1-30-第2郚薄れゆく意識【䞭䞖粟霊ファンタゞヌ正統掟矀像劇「黎明の噚たち」】

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序章笑い合う未来を蚗された者は 粟霊術ファンタゞヌ黎明の噚たち


 四月䞉十日、東の空が癜み始めた頃。河川工事基地から離れた山林では、倜露を含んだ草が傭兵たちの脛を濡らしおいた。

 前倜、街道を枡った埌に第五班、第六班ず分かれた第䞀班から第四班は、䞀぀の流れを保ったたた北東ぞ進んでいた。先頭には河川工事基地呚蟺ず峠街道を事前に調べた男が立ち、その埌ろを第䞀班長ミッチェルドが進む。第二班、第䞉班、第四班も雑朚の間を抜けながら続いおいた。

 新蚭街道から遠く距離をおく山林の䞭を、疲劎ず睡魔に襲われながら歩みを進める。䜎朚が重なり、ずころどころで倒朚が進路を塞ぐ。先導圹は斜面を斜めに暪切り、根の匵り出した堎所を避けお進んだ。

 埌ろから重い足音が続き、第䞀班の副班長が倒朚ぞ片足を掛けた。腕で幹を抌しお身䜓を越えたずころで膝ぞ手を぀き、二床、匷く瞬きをする。
「もう近いですか  。」

 先導圹のキミュナヌも歩調を緩めた。肩が䞊䞋し、額から流れた汗を袖で拭う。
「ええ。昚日決めた堎所たで、もう少しです。」

 副班長は目元を指で抌さえた。
「八時間ほどず蚀っおいたしたよね  。」

 ミッチェルドが埌続ぞ片手を向けた。前の男の螵ぞ寄りかけおいた者が足をずらし、列が再び開く。
「予定どおりなら、そろそろだ。」

「倜通し山の䞭を歩いお、ただそろそろですか  。」
 副班長は濡れた裟ぞ手を䌞ばしかけ、そのたた腿ぞ掌を圓おた。
「第五ず第六は、今頃もっず楜なずころにいるんじゃないですか。」

 先導圹の口元が僅かに緩んだ。すぐ前方ぞ顔を戻す。
「峠たで歩いおいるんです。向こうも同じですよ。」

「そう蚀われるず  少し気が楜になりたすね。」

「人の苊劎を聞いお楜になるな。」
 ミッチェルドは前方ぞ顎を向けた。
「口を動かすなら足も動かせ。」

「動かしおいたすよ  。」
 副班長は返した盎埌に足を取られ、暪の幹ぞ手を぀いた。すぐ身䜓を起こし、二歩遅れお前ずの間を詰める。

 前方の朚々が少し開いたずころで、先導圹の足が止たった。埌続の䞀人がその背ぞ寄りかけ、暪ぞ螏み出しお朚の幹ぞ手を぀く。さらに埌ろでは靎底が土を擊り、列が順に止たった。

 雑朚の間から緩い䞋り斜面が続き、その先には草に芆われた起䌏ず倒朚が重なっおいる。右手には岩肌の出た厖が䌞びおいた。
「ここです。」

 埌ろから深く息を吐く音が幟぀も重なった。誰も腰を䞋ろさず、朚々の間ぞ顔を向けたたた立っおいる。

 ミッチェルドは腿ぞ片手を぀いお䞀床身䜓を支え、列の先ぞ進んだ。
「基地は。」

 先導圹が朚々の向こうを指した。
「5アヌクほど先です。基地の方が少し高い䜍眮にありたす。䞉日間ここで芋おおりたしたが、向こうの芋回りはこの䞀垯たで入っおきたせんでした。」

「六か所の監芖塔は。」

「基地の端に立っおおりたすので、ここから互いを確認するこずはできたせん。埒歩の巡回も、もっず基地寄りで回っおいたす。」

 ミッチェルドは䜎い草の䞭ぞ螏み入り、倒朚の向こうたで進んだ。足を持ち䞊げるたびに草が脛ぞ絡む。幹ぞ䞀床手を぀いおから腰を萜ずすず、肩から䞋が草ず倒朚ぞ隠れた。厖偎には倪い朚が重なり、その間には人䞀人が䌏せられる幅が続いおいた。

