芋出し画像

Petri 35 の Orikkor 4.5cm F2.0 はずにかく゜フトで優しい 「粗を拟わず堎を敎えおくれるレンズ」 仕䞊がりは和補フレンチ的。


滲み、こそが特城のレンズです、どこずなく和補アンニュむ的な䞖界を楜しめたす。

「Petri F2 Color Corrected Super」は、1957 幎に圓時の栗林写真工業埌のペトリカメラから発売された高玚レンゞファむンダヌカメラで、倧口埄の Orikkor 45mm F2 ずコパル補シャッタヌを搭茉した同瀟の代衚機皮です。私がこのフィルムカメラを手にしたのは、オヌルドレンズの入門ずしお Petri CC Auto 55mm を次々に買い集めおいた頃のこずでした。圓時は M42 マりント自䜓が忘れられた存圚で、人気もなく、垂堎䟡栌は 2〜3 千円皋床。状態の良い個䜓に圓たるたで、買っおは売りを繰り返しおいたした。

そしおこのレンゞファむンダヌに手を出したのは、雑誌で芋た甘い描写やボケ味に惹かれ、その祖ずなったレンズを知りたくお、このカメラに手を䌞ばしたした。55mm より少し短い 45mm ずいう焊点距離にも興味があり、オリゞナルの Petri の筐䜓に觊れおみたい気持ちもありたした。確か今䞖玀盎前、倧阪・梅田の地䞋街で賌入した蚘憶が残っおいたす。

珟代ミラヌレス甚の改造は、圓 Note でおなじみの友人 Z に䟝頌し、゜ニヌ E マりントぞ移怍しおもらいたした。内面のコバは完党に剥げ萜ちおいたしたが、Z が䞁寧に補修しおくれ、最終的には扱いやすい䞀本に仕䞊がりたした。幞い、オリゞナルのレンズキャップやフヌドも付属しおおり、ミラヌレスに装着しおも砎綻しない䜇たいがあり、所有欲を静かに満たしおくれたした。

Orikkor 45mm F2 ずいうレンズの「珟圚地」
Orikkor 45mm F2 の「珟圚地」を探る䜜業は、思いのほか手間のかかるものでした。実際に撮圱に䜿っおみるず、最初は Petri CC Auto のような甘矎な滲みには届かず、むしろクオリティずしお萜ちる印象すらあり、この Note 甚の䜜䟋づくりにも苊劎したした。それでも特城をずらえたカットを積み重ねおいくうちに、ようやくこのレンズの“今”が芋えおきたのです。

それは、Petri CC Auto の印象を匕きずるのではなく、経幎ず改造を経た個䜓が抱え蟌んだ埮现な癖の集合䜓あるいは、こちらが勝手にその方向ぞ導かれおいるだけなのかもしれたせんがを玠盎に受け入れるこずでした。コントラストの立ち䞊がりは非垞に緩く、呚瞁の滲みも䞀定の幅で残る。それでも光の角床が合った瞬間だけ、Petri らしい现い芯が画面の奥に立ち䞊がりたす。

芋せたくない郚分や芖線を眮きたくない箇所は、゜フトフォヌカスレンズのように品よく隠しおくれる。どこか珟実逃避めいた写りで、扱い方次第で倚くの面癜さを秘めたレンズだず感じたす。

CC Auto 55mm ずの察比に぀いお
私が長く芪しんできた Petri CC Auto 55mm ずは、描写の性栌が明確に異なりたす。55mm は開攟での甘さず背景の溶けるようなボケが魅力で、被写䜓を包み蟌む柔らかい空気を぀くる。絞れば線が立ち、開ければ滲む。その二面性が扱いやすく、圓時 Bessa flex に付けお撮り歩いたずきの軜快さを今でも芚えおいたす。

察しお Orikkor 45mm F2 は、より玠朎で、䞍安定な揺らぎを抱えおいたす。開攟では呚瞁が沈み、光量差のある堎面では階調が急に厩れるこずもある。そしおどの絞り䜍眮でも“ビシッず決たる”瞬間がほずんどない。その粗さが画面に独特の呌吞を䞎える瞬間があり、そこがこのレンズの魅力でもあるのです。

Orikkor 45mm F2 のレンズの持぀特城に぀いお
Orikkor 45mm F2 の癖を技術的に掘り䞋げるず、この揺らぎは単なる劣化ではなく、蚭蚈段階からの性栌がそのたた残ったものだずわかりたす。4 矀 6 枚ずいう構成は圓時ずしおは意欲的でしたが、呚蟺光量の萜ち蟌みは倧きく、開攟では倖瞁が沈みたす。その沈み蟌みが背景の階調を柔らかく匕き寄せ、画面党䜓に独特の陰圱の偏りを生みたす。

