読書まとめ『世界一楽しい!会社四季報の読み方』→会社の物語を想像し、記者からの謎を解け
『世界一楽しい!会社四季報の読み方』藤川 里絵
一言で言うと
会社の物語を想像し、記者からの謎を解け
概要
「四季報写経」なるものを聞き、
四季報について知りたい欲が湧いてきました。
私は、証券会社のアプリで表示できる
四季報の一部を見ているに留まっていますが、
見方の参考になればと思い、本書を読んでみました。
会社四季報は、東洋経済新報社が発行している、
日本の上場企業に関する情報を提供する書籍です。
その名の通り、季節ごと(年4回)発行されています。
紙版の四季報は 2000ページ・厚さ 5cm
を超えているとのこと。
書店で見かけると、
シガールの缶みたいだな、と思ってしまいます。
それだけのページ数があるものの、
日本の上場企業は 4000社弱あります。
1社あたりの文字数は限られるため、
その制約の中で情報と熱量を
伝える工夫が凝らされています。
また、四季報記者が取材で得た情報には、
直接公開できないような情報もあると言われています。
それでも記者魂なのか、そういった機密情報を
「匂わせ」ている箇所もあるんだとか。
著者は、こういった特徴を踏まえて、四季報を
推理小説のように謎解きを楽しむ読み物
だと表現しています。
もちろん、謎解きの予想が当たれば、
投資の利益を得ることもできます。
ただ、本書は儲かる銘柄を探し方よりも、
四季報から会社の物語を想像し、
楽しむ方法をメインで紹介している感じですね。
本稿では、投資に役立ちそうだと思った内容を
3点でまとめました。
① 株価を動かすのは、業績よりサプライズ
業績好調・増収増益だったのに、
なぜか株価は急落、そんな経験はないでしょうか?
本書では、前期業績との比較よりも、
世間の期待値に対するサプライズがあるかが
株価が大きく動く要因、と述べられています。
例えば、前期比で増収増益だったとしても、
その増加幅が世間の期待値より小さかったら、
株価は下落する、ということですね。
世間の期待値を知る一助として、
四季報予想が利用できます。
上場企業は、会社自身が予想した
売上や利益を公表していますが、
四季報には四季報記者による
独自の予想も掲載されています。
実は、会社が予想した数値には、
様々な思惑が入ることがあります。
(予想利益率が高すぎると、取引先から値下げ圧がかかるとか)
一方、四季報の予想にはそういった事情はなく、
会社予想よりも実態に近い予想を出すこともあるんだとか。
前期との比較だけでなく、
四季報予想との乖離も参考することで、
会社のコンディションの理解が進みそうです。
② 投資・変化している会社を探せ
本書の内容から、
会社が成長するために必要なのは、
設備や教育への投資、
それによる変化を恐れない姿勢だと再認識しました。
私は中・長期的に株式を保有したいので、
長期的に見て成長するかどうかが判断材料になります。
記事欄の見出しには、
会社の動向を端的に表した一言が使われます。
決算短信や中期経営計画を読む時間がなくても、
四季報の見出しを拾っていけば、
会社の動きをある程度掴むことができます。
積極的に投資していたり、
投資機会を伺っていたりするような見出し
だったら期待度が高い、と著者は述べています。
見出しには「堅調」や「反落」など、
売上や利益の見通しが示されることが多いです。
そこに「積極投資」のような単語が使われていたら、
深掘りしてみよう、というわけですね。
投資先、目的(既存強化/新規育成)、
金額(投資キャッシュフロー)などを見て、
自分がその会社に投資するかを判断します。
深掘りする会社を選定する手段のひとつとして、
四季報記者が考え抜いた見出しを活用してみると
おもしろそうだと思いました。
③ 特集企画から、日本経済の空気感を読む
四季報には、各社の紹介だけでなく、
特集企画も組まれています。
1人あたりの利益額とか、
外国人投資家の比率とかが
ランキングになっているそうです。
この特集企画から、
日本経済の空気感を読み取れる、
と著者は述べています。
例えば、1人あたりの利益額の特集には、
少子高齢化社会によって働き手が減る、
という社会情勢が背景にあると言えるでしょう。
こういった背景があることを念頭に置いて
社員の平均年齢や平均給与を見ると、
違った見え方になりそうですね。
また、秋号では各社の進捗率を特集しているとのこと。
日本で一般的な 3月決算・4月期初の会社の場合、
秋号では第1四半期の業績進捗が報告されます。
第1四半期が好調、
つまり期のスタートダッシュに成功すると、
上方修正・株価高騰が起きやすいもの。
進捗率の特集からは、各社・各業界の
その期の空気感が読み取れると言えそうです。
個別の会社について調べるだけでなく、
経済のマクロな流れを掴むことにも
四季報は役に立つのだと感じました。
証券会社のアプリでも閲覧できる各社の情報と違って、
特集記事は四季報を購入しないと読めないですが、
各号で何が特集されているかについては
最低限把握しておこうと思いました。
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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。