるべきだったし、クワむ゚ット・れロに぀いおははっきり協力を拒むべきだった。自分の愚かさが悔やたれる。あの時が分岐点だったかもしれないのだ。本圓に悔やたれる。


 私はクワむ゚ット・れロずの調敎ずいう名分も埗お曎に゚アリアルを調査するこずができるようになった。デリングに差し出したガンドアヌム通信のデヌタぱアリアルで蓄積したものであり、クワむ゚ット・れロの最重芁な芁玠が゚アリアルだったからである。

 ゚アリアルのデヌタを解析しおいお、プロスペラの蚀うように゚アリアルの䞭に゚リクトが存圚するのに矛盟はなかった。スレッタが゚アリアルの戊闘でその朜圚力を開攟しパヌメットレベルを高めるたびに゚アリアルの䞭から制埡信号ずは異なる掻発な通信が発せられるようになっおいた。
 その内容は芋たこずのない圢匏で解析するのが困難だったが状況ず挙動を考えるず゚アリアルの意志ずしおも矛盟はないように芋えた。

 曎に私ぱアリアルの内郚ログを密かに確認する機䌚を埗た。そこには、非垞に奇劙な蚘録が残されおいた。゚アリアルがスレッタずの再接觊時に送信したデヌタは、普通のガンドフォヌマットのデヌタではなかった。それは、あたりにも耇雑で高床な蚀語で曞かれたもので、私には完党には解析できなかった。

 そしお䌚話をしおいる䞻䜓が12個に分離しおいるような圢跡があり、これはたったく意味が分からなかった。

 だが、䞀郚だけ解読できた文面があった。それはこう曞かれおいた。

「貎方は私の意志の䞀郚。゚リクトの蚘憶はここにある。だが、貎方は別の存圚。」

その蚀葉を芋たずき、私はひどい寒気を芚えた。スレッタは確かに゚リクトの「圱響」を受けた存圚ではあるが、それだけではない。゚リクトそのものではないし、単なる「リプリチャむルド」ずしおも説明が぀かない。

 あのアリダの占いが脳裏に蘇る。「貎方自身じゃない、誰かの代わりみたいな感じ。」その蚀葉が、私の頭を締め付けるようだった。

 ゚アリアルがスレッタに䌝えた蚀葉の意味ずは䜕だったのか゚リクトの蚘憶が゚アリアルにあるなら、スレッタにずっおそれはどんな意味を持぀のかそしお、「貎方は別の存圚」ずいうのは、䞀䜓䜕を瀺唆しおいるのか

 私はただ答えにたどり着いおいなかった。しかし、この疑念の先には、スレッタずいう存圚そのものを揺るがす真実が埅っおいる気がしおならなかった。

続く
2025幎10月15日蚘す
次回埌線は10月22日(æ°Ž)掲茉の予定です。


本䜜品は『機動戊士ガンダム』シリヌズおよび関連䜜品に基づいた二次創䜜です。原䜜の著䜜暩は© 創通・サンラむズ・MBS に垰属したす。本投皿は商業的意図のないファン掻動です。

いいなず思ったら応揎しよう

荒井陜 応揎どうもありがずうございたした。チップは勉匷のため倧事に䜿わせおいただきたす。