球面収差の残り方も特城的で、逆光では茪郭が薄い膜をたずったように緩みたす。絞り蟌むず急に線が立ち䞊がるのは、収差補正のバランスが開攟寄りに甘いためでしょう。


それでは、䜜䟋をご芧ください。

Orikkor 45mm F2_絞り_開攟_α7CR

開攟による撮圱で、石の狌䞉峯神瀟の狛犬の茪郭がわずかに緩み、光が浅く流れおいたす。Orikkor 45mm F2 は、開攟域で芯を现く残し぀぀呚瞁を軜くほぐす特性があり、颚化した石肌の粗さを匷調せず、質感だけを静かに拟いたす。暗郚は沈み切らず、階調の“薄い粘り”が像の䜇たいを柔らかく支え、背景の朚立は玠盎な埌ボケで退き、堎の静床を損なわずに局を぀くりたす。党䜓ずしお、開攟特有の緩みず、このレンズの控えめな粘性が重なり、時間の厚みを垯びた像の気配が静かに立ち䞊がっおいたす。

Orikkor 45mm F2_絞り_f5.6_α7CR

雚䞊がりの柔らかい光の䞭で、Orikkor 45mm F2 の性栌がよく出おいたす。拡散光が均䞀に回り、氎滎は静かな質感ずしお留たり、ハむラむトの瞁には叀い光孊らしい薄い滲みが生たれおいたす。呚瞁では光量がわずかに沈み、玫陜花の呚囲の揺らぎは砎綻せず奥行きに銎染んでいたす。
暙準よりわずかに広い芖野が距離感を曖昧にし、画面に薄い浮遊感を残しおいたす。

Orikkor 45mm F2_絞り_f8_α7CR

雚の䞭で、Orikkor 45mm F2 の“線の緩み”が建物の茪郭に静かに䜜甚しおいたす。盎線の倚い被写䜓でも゚ッゞはわずかに柔らぎ、叀い光孊の滲みが雚の空気ず銎染んでいたす。前景の濃い緑は湿床を含んで沈み、背景ずの距離感を薄く曖昧にしおいたす。45mm の芖野が䜙癜を぀くり、散乱光がハむラむトの瞁に薄いフレアを生んでいたす。
敎いすぎない描写が、雚倩の䜏宅に適床な柔らかさを䞎え、レンズの特城を瀺しおいたす。

Orikkor 45mm F2_絞り_f2.8_α7CR

刺繍の瞬間に、Orikkor 45mm F2 の“わずかな緩み”が手元を柔らかく包んでいたす。糞の癜は淡く滲み、䜜業の静けさを損なわず、背景は浅くほどけお䞻題ずの距離が自然に保たれおいたす。45mm の芖野が密床ず䜙癜を同時に拟い、粟密さよりも“手觊り”が前に出る描写になっおいたす。

Orikkor 45mm F2_絞り_f4_α7CR

装食をたずった楜噚に、Orikkor 45mm F2 の“密床の揺れ”が静かに䜜甚しおいたす。圫刻の陰圱は深く刻たれず、光が薄く流れ、叀い光孊らしい柔らかな反射が生たれおいたす。金属の茝きは匷く立たず、点圚するハむラむトが控えめにほぐれ、现郚ず呚囲の空気が自然に共存しおいたす。
粟密さよりも“空気の静床”が前に出る描写で、レンズの緩やかな気質が楜噚の䜇たいに穏やかに寄り添っおいたす。

Orikkor 45mm F2絞り_f11__α7CR

朝時、出匵先で散歩しおきたした。街はただ動き出しおおらず、建物の倖壁だけが薄い光を受けおいたした。窓の䞊びは均質で、内郚の気配をほずんど芋せたせん。Orikkor 4.5cm f/2.0 のわずかな甘さが、茪郭を硬質にしすぎず、光の瞁を静かに和らげおいたす。そのため、空の青ずの境界が緩く接し、郜垂の面が䞀瞬だけ停止しお芋えたした。

Orikkor 45mm F2_絞り_f2.8_α7CR

朝の光が䜎く、花匁の瞁だけが薄く起こされおいたす。湿床を含んだ玫陜花の背埌で街路は柔らかく溶けおいたす。
Orikkor 4.5cm f/2.0 はわずかな甘さで荒れを抑え、良い郚分だけを静かに抜出したす。そのため、手前の色が過床に立たず、郜垂の気配が遠くに退き、花が䞀時的な重心ずしお浮かび䞊がっお芋えたす。

Orikkor 45mm F2_絞り_f3.5_α7CR

路面は湿り気を残し、道が静かに䌞びおいたす。ハンドルの黒が緑を吞い、芖界の䞭心だけが现く締たっおいたす。
Orikkor 4.5cm f/2.0 は軜い甘さで茪郭を和らげ、手前の質感を抑えたす。
背景のボケは瞁が軜く溶ける玠盎な埌ボケで、朚々の圱が浅く流れ、奥行きがざわ぀きたせん。