 第䞀班の男が斜面を䞋りおきた。充血した目を指で擊り、草の深い堎所ぞ顔を向ける。
「ここなら寝おも倖から分からんな。」

 ミッチェルドも倒朚ず雑朚の重なりぞ顔を巡らせた。
「ああ。堎所を決めたら、食える奎は食っおおけ。眠れる奎から寝おいい。」

「やっず暪になれるのか  。」

「芋匵りは残す。亀替になったら起こす。」

「分かった  。」
 男は背負い袋を䞋ろし、草の䞭ぞ身䜓を沈めた。

 埌続の第二班が接觊するず、班長が斜面の䞋たで進んできた。
「ここで分けるのか。」

「お前たちは第䞀班の埌ろに぀いおくれ。間を1アヌク空けお、自分たちで堎所を遞んでくれ。」

 第二班長は呚囲を远い、数人を連れお奥ぞ歩いた。草を掻き分けた先で地面が䜎く窪み、その呚囲に雑朚が密集しおいる。
「ここなら入れる。」
 第二班長が郚䞋ぞ手を振った。
「窪んだずころから詰めよう。䞊から身䜓が出る奎は奥ぞ回れ。」

「第䞀班たでは。」

「近づき過ぎるな。班長から蚀われただろう。」

 䞀人が窪地の瞁ぞしゃがんだ。
「ここからなら、向こうの朚たでは芋える。」

「なら䜿える。荷を䞋ろせ。」

 第二班が窪地ず雑朚の間ぞ散っおいった。

 さらに埌ろからパシェリンク率いる第䞉班が姿を珟す。
「第二は決めたのか。」

「今入っおいる。」
 ミッチェルドは林の奥ぞ顎を向けた。
「第䞉はその埌ろだ。第四も続ける。基地偎から第䞀、第二、第䞉、第四の順にする。」

「第四ず離し過ぎおも困るな。」

「お前が四班も仕切っおくれ。こっちは二班の面倒を芋る。」

「分かった。行っおくる。」
 パシェリンクは第䞉班を連れお奥ぞ進んだ。

 第䞀班では、倒朚の陰や草の深い堎所ぞ入った者から背負い袋を䞋ろしおいた。也物ぞ手を䌞ばす者がいる䞀方、袋を枕代わりに暪たわり、目を閉じる者もいる。第二班の窪地からも荷を䞋ろす音が続き、やがお人声が枛っおいった。

 ミッチェルドは第䞀班の間を歩き、暪になった者を避けながら第二班の方角ぞ顔を向けた。窪地では班長が残る者の䜍眮を決め、数人が雑朚の間ぞ入っおいく。

 しばらくしお、奥の朚々を掻き分けおパシェリンクが戻っおきた。歩幅は狭く、第䞀班の近くたで来るず倒朚ぞ片手を぀いた。
「第䞉は決めた  。第四も、その埌ろぞ入れたぞ。」

 ミッチェルドは草の䞊ぞ腰を䞋ろしたたた顔を向けた。
「間隔は。」

 パシェリンクは䞀床目を閉じ、額を袖で拭った。
「第䞉は第二から10アヌクほど空けた。第四も同じくらいだ。向こうも、もう暪になっおる奎がいる。」

「それでいい。芋匵りを残しお眠らせろ。」

「もう䌝えた  。」
 パシェリンクは背負い袋を肩から倖し、倒朚の脇ぞ䞋ろした。
「俺も少し寝るぞ。」

「ああ。前方は俺が芋おおく。起きたら代わっおくれ。」

 パシェリンクは返事の代わりに片手を䞊げ、そのたた草の䞊ぞ身䜓を暪たえた。

 四班の配眮が枈むず、先導圹がミッチェルドの近くたで来た。
「もう䞀床、基地偎を芋おきおもいいですか。」

「昚日ず同じなら十分だろう。」

「今朝になっお倉わっおいたら困りたす。近衛が来る日ですから。」

 ミッチェルドは男の顔をしばらく远った。
「たた䞀人で行くのか。」

「この状況で私に付いおこれる者はいたせん。」

「分かった。六か所を確かめたら、すぐに垰っお来おくれ。」

「分かっおいたす。」
 先導圹は斜面を暪切り、朚々の間ぞ姿を消した。

 第䞀班では男たちが背負い袋を開き、持っおきた食べ物を取り始めた。埌方の第二班から第四班でも、動きが途切れたのを機に食事ぞ移っおいく。

 䞀人が也物を手にしたたたミッチェルドぞ顔を向けた。
「長くなるのか。」

「第五、第六班ず合流するたでだ。」

「今日の倜  、いや明朝頃ですね。」
 男は也物を食みながら呚囲を芋回す。
「峠班も無事ならいいですね。」

「隊長の心配をするくらいなら、自分の呚りのこずを気にしおおけ。」
 ミッチェルドは自分の背負い袋を開いた。
「お前らも、食える時に食っおおけ。埌でもたんぞ。」

「ほずんどの者がもう寝おたすよ。」

「これだからな。俺が以前携わった䜜戊では、二日寝ずに密林を歩いたもんさ。」

「たた班長の昔話が始たったぞ。」

 男たちの口元が緩んだ。

 湿った葉が颚に擊れ、斜面の䞋で小さな氎音が続く。第䞀班の者たちは声を抑え、食べ終えた者から草の䞭ぞ身䜓を収めおいった。

 二時間ほどが過ぎた頃、前方の雑朚が揺れた。

 偵察圹が第䞀班の前ぞ姿を珟し、膝ぞ手を぀いた。
「昚日ず同じです。」

 ミッチェルドが虚ろな目のたた腰を浮かせた。
「六か所ずもか。」

「ええ。監芖も埒歩の巡回も倉わっおいたせん。昚日よりこちらぞ広がった様子もありたせんでした。」

「人は増えおいたか。」

「倖から分かる範囲では同じです。」

「なら、このたた埅぀。」

 偵察圹は差し出された氎を口ぞ含み、喉を動かした。

 ミッチェルドが男の背負い袋ぞ顔を向ける。
「キミュナヌよ、食っおから䌑め。」

「私はもう䞀床、昚倜分かれたずころぞ戻りたす。」

「たた行くのか。」

「近衛隊が来るのを芋たいです。第五班ず第六班ずも合流しないずいけたせん。」

 近くにいた男が也物を噛みながら振り返った。
「今垰っおきたずころだろ。」

「そうですけど。」

「お前、疲れないのか。」

「疲れおいたすよ。」

「そうは芋えんぞ。」

 偵察圹は肩を竊めた。
「寝るのは埌でもできたす。」

 ミッチェルドは男の足元から顔たでゆっくり远った。
「お前の元気さには驚かされるな。」

「ただ動けたす。」

「頌りにしおいる。」
 ミッチェルドは口ぞ也物を運んだ。

「その前にいいですか。」
 偵察圹は前方の山林ぞ身䜓を向けた。
「ここより前ぞ譊戒圹を眮いた方がいいです。巊右に二か所ず぀。朚の䞊ぞ入れば、近衛が近づく前に分かりたす。」

「四人ならもう遞んである。」

 偵察圹が振り返った。
「もうですか。」

「お前が基地を芋に行っおいる間に決めた。今仮眠を取っおいる。起こしお、食べ終わったら前ぞ行かせる。」

 偵察圹は歯を芋せた。
「さすがミッチェルドさんですね。」

「耒めおも食い物は増えん。」

「いりたせんよ。」

「第五、第六に䌚ったら、こっちは持ち堎ぞ入ったず䌝えおくれ。」

「分かりたした。」
 キミュナヌが傍らに立぀䞭、ミッチェルドは草の䞭で眠っおいる四人のずころぞ歩いた。䞀人ず぀肩ぞ手を掛ける。

 偵察圹の姿が朚々の奥ぞ消えるず、ミッチェルドは草の䞭で眠っおいる四人のずころぞ歩いた。䞀人ず぀肩ぞ手を掛ける。
「起きろ。そろそろ行っおくれ。」

 四人は身䜓を起こした。目元を擊る者の暪で、䞀人が背負い袋を匕き寄せる。
「もうそんな頃か  。」

「ああ。食っおからでいい。」

 四人は也物ず氎を取り、身䜓を起こしたたた口ぞ運んだ。食べ終えた者から荷をたずめ、腰ぞ䞋げた歊具を確かめる。

 䞀人が立ち䞊がり、前方の朚々ぞ顔を向けた。
「じゃあ、予定どおり行っおきたす。」

「頌む。」

 残る䞉人も続いお腰を䞊げた。四人は二人ず぀巊右ぞ分かれ、先ほど決めおいた暹䞊の譊戒地点ぞ向かっお雑朚の間を進んでいった。

 その埌方では第二班から第四班たでが朚々ず起䌏の䞭ぞ身䜓を䌏せ、亀替で䌑みながら埅機を続けおいた。キミュナヌは四人が二手に分かれお雑朚の奥ぞ進んでいくのを芋届けるず、昚倜分隊した街道暪断地点ぞ向けお歩き始めた。

 同じ四月䞉十日の早朝、ガンタプ城では、北庭、西庭、南庭の䞉か所で北方䞉十六領の出立準備が進んでいた。

 階士たちは階獣の腹垯を締め、䌎埒は荷車ぞ積んだ荷の瞄を確かめる。領旗が各庭に䞊び、城の南偎にある正門ぞ続く通路には案内圹が立っおいた。

 西庭䞭倮では、䞉぀の宿営区画を芋枡せる台にタリッペヌア、北方総階士団長ノブルバリア、家宰マッタバむン、ポヒュトロンらが䞊んだ。

 北庭から案内圹の声が飛ぶ。
「静かに タリッペヌア公爵からお話がある」

 西庭でも別の案内圹が䞡手を振った。
「手を䌑めおください 公爵の声に泚目しおください」

 南庭で荷を扱っおいた䌎埒たちも手を離し、階士や領䞻ずずもに台の方角ぞ身䜓を向ける。階獣のいななきが数床響いた埌、䞉぀の庭から人声が枛っおいった。

 タリッペヌアは北庭から南庭たで順に顔を向けた。
「これたで我々は、治安巡回のためずしお各領から階士を集めおきた。」

 各庭の前方にいる領䞻たちが台ぞ顔を向ける。

「各領から人を出しおもらい、北方の街道や町を巡った。その結果、治安は回埩しおきた。ここたで動いおくれた皆には感謝しおいる。」

 西庭の階士たちから声が返った。

「だが、我々が王郜ぞ求めおきたものは返っおこなかった。」
 タリッペヌアは台の端ぞ進んだ。
「王郜は我々ぞ皎を課す。議決暩も取り䞊げた。䜕床声を䞊げおも地方に必芁な支揎は斜さない。」

 西庭の奥で数人が互いに顔を向けた。

「我々は埅った。求めるものも䌝えた。それでも倉わらなかった。」

「そうだ」
「い぀たで埅たせる」
「王郜ばかりではないか」
「地方にも人が䜏んでいるぞ」

 声が北庭ず南庭ぞ広がる。

 タリッペヌアは右手を前ぞ䌞ばした。
「この䞊は、我々が実力をもっお珟政府を倒す。我々が望む統治を手に入れるため、これより北方軍は軍事行動ぞ移る」

 歓声が西庭から膚らんだ。
「行こう」
「やっずだ」
「今床こそ取り戻すぞ」

 階士が拳を掲げ、䌎埒も声を重ねる。領䞻の呚囲では家臣たちが互いの肩を叩き、台ぞ向かっお腕を振った。

 タリッペヌアは声を匵った。
「敵は王家ではない 王家は珟政暩に囚われおいる。それを我々が救い出す。そしお地方領䞻の暩力ず、領民の暮らしを取り戻す」

 歓声ず拍手が䞉぀の庭を枡った。正門偎にいた階士たちからも叫びが返っおくる。

 ポヒュトロンは台の䞊から南庭ぞ顔を向けた。
「よく響いおおりたすな。」

 マッタバむンは北庭ぞ顔を巡らせた。
「  あちらは違いたす。」

 北庭の䞀角では領旗が䞊んだたた、人の腕も䞊がらなかった。

 ゚ルリルマヌグを䞭心ずする十䞀領の階士、䌎埒、領䞻たちは、呚囲を包む歓声の䞭で台ぞ顔を向けおいる。

 マペナリルレンが゚ルリルマヌグの近くぞ身を寄せた。䞉぀の庭を枡る歓声の䞭で、声を䜎くする。
「随分な声です。」

「聞こえおいる。」
 ゚ルリルマヌグは甚意された怅子に腰を掛け、䞡手で杖を立おたたた瞌を閉じおいた。

 マペナリルレンは十䞀領の階士ず䌎埒が䞊ぶ方ぞ顔を向けた。領旗の䞋では腕を掲げる者も声を匵る者もなく、呚囲から抌し寄せる歓声の䞭に列が続いおいる。
「我らの陣営で声を合わせる者はおりたせんが  。」

 现面の領䞻が、自領の階士たちぞ顔を向けた。前列に䞊ぶ者の肩越しにも、隣の区画から拳を掲げる階士たちが芋える。
「すぐ隣であのような声を䞊げられれば、感化される者が出おもおかしくありたせんな。」

 ゚ルリルマヌグの指が杖の柄を包んだたた動いた。
「  そうであろうな。」

 幎配の領䞻は十䞀領の列ず、その倖偎を埋める他領の階士たちぞ順に顔を向けた。
「北方軍ずしお亀わるこずの恐ろしさを考えおも、やはり我らが埌方で独自に陣を匵るこずは、重芁さを増しおおるかもしれたせん  。」

 ゚ルリルマヌグは瞌を開き、自領の列ぞ顔を向けた。階士の埌ろには䌎埒たちが䞊び、その向こうでは再び歓声が膚らんでいる。
「䌎埒らに耳を塞げず蚀うこずもできぬからな  。」

 マペナリルレンは隣に立぀領䞻たちぞ顔を巡らせた。
「ですが、我らの意思はカズルダンで統䞀されおおるはずです。我らがそれを信じお参りたしょう。」

 现面の領䞻は倖衣の胞元ぞ手を添えた。
「ここたで十䞀領で参ったのです。今になっお我らの内から厩れるわけには参りたせん。」

 幎配の領䞻も杖を持぀゚ルリルマヌグの脇ぞ半歩寄った。
「そうですな。階士にも䌎埒にも、我らが䜕のためにここぞ来たのかは䌝えおおりたす。」

 少し離れおいた若い領䞻が、自領の旗の䞋ぞ䞀床顔を向けおから䞉人ぞ寄った。
「それでも、これから毎日あの者たちず道を進むのです。こちらの者たちの様子は、我々で芋おおきたしょう。」

 マペナリルレンが若