義実家へ持っていくもの、気づけば全部「私が考える係」だった話
これは、夫婦の伝え方について、まだ何も変えていなかった頃の話です。
お盆、義実家に何を持っていくか。それを決めるのは、毎年、私でした。
お義母さんは甘いものが好きだけど、お義父さんは和菓子派。前回と同じものは避けたい。去年喜んでもらえたお店、今年はもう混んでるかもしれない。日持ちは何日必要か。個包装の方がいいのか、切り分けるタイプでもいいのか。手土産一つ選ぶだけで、結構な量のことを考えていました。
お菓子だけじゃありません。玄関先で渡す時の一言。何時に出発すれば渋滞を避けられるか。紙袋は部屋に入る前にどうするんだったか、そのまま渡すのか、一度畳んで持ち帰るのか。
毎年同じことを考えているはずなのに、毎年、一から思い出す作業をしていました。
夫に「これでいいと思う?」と聞くと、返ってくるのはいつも同じ言葉でした。
「いいと思うよ、任せる」
任せるって、便利な言葉だなと思います。考えなくていいですよ、って意味だから。
当日の朝、荷物を車に積み込みながら、ふと隣を見ると、夫はスマホでニュースを見ていました。「準備できた?」とだけ聞かれて、「うん」と答えます。
助手席で、私はまだ頭の中で今日一日の流れをシミュレーションしています。挨拶の順番、話題に出していいこと、避けた方がいい話。義実家に着いてからも、それは続きます。
世間話の間、話題が途切れないように話を振るのは、なぜか私の役目です。夫は、あぐらをかいてお茶を飲みながら、たまに頷くだけです。
帰りの車の中で、夫は満足そうに「今日は楽しかったな」と言いました。私はその隣で、帰ったらお礼のLINEを送らなきゃ、という次のタスクを、もう頭の中で組み立て始めていました。
同じ場所に、同じ時間にいたのに。頭の中の忙しさは、多分、全然違います。
正直、荷物より、この"考える係"の方が、よっぽど重いです。
もともと私たち夫婦は、家事分担のことで離婚を意識するほどのすれ違いを経験しました。伝え方を変えたことで関係を立て直した経緯は、こちらにまとめています。
→ 「家事をしない夫」が変わった話 ― 離婚危機からたった1週間で変わった、夫婦の会話術【完全版】

