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🌅「こんなはずじゃなかった」と思う50代へ――『50歳からのむなしさの心理学』第1章⑦から学んだこと

50歳前後になると、
これまでとは違うモヤモヤした気持ちを抱くことが増えてきました。

そんなときに手に取ったのが、
榎本博明さんの『50歳からのむなしさの心理学』です。

本書は、50代以降に突然訪れる空虚感やむなしさ
心理学の視点から整理し、それを「生きる意味を再構築するチャンス」
として捉えるためのヒントを教えてくれる一冊です。

今回は、第1章⑦
「『こんなはずじゃなかった』という裏切られたような思い」
の概要とポイントをまとめます。

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■第1章⑦「『こんなはずじゃなかった』という裏切られたような思い」

若い頃、
自分なりに思い描いていた人生がありました。

仕事を頑張れば認められる。
結婚して家庭を築けば幸せになれる。
年齢を重ねれば、生活も心も少しずつ安定していく。

ところが50代前後になると、
理想としていた人生と現実との間にある「ズレ」が、
はっきり見えるようになることがあります。

「こんなはずじゃなかった」
そう思ったときに湧いてくるのが、
失望や怒り、そしてむなしさです。

ここでいう「裏切られた」という感覚は、
特定の誰かに裏切られたという意味だけではありません。

努力すれば報われると信じていた人生や、
自分が思い描いていた未来
さらには過ぎていった時間そのものに裏切られたように感じる
心理なのだと思います。


■頑張れば報われると思っていた

若い頃には、
多くの人が自分なりの「人生の設計図」を持っています。

仕事を頑張れば昇進できる。
収入も少しずつ増えていく。
家庭を持てば幸せになれる。
年齢を重ねれば、若い頃よりも落ち着いた人生を送れる。

ところが、
現実は必ずしも思い描いた通りには進みません

仕事では昇進や成長の限界が見え始める。
老後のお金が気になり始める。
夫婦や親子の関係が思ったようにはいかない。
体力の衰えを感じる。
若い頃に抱いていた夢も、実現しないまま残っている。

そんな現実を目の前にしたとき、
「ここまで頑張ってきたのに、なぜこうなったのだろう」
という思いが湧いてきます。


■「こんなはずじゃなかった」は期待とのズレから生まれる

この言葉について考えるとき、
大切なのは「現実」だけを見るのではなく、
自分がどんな「期待」を持っていたのかを振り返ることです。

たとえば、
「もっと出世しているはずだった」
と思っているなら、その奥には、
・もっと収入が欲しかった。
・人から認められたかった。
・家族を安心させたかった。
・自分には価値があると証明したかった。

そんな願いが隠れているかもしれません。

つまり、苦しさを生み出しているのは、
現在の状況そのものだけではありません。

「本当なら、こうなっているはずだった」
という期待と現実との落差が、
むなしさを大きくしている場合があります。


■その「正解」は、本当に自分が選んだものなのか

もう1つ考えさせられるのが、
自分が思い描いていた人生は、
本当に自分自身が望んだものだったのかということです。

・良い学校へ行く。
・安定した仕事に就く。
・昇進する。
・結婚する。
・家を持つ。
・収入を増やす。

もちろん、それらを自分自身が望んでいるのであれば
何も問題はありません。

しかし、いつの間にか
世間や親、職場、周囲の人たちが考える「正解」を、
自分の人生の目標だと思い込んでいた可能性もあります。

そして50代になり、
その目標をある程度達成しても満たされなかったとき、
「自分は何のために頑張ってきたのだろう」
という疑問が生まれます。

人生後半では、「他人からどう見えるか」よりも、
「自分はどうありたいのか」という軸へ戻っていくことが
必要なのだと思います。


■誰かのせいにも、自分のせいにもしない

「こんなはずじゃなかった」と感じると、
その原因を探したくなります。

・会社のせい。
・家族のせい。
・社会のせい。
・運が悪かった。
そう考えたくなることもあるでしょう。

しかし、すべてを誰かのせいにしてしまえば、
これからの人生を選ぶ力まで手放すことになってしまいます。

だからといって、
「全部自分が悪かった」と責める必要もありません。

過去の自分には、
そのときの事情や知識、環境がありました。

その中で、
自分なりに考えて選んできたはずです。

大切なのは、過去の責任を追及することではなく、
「今から変えられることは何だろう」
と考えることです。


■この節の核心

この節で大切なのは、
「こんなはずじゃなかった」という気持ちを否定することでも、
無理に前向きに考えることでもありません。

まずは、
「自分は、何を期待していたのだろう」
と問いかけることです。

仕事なのか。
収入なのか。
家族なのか。
人からの評価なのか。
安心できる生活なのか。
それとも、自分自身が納得できる人生なのか。

期待の中身を1つずつ分けて考えてみると、
これからも大切にしたいものと、
もう手放してもいいものが見えてきます。


■「こんなはずじゃなかった」から人生を再設計する

期待していた人生にならなかったことは、
必ずしも人生の失敗を意味するわけではありません。

むしろ、これまでの人生設計が自分に合わなくなってきたからこそ、
新しい設計図を描き直す時期が来たとも考えられます。

・役職。
・収入。
・世間体。
・他人からの評価。

そうしたものだけではなく、

・自分の時間。
・好きなこと。
・人とのつながり。
・新しい経験。
・心穏やかに過ごせる毎日。

人生後半では、
自分にとっての「豊かさ」を改めて定義し直すことができます。


■自分に問いかけてみる

「こんなはずじゃなかった」と思ったときには、
少し立ち止まって考えてみたいと思います。

自分は、何について「こんなはずじゃなかった」と感じているのか。
何を手に入れれば、人生は報われると思っていたのか。
その期待は、本当に自分が望んだものだったのか。
それとも、周囲から受け取った「人生の正解」だったのか。
そして、今から1つだけ変えられるとしたら何を変えたいのか。

過去の人生をやり直すことはできません。

けれども、これからの人生の基準は、
自分で選び直すことができます。

「こんなはずじゃなかった」という思いは、
人生に裏切られた証拠ではなく、
「これからは、自分の基準で生きてみよう」
気づくためのサインなのかもしれません。

50代は、過去の人生を採点する時期ではなく、
これからの人生を自分らしく再設計していく節目なのだと感じました。


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