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子猫さくら🌸の短編ファンタジー【風をしまうポケット】

夕暮れの帰り道。
子猫さくら🌸は、古い坂道をひとりで歩いていました。

西の空は、オレンジ色を少しずつ溶かしながら、群青色へ変わっていきます。

遠くの電線には、小さな鳥たちの影。
風はやわらかく、どこか懐かしい匂いを運んでいました。

その風に吹かれるたび、
さくら🌸は不思議に思うのです。

どうして人は、
うれしい時ほど少し寂しくなって、
悲しい時ほど、優しい景色を思い出すのでしょう。

道ばたの花は、誰に見られるでもなく揺れています。

急ぎ足の人。
立ち止まる人。
笑っている人。
泣きそうな顔の人。

みんな何かを抱えたまま、
同じ夕焼けの下を歩いていました。

さくら🌸は、小さなポケットに風を集めます。

うまく言葉にできなかった気持ち。
あの日の後悔。
会えなくなった誰かの声。
言えなかった「ありがとう」。

風は、それを責めません。
ただ静かに包み込み、空へ流していきます。

やがて一番星が光るころ、坂の上から子どもの笑い声が聞こえました。
それは、今の笑顔なのか、昔の記憶なのか、さくら🌸にはわかりません。

けれど、その音を聞いた瞬間、胸の奥の小さな隙間に、あたたかな灯りがともった気がしました。

生きることは、
何かを手に入れることより、
消えそうな光を、そっと見失わないことなのかもしれません。

さくら🌸は空を見上げます。
夜風は、今日もやさしく世界を撫でていました。


おしまい…




抱えた想いは 風に預けて
  消えない灯りを 胸にしまう
    明日はきっと やさしく揺れる

遊んでくれてありがとう💕


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