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読書まとめ『図解 教養としての美術史』→作品だけでなく、背景ごと鑑賞する

『大人が知っておきたい 図解 教養としての美術史』ナカムラクニオ


一言で言うと

作品だけでなく、背景ごと鑑賞する



概要

有休消化期間に博物館・美術館を巡ろうと思うので、
芸術の予備知識を得るために読んでみました。


本書のテーマは、芸術作品そのものではなく、
◯◯派の系譜とか師弟関係とかの説明が中心です。

作品の写真もなく、
モノクロ印刷のスケッチのみ。

気になる作品や芸術家が見つかっても、
別途インターネットで検索する必要があります。


謳われている「図解」はピンキリ

理解を助けるものもあれば、
申し訳程度の矢印を入れた
「図解らしきもの」もあります。

こういった図解本は、
全トピックに図解を添えるルールが
仇になることもあるように感じます。

『データベースのしくみ』を読んだ時も
同じことを書いてましたね。


本稿では、今まで触れることがなかった
美術史を学んで得た刺激を 3つ共有します。



① 美術をあらわす言葉に注目

本書の「はじめに」では、
美術史は言葉の美術館である
と提唱されています。

新しい流行を表現する言葉が生まれ、
定着していった記録なのだといいます。


こうした美術用語は、
新しい様式に対する皮肉や批判が
もとになっていることが多い
んだそうです。

例えば、「歪んだ真珠」バロック、
「野獣のような」フォーヴィスムなど。

芸術に限らず、日本の地理・歴史でいうと、
薩摩隼人や陸奥(みちのく)も、
「中央」から見た蔑称だったはず。

現在では、自称としてポジティブに
使われている印象ですよね。


時代が進んで言葉の持つ価値が変化し、
新しい意味を持って世間に定着していく。

そういった目線で美術史を見るのも
おもしろそうです。


② 時代背景がもたらした影響を知る

芸術と世界史や宗教の関係
についても紹介されています。

時代背景や宗教・哲学などの理解があると、
芸術をより一層楽しむことができます。


例えば、初期キリスト教芸術は、
信者にしかわからないような図像
で描かれています。
(羊や魚がイエス・キリストを表す、など)

外的には世俗権力から迫害されていたこと、
内的には偶像崇拝が禁止されていたことが理由です。

Metallica の Creeping Death の歌詞が聖書をもとにしてたり、
芸術と宗教は不可分と言っていいでしょう。

私たち日本人はキリスト教文化になじみが薄く、
背景を理解しておきたいところです。


19世紀以降は、宗教に代わって
資本主義・物質主義
が芸術に大きな影響を与えます。

それらへの抵抗として、象徴主義や
アーツ・アンド・クラフト運動が興ります。

最近だと、ミニマリスト的な反消費主義も、
この流れをくんでいるのかも。

一方で、技術革命からインスピレーションを受け、
機械や近代性を称えた
未来派というムーブメントもあります。

社会情勢に対するそれぞれの立場を、
芸術として表現した例だと感じました。


③ 中庸から外れた両極端を味わう

芸術のムーブメントは、行ったり来たり
振り子のようだと感じました。

型にはまった既存の芸術を
破壊するような運動が起こったかと思えば、
「昔はよかった」と過去を振り返る
古典主義や復興が人気になります。


こういった両極端な姿勢を味わえるのが
芸術の楽しみなのかなと思いました。

例えば、絵画のジャンルの中には、
写実性を追求したスーパーリアリズムもあれば、
対象を描くことを放棄したとも言える
シュプレマティスムもあります。

個人の生き方としては、
中庸をよしとする儒教的な考えに賛同しますが、
一方向に思いっきり偏った芸術を鑑賞するのも
よい刺激になりそうです。


20世紀以降の美術界は、
すでに一定の「完成されてる感」があり、
そこから脱却しようと試行錯誤

しているような印象を受けました。

現代のひとつのムーブメントとして、
空間そのものを作品にしたり、
ライブ感・パフォーマンスが
重視されるようになったりしたことが挙げられます。

出版や通信が発達したおかげで、
現地を訪れなくても絵画や彫刻を
ある程度鑑賞することができるようになりましたよね。

だからこそ、特定の場所・タイミングでしか
鑑賞できないことの価値がより高まったわけです。



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あんぱんだ | 視える化推進エンジニア いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。

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