セブンイレブンの青いパンツ
旅行の時に荷物をたくさん持つのが嫌いだ。
極力少なくしたい。
できれば手ぶらで行きたい。
でも、最小限の荷物は持たねばならない。
数年に一度ぐらいで見学旅行に行かなければならない。部活動の遠征もある。
巨大なキャリーケースを引きずって生徒を引率したくはない。
両手にお土産ぶら下げて歩くのも避けたい。
できるだけ小さなバッグにしたい。
荷物でかさばるのは衣類だ。
連泊ならば、部屋で洗って干すとか、ホテルのクリーニングに出せるのだが、そう上手くはいかない。ホテルに帰るのは大抵遅い時間だから、洗う気力もないしクリーニングに出す余裕もない。
僕の秘策は、下着を旅行先で捨てる作戦だ。
古くなった下着を身につけて、現地で捨ててくるのだ。
古くなったパンツや、靴下を捨てずにギリギリまで使い続け、旅行で処分する。
捨ててできたスペースに土産を詰める作戦。
僕は見学旅行や部活の遠征の日から、逆算して古い下着を使い回す。
旅行中の僕の下着姿は人に見せられない。
靴下に穴があいている確率はかなり高い。
パンツはヨレヨレだ。
シャツも黄ばんでいる。
不慮の事故に遭わないように細心の注意を払う。
「汚い下着の男の変死体発見」なんて最悪だ。
旅行の前に必要な衣類を確認するのだが、枚数をここ数年よく間違える。
最終日に「パンツがない!」なんてことがよくある。
そんな時に僕を助けてくれるのがコンビニだ。
最近のコンビニには下着が売られている。
ちょっと値が張るけど
背に腹は代えられない。
汚れた下着をもう一度身につける勇気はない。
いつの間にか、僕の衣類ケースにセブンイレブンの青いトランクスがあふれている。
「これは、あの時のトランクス」
「これは、たぶん、あのセブンのトランクス」
トランクスの数だけ思い出が増えていく。
ま、どのトランクスも同じだから、見分けはつかないけどさ……

