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ごめんな、おまえたち

買ったのに一度も使っていない物がある。

僕は滅多に買い物をしない。
衝動買いとは無縁だ。
でもごくまれに、自分の衝動に逆らえなくなることがある。
発作的に欲しくなる。
そして、買ったのだが、一度も使わずに放置することがある。

コーヒーが好きだ。毎朝、勤めている高校の準備室で飲む。ペーパーフィルターで、粉からドリップして飲んでいる。味はよく分からないし、鼻があまり効かないので香りがよく分からない。だけど、なんだか美味しく感じられるからドリップして飲む。

粉からドリップして飲んでいるが、豆をガリガリ挽いて、挽きたてを飲むのに憧れる。「香りが全然違います!」と隣に座っている同僚が言う。でも、面倒くさそうだから二の足を踏んでいた。

同僚が言うには、電動でコンパクトで、使い方の簡単なコーヒーミルがあるという。さっそく調べて、アマゾンでポチった。ミルはすぐに届いた。充電にちょっとてこずったが、さ!使うぞ!ということになった。

でも、挽く豆がない。

豆を買いに行こうとしたが、コーヒーショップに行くのは僕にはハードルが高い。
なんでだろう、行けない。恥ずかしい。店員さんになんて言えばいいんだ?どの豆を買えばいいんだ?「こんな豆買って…」と店員さんにバカにされないか?

近くにスタバがある。でも、スタバに一人で入る勇気はない。ドトールもあるが、ドトールもキツい。
そもそもコーヒー豆を買ってる姿を生徒や他人に見られたくない。なぜだろう?スーパーでダイコンやキャベツを買ってる姿は平気だ。ビールを買ってる姿も平気。生徒がいるからと行けない場所はない。見られて嫌なことはない。でも、コーヒー豆を買ってる姿は見せられない。

かくして豆は買えず仕舞いで、暑い夏がやってきてホットコーヒーを飲む気は失せた。
電動コーヒーミルは準備室の机の隅で置物みたいになっている。もはやミルなのか水筒なのか分からない。


noteの記事で知って、カラスを呼ぶ笛を買った。出張中、電車に揺られnoteでその記事を読んで、発作的に欲しくなり、その場でアマゾンからポチッた。笛の音につられて、面白いようにカラスが集まってくるという。

買ってから、ヒッチコックの『鳥』を思い出してしまった。
怖くて一度も笛を吹いてない…


今日の妻の一言

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