見出し画像

Wの悲劇

「昨日の記事、前に書かなかった?」
朝、妻が寝起きの僕に言う。昨日noteに上げた花火の話を書いたのは2度目じゃないかというのだ。
僕は自分が書いたものは完璧に覚えているから完全否定したが、妻も引かない。
「いや、読んだことあるわ。調べる!」と言ってスマホを持って妻はトイレに消えた。


話をするのが得意な人と、話をするのは苦手な人がいる。僕は話をするのは苦手だ。聞くほうがいい。できれば喋りたくない。僕は滅多に自分から話をすることはない。だから、自分が誰に何を話したのかは鮮明に覚えている。話の内容も、相手の反応も、その場の景色や匂いや温度も。


何度も同じ話をする人がいる。同じ話を他の人に話していたりもする。「それ、前に聞いた」と言いたいけれど失礼なので言わない。でも、さすがに何度も聞くのは辛い。親しい間柄だったら僕は黙って指を上げる。人差し指と中指と薬指の3本。指を立てて「W」と言う。「3回目だよ、その話」のサインだ。2回目は聞くけれど、3回目は断る。


最近驚いたことに、同じ話を同じ相手にしてしまうことがある。途中で気づけばやめるが、話し終わって気づくこともあって、非常に気まずい。相手はなんとも思っていないのは分かっているけれど、そういう問題ではない。同じ話を同じ相手にして、それを覚えていない自分がなんとも許せない感じだ。

文章の記憶も確かだと思っていた。
一度書いたものは忘れない自信があった、昔は。
最近危うい。noteの記事も数が多くなってきたので、前に何を書いたか忘れてしまっているかもしれない。たまに「これ、前に書いたんじゃないか?」と迷うことが多くなってきた。とても良い恥ずかしい。

この先、だんだん僕の記憶が衰えて、書いたことを忘れてしまうこともあるのかも。同じ話を書いてしまう可能性は極めて高い。noteの記事も、「ああ、この話、前も読んだ。2度目だ」と思われるかもしれない。近い将来、多分そうなるに違いない。老いに逆らうことができたらいいが、時の川を渡る船にオールはない。流されるのみだ。

ん?いや、いや、もうすでにやっちゃっているのか?
同じことを書いちゃっているのか?
ん?まさか、この文章も?
これと似たような話を以前書いたことがある気がしてきた。
あれ?あれ?やばい、やばい、やばいぞ、これは……


みなさん、僕がもし、同じ話を書いても大目に見てください、2度目までは。
3度目の時は、コメント欄に『W』とだけ書いてくれれば幸いです。

『W』に出会わないことを願って頑張ります。
Wの悲劇はなんとしてでも避けたい。
あまりにもひどくて我慢できないときは、『Z』の文字をコメント欄にください。僕はイビキをかいて寝ます。Zzz…Zzz…


今日の妻の一言

いいなと思ったら応援しよう!