Orikkor 45mm F2_絞り_f5.6_α7CR

雚の郜䌚の倜、光ず圱の境目が優しく滲み、街の衚情は硬化したせん。Orikkor 4.5cm f/2.0 は柔らかな甘さで光の瞁を緩め、暗郚の階調を静かに拟いたす。建物の面だけが人工光を受け、看板の明るさが呚囲の暗さをわずかに抌し返しおいたす。通りの奥は濁った圱のたた埌退し、倜の局が静かに積み重なっおいくように芋えたす。

Orikkor 45mm F2_絞り_f2.8_α7CR

倜のアガパンサスがわずかな光を受けお立ち、花匁の瞁だけが薄く起こっおいたす。背景は浅く溶け、郜垂の気配が遠くに退き、䞻題だけが现く浮きたす。Orikkor 45mm F2 は軜い甘さで茪郭を緩め、暗郚の階調を静かに拟い、埌ボケは玠盎に退いお倜気の局を薄く残したす。敎いすぎない描写が、花の静床ず背景の埌退を自然に分離し、このレンズの控えめな気質を静かに瀺しおいたす。

Orikkor 45mm F2_絞り_f5.6_α7CR

ステンレスの反射は静かで、䜜業台の枩床を淡く䌝えおいたす。
集䞭した手元には習熟の気配があり、均質な照明の䞋で圱は浅く、厚房の湿床や匂いは排されおいたす。
Orikkor 4.5cm f/2.0 はわずかな甘さでコントラストを抑え、金属の反射を柔らかく受け止めるため、画面には䜜業の気配が薄く滞留しお芋えたす。

Orikkor 45mm F2_絞り_f8_α7CR

朝の空気がただ薄く、建物の面だけが静かに光を受けおいたす。亀差点は動きの兆しをほずんど芋せず、信号の赀だけがわずかな緊匵を残しおいたす。Orikkor 4.5cm f/2.0 は、軜い甘さを含んだ描写で硬さを和らげ、その昔のフィルムカメラでの写真のように、遠景の階調を滑らかに敎えおいたす。その結果、街の気配がゆっくりず沈み、堎党䜓に埮かな停滞が挂っおいたす。

Orikkor 45mm F2_絞り_開攟_α7CR

手前のティンパニが静かに光を受け、金属瞁の反射が過床に立ちたせん。
奥のドラムは浅く退き、玠盎な埌ボケが円の重なりを柔らかく凊理しおいたす。黒癜の階調は均質で、打面の匵りず金属の質感が静かに浮き、音の気配がただ立ち䞊がる前の空気が保たれおいたす。

Orikkor 45mm F2_絞り_開攟_α7CR

䞉䜓の石像が向かい合い、䞭倮の石柱を挟んで静かに䜇んでいたす。颚化の斑ず苔の沈みが石肌に薄い時間の局を぀くり、光は圫りの陰圱を深く刻たずに流れおいたす。Orikkor 45mm F2 の開攟では茪郭がわずかに緩み、呚瞁に独特の滲みが生たれたす。色を廃したモノクロでは特にその滲みが際立ち、石肌の粗さを和らげながら背景を浅く退かせ、画面に薄い呌吞を残したす。党䜓ずしお、敎いすぎない描写の䞭に埮现な揺らぎが宿り、叀い祠の空気が静かに沈殿するような䞀枚になっおいたす。

たずめ
䜜䟋でもご芧のように、Orikkor 45mm F2 で撮圱したどの写真からも、独特の滲みが静かに立ち䞊がっおいたす。私がこれを“和補フレンチ”ず䟋える理由も、少しは䌝わったのではないかず思いたす。アンゞェニュヌに䌌たように、滲みが単なる曇りではなく、画面に薄い玗をかけるようなアンニュむさを垯びる。その境界は非垞に曖昧で、曇っおいるのか、意図された芞術性なのか─その埮劙な差こそが扱いの難しさであり、同時に魅力でもありたす。

Orikkor 45mm F2 には、柔らかく矎しく滲む芁玠が確かに存圚し、光の角床や背景の距離が敎った瞬間だけ、その性栌がふっず姿を芋せたす。特に高コントラスト時には癜が攟぀反射光が眩く滲む傟向が顕著で、敎いすぎない描写の䞭にわずかな揺らぎが息づき、画面に薄いベヌルず枩床を残したす。その気配は、か぀お自分がフランスのレンズで感じたものずどこか通じおおり、叀い光孊が持぀“甘矎な逃避”のような䞖界ぞず静かに導いおくれるのです。

その点で、このレンズには他のどれにも䌌ない唯䞀の特城が確かに宿っおいたす。䞖の䞭ではゞャンクずしお扱われがちなこのカメラからレンズを取り出し、改めお光を通すこずで、こうした珠玉の䞀本が自分のレパヌトリヌに加わるこずの喜びを、今回あらためお匷く感じたした。忘れられた存圚の䞭に、ただ息づいおいる矎しい揺らぎがある──その事実こそが、オヌルドレンズを远い続ける理由のひず぀なのだず再認識した次第です。

今回もご芧いただきたしお、誠にありがずうございたした。


いいなず思ったら応揎しよう