大学での学修について
正直に言うならば、いまだ将来の進路を決めかねている。
それは、僕がどの大学に行きたいのか決めていないということではない。それ以前の段階として、どの学問を専攻したいかということについて、いまだに悩んでいるということ。
これまではそれでもよかったのだけれど、気がつけば、もう高校二年の一学期が終わり、入試まではあと一年と少しを残すだけとなった。
本当のところ、僕はどんなことをしたいのかな。
これまでは、それを決めずともよかった。
中学は公立、後にフリースクール。高校も通信制で、たしかに中学の終わりには受験を見据えて一生懸命勉強していたけれど、その結果として学べる内容が大きく変わるわけもなく。
だから、僕のまだ短い人生の中で、ここが最初の大きな分岐点になっているということだ。
選ぶ学部、学科によって、学ぶことのできるものは、大きく変わってしまう。選択を誤れば、一生後悔することになりかねない。
少なくとも。解剖の経験から、獣医学に興味があるというのは、確実視してよさそうだ。
獣医になる上で一番の関門となるであろう、「動物を殺せるか」についてはひとまず脇に置いておいて、死んだ動物の剖検ができて、決してそれが嫌いではないのだから、獣医学部に進むのは、きっと良い選択肢となりうる。
一方で、獣医学以外でも、森林科学や民俗学、哲学などそれぞれ違った魅力があり、変わらず惹かれるものもある。
前置きはここまでとして、そろそろ本題に入ることとする。
先にも書いたように、高校二年にもなってなお、僕は自分の進路を定められていない。
これが、やりたいことがないというわけでないのは、本当に幸いなことだと思うが、それにしたところで受験が目前になっても尚、進路を決めかねているのは正直どうかと思う。
でも、わかっているからといって、ハイハイわかりましたと素直に決められるはずがない。
大学の学修は高校のものとは違うから、高校で何が楽しかったから、面白かったからといって、即断できるものではない。そもそも、理系科目も文系科目もすべてが面白く見えているのだから、興味の有無で決められるものじゃない。
そこで。
違う視点でもって、考えてみることにした。
高校の学習で決めかねているなら、それ以外の方法を取ればいい。それも、楽しいか楽しくないかではなく、どれがより面白いかという視点でもって。
それには、模擬講義などを少しでも多く受講するのが適切だと思った。
実際、高校一年の時の僕は、それはそれは多くの分野にこの手を伸ばした。
國學院大學がオープンカレッジをやっていると知って渋谷へ通い、東京農工大学が開催するGXサイエンスキャンプの広告を見て応募した。
どれも大学の講師による講義を受けることができるもので、分野も民俗学から文学(狭義の意味での)、自然科学まで幅広い分野にまたがっていた。
それでも、やっぱりどの分野も面白く、変わらず興味を引きたててくる。これでは何も変わらない。
まあ、もっとも。自分がこれらの分野のなかで具体的にどの部分を学修したいのか、といったことへの理解は深まったが。
そんな中、高校一年の冬。
年越しの前後。久々に図書館に通い出した僕が、ふとした好奇心で天文学や量子力学といった分野の本を借りてみて、新たな興味の対象の出現によって進路をさらに決めかねていた時期のこと。
高校生でも参加できる類の、大学主催のイベント情報を求め、いろいろと調べて回っていた時に、ついあるものに目が留まった。「科目等履修生・聴講生」という、一見何の変哲もないページタイトル。
しかし、その記事の母体が中央大学文学部であることを確認し、それを確認してみる気になった。
