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『10年後も覚えてもらえているような踊りをしなさい!』

こんにちは、アキです。
京都でフラメンコを教えております。

私が「踊り」を始めたのが小学5年生の時。
当時は「ジャズダンス」に夢中でした。
それから、20歳でダンス専門学校に入学し、バレエ、モダンダンス、コンテンポラリーダンス、ジャズダンス、舞台製作などを学びました。
専門学校卒業後は、ストリート系のダンススタジオを2つ通いながらブレイキングダンス、ロックダンス、ポッピングダンス、ソウルダンス、ヒップホップダンスを習いました。
「プロのダンサーになりたい!」と思い、ただがむしゃらに努力していましたが、まったく芽が出ませんでした。
「私にはダンスの才能がないかも···」と諦めてしまった私は「これからは、医療の道に進もう!」と決心し、スポーツトレーナーの専門学校に入学しました。
卒業後にスポーツトレーナーの民間資格を取得したものの、自分が本当にやりたい事が見いだせずに虚無感ともどかしさ、将来への不安を抱えながら過ごしていました。
そんな私を憐れに思った母親が、私を「フラメンコ」の世界へと導いてくれました。

2001年頃に始めたフラメンコですが、今年で18年目になります。(2015〜2021年までは、育休でフラメンコはしませんでした)
ダンスに人生を捧げてきた私は、今までたくさんの先生やプロダンサーに出会ってきました。
私が今まで習ってきたダンスの先生やインストラクターの人数を数えると、約60名ほどになります。(ワークショップやクルシージョなどの短期講習も含めての人数です)
その中で、私が尊敬する先生が2人います。
1人は専門学校の時にモダンダンスを教えてくれたH先生(女性)。
そして、もう1人がフラメンコ留学時にフラメンコを一から教えてくれたフェリペ先生(男性)です。

専門学校の時に講師であったH先生は、私がダンスのことをまったく知らない時に、ダンスが世の中の人達からどんな風に思われているのか、ダンサーが世の中からどんな扱いをされるのかを、1つ1つ丁寧に教えてくださいました。

フェリペ先生は、フラメンコの基本中の基本を本当に根気良く教えてくださり、フラメンコの自主練習方法や反復練習する大切さを教えてくれました。
そして、この2人の先生が共通して私に教えてくれた大切なことがあります。
それは「あなたのダンスを観た人が、10年後もあなたのダンスを覚えているようなダンサーになりなさい!」でした。
他にも、H先生は授業の時にこんな話をしてくれました。
「ダンスの発表会を観に来た人達のほとんどは自分の知り合いか、上手い人にしか目が行かない。それに、観に来た人達は発表会の作品はプログラムの一番最初の作品か、一番最後の作品しか頭の中に残らないもんだよ。だから、人の記憶に残るようなダンスや作品を作りなさい!」と言われました。

フェリペ先生は、H先生とは少し違ったニュアンスで私に教えてくれました。
フェリペ先生が日本に来日した時、フェリペ先生のホストをしていた私は、フェリペ先生と一緒に自宅でフラメンコのDVDを観ていました。
その時、お世辞にもあまり上手くないダンサーを見て、私は笑いながらフェリペ先生に「このダンサー、どう思います?」と尋ねました。
私はフェリペ先生が自分と同じ反応すると思っていたのですが、フェリペ先生は真剣な顔で「記憶に残れば良いんだよ。上手いか、下手ではない。」と話してくれました。

ダンスを続けている人なら、踊りが「上手いか!下手か!」に執着したり、テクニックや技術の向上に溺れる場合があります。
実際に、私自身も若い頃は「私は◯◯さんより上手いか?上手くないか?」と他人と比較したり、自分の動画を見て「全然、上手くない···、下手だ···。」と自己評価して、自己嫌悪に陥ることを何度も繰り返し行ってきました。

しかし、25年以上踊りを続けてきて、やっと2人の先生が言っていた意味が理解出来るようになりました。
ダンスの技術やテクニックは、あくまでも手段に過ぎない。
ダンスや踊りは「観ている人に自分が何を伝えたいか!」が、とても大切なんだと思えるようになってきました。
2人の先生が教えてくれたことを言い換えれば「あなたの踊りを見た人が、あなたの踊りをすぐに忘れ去ってしまうような踊りはしてはいけない!」
または、「あなたの踊りを見た人が、あなたの踊りを忘れることが出来ないほどの踊りをしなさい!」だと思いました。
そう理解した時、私が今までいろんなダンスを観てきた中で、忘れられない踊りをしていたのは、凄いテクニックが上手いダンサーではなく、私が教えた生徒さんが一生懸命踊っている姿や舞台で輝いている生徒さん達の姿でした。
他にも、個性豊かなダンサーや新しい踊りをするダンサーも記憶に残っています。

踊るためには、テクニックや技術はもちろん必要ですし、やはりテクニックや技術が上手いに越したことはないと思います。
しかし、テクニックや技術にばかり拘ったり、ダンスが上手いか下手かばかりに溺れるのではなく、どれだけ自分の心と体と個性に向き合って成長して行けるか。
そして、自分にしか出来ない踊りや表現力を見出せるかが、とても大切だと私は思います。
ただ、そこまで踊れるようになるためには、やはり時間がかかります。
たがらこそ、忍耐して継続したことが、いずれは自らの踊りの力や持ち味にもなり、年齢を重ねれば重ねるほど、若い人達には出来ない内面から滲み出てくる踊りが出来るようになると、私は思います。

忙しい毎日の中で、自分の心と体と精神に向き合える贅沢な時間を楽しんで欲しいです。
そして、あなただけしか出来ない踊りを踊り続けて欲しいと願います。

皆様が幸せなフラメンコライフが送れますように、祈っております。

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