年の差24歳・事実婚・74歳。10年間冷めなかった理由教えます。
年の差24歳・事実婚・74歳。世間の「普通」を手放した私たちが、10年間一度も冷めなかった理由
60歳を過ぎた頃、私はもう恋愛とは縁のない人生だと思っていました。
大学で教えながら、長くクリエイティブの仕事をしてきました。
子どもたちは独立し、それぞれの暮らしがある。
仕事を終えて帰宅し、ひとり分の夕食をつくる。
そんな毎日でした。
不幸だったわけではありません。
けれど、これから先もずっと同じ景色が続いていくのだろうな、とどこかで思っていました。
恋愛や再婚は、自分にはもう関係のない話。
そう決めつけていたのです。
ところが人生は、案外こちらの思い込みをあっさり裏切ります。
64歳と40歳。
始まりは、たまたま隣になった席だった
彼女と出会ったのは10年前。
私が64歳、彼女が40歳のときでした。
同じ職場ではありましたが、普段はほとんど接点がありません。
きっかけは年に一度の懇親会でした。
たまたま隣の席になり、何気ない話をした。
本当にそれだけです。
その時は、お互いに交際など想像もしていませんでした。
ところが、その後連絡を取るようになり、驚くほど話が合うことに気づきました。
気を遣わない。
無理をしない。
一緒にいて疲れない。
若い頃の恋愛のような高揚感とは少し違う。
肩の力を抜いていられる安心感がありました。
彼女はシングルマザーでした。
お母様と三人の息子さんとの五人暮らし。
私が向き合うことになったのは彼女一人ではなく、その向こうにいる家族でもありました。
そして私たちには24歳の年齢差がありました。
周囲から見れば、決して「普通」の組み合わせではなかったと思います。
籍を入れないという選択
私たちは今も入籍していません。
いわゆる事実婚です。
理由はとても現実的なものでした。
私には前の結婚で築いた家族関係があります。
彼女には彼女の生活があり、三人の子どもたちの未来があります。
感情だけでは決められないことがありました。
何度も話し合った結果、私たちは今の形を選びました。
そして5年前。
私は彼女たちが暮らす実家へ移り住みました。
正直なところ、不安がなかったわけではありません。
特に気になったのは彼女のお母様でした。
私より二歳年上の女性です。
同世代の男が突然家に入ってくるのですから、警戒されても不思議ではありません。
そこで私は同居前に、自分の費用でキッチンとお風呂をリフォームしました。
歓迎してもらうためというより、これから暮らす家族への挨拶のような気持ちでした。
ありがたいことに、お母様は自然に受け入れてくださいました。
三人の息子たちも、最初は距離がありました。
それでも一緒に食卓を囲み、一緒に暮らし、一緒に笑う。
そんな時間を重ねるうちに、少しずつ家族らしくなっていった気がします。
年の差24歳。
私たちが大切にしている5つのこと
「どうしてそんなに長く続くんですか」
そう聞かれることがあります。
特別な秘訣があるわけではありません。
ただ、私たちなりに大切にしてきたことはあります。
違いを無理に埋めない
24歳離れていれば違うことだらけです。
育った時代も違う。
好きな音楽も違う。
体力も違う。
だから相手を変えようとしない。
まずはそこから始めました。
一人の時間を持つ
いつも一緒でいる必要はありません。
それぞれが好きなことをして過ごす時間も大事です。
離れている時間があるから、また話したくなるのだと思います。
弱さを隠さない
74歳になると、できないことが増えてきます。
若い頃は無理をしていました。
でも今は違います。
しんどい日は、しんどいと言う。
助けてほしい時は助けてほしいと言う。
そのほうがずっと楽でした。
感謝を後回しにしない
「ありがとう」を惜しまない。
たったそれだけです。
けれど長く暮らしていると、この一言が案外難しい。
だからこそ意識しています。
愛情は行動で示す
私は毎朝、お弁当を作ります。
休日の夕食も私の担当です。
言葉も大切ですが、毎日の暮らしの中で動くことのほうが、気持ちは伝わる気がしています。
74歳になった今、思うこと
もし10年前の自分に会えるなら、こう言うと思います。
「そんなに決めつけなくていい」
人生は、自分が思うほど予定どおりには進みません。
64歳の私も、74歳になって三人の息子たちのお弁当を作り、二歳違いの義母のような存在と同じ家で暮らすことになるとは想像していませんでした。
年齢差への不安がなかったわけではありません。
事実婚という形に迷いがなかったわけでもありません。
それでも今思うのです。
幸せというのは、大きな出来事ではなく、
誰かと「おはよう」と言えることだったり、
食卓を囲んで笑うことだったりするのだと。
だから、もし今、
年齢や世間の「普通」に縛られて立ち止まっている人がいるなら、
少しだけ視野を広げてみてください。
人生の後半は、意外と自由です。
そして思いがけないことが起こります。
少なくとも私は、そのおかげで今、とても賑やかな毎日を送っています。
#シニア婚活 #事実婚 #年の差婚 #おとなの恋愛 #74歳
#noteエッセイ
