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21. 水が、田んぼに戻ってきた

こんばんは、しずくのあいだです。
今日は、田んぼに来ています。

来てみたら、すごい。
水が流れてる。
田んぼに、水が入ってきてる。

周りの用水路も、なみなみ。
たぷたぷと音を立てながら、水が流れている。


一昨日だったかな。
お世話になっている農家さんから、
「18日土曜日から、水が入ります」
と連絡をもらいました。

当初は、7月10日まで中干しという話でした。
けれど、そのあともしばらく水は入らなくて。

理由は聞いていないけれど、田んぼの土はずっと乾いたままでした。

だから今日、様子を見に来たんです。
そしたら、本当に水が来ていた。

ひび割れた土の上を、水が静かに広がっていく。


乾いて開いていた筋の中へ、すーっと入り込んでいく。

その様子を見たとき、
ああ、水が戻ってきた。
と思いました。

こんなにも嬉しいものなのか、と、自分でも少し驚きました。

もちろん、稲に水が届いた。
それは嬉しい。
でも、たぶんそれだけじゃない。

ずっと止まっていたものが、また動き始めたような感じ。

田んぼの中に水が入り、
土が水を吸い、
稲の足元まで届いていく。

その一連の動きを見ていたら、私の中まで一緒に動き出したような気がしました。

稲も、なんだか今日は違って見えました。
中干しのあいだ、丈が伸びすぎないようにしていたこともあるのだと思います。

葉の先は鋭く尖っていて、
一本一本が、天を突くように立っている。

もちろん、稲の葉はもともとそういう形です。
そうなんだけど。

水が入った景色の中で見ると、そのツンツンした葉先が、みんなで喜んでいるみたいに見えました。

「水、来たよ」
「やっと来たね」

そんなふうに。

稲と同じ高さまでしゃがんで、
眺めてみました。

すると、一本一本の剣のような葉が、
風に揺れている。

上から見ていたときとは、
まるで違う景色でした。

緑のかたまりではなく、
一本ずつが立っていて、
一本ずつが揺れている。

その動きが、
私の嬉しさと重なって見えました。



稲に人間と同じ気持ちがあるのかどうか。
そんなことは、私にはわかりません。

でも今日は、稲の動きが気持ちを表しているように見えた。

私の感情と、稲の揺れが、同じところで動いているように感じた。

去年も田んぼには来ていたはずなのに、こんな景色は見なかったなと思います。

いや、景色そのものは、あったのかもしれない。

去年の私は、まだそこまで見ていなかっただけなのかもしれません。

ひび割れた土に、水が戻っていく。

風に揺れる稲と、私の嬉しさが、同じ動きをしている。

今日は、ただそれが、たまらなく嬉しかった。

あなたにも、景色と自分の気持ちがふっと重なった瞬間はありますか。

出穂してました!

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