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tsuruhato
観測0日目|地図に載らない場所の話
この数年、同じ道を何度も歩いているのに、うまく説明できない場所がある。
新しい店ができては消え、古い建物が取り壊されそうで取り壊されず、誰のものでもない時間だけが滞留しているような一角だ。
不思議なのは、そこが「寂れている」わけではないことだ。むしろ、よく見ると人はいる。灯りもある。音もする。ただ、それらが一つの方向に収束していない。
うまく言えないが、街が「まとまろうとしていない」。
例えば観光地であれば、見るべきものがあり、動線があり、意味が用意されている。ここにはそれがない。あるいは、まだ決まっていない。
地図に載せるには、少し早すぎる。
ただ、何かが起きている気配だけは確かにある。
それをどう呼べばいいのか、まだ分からない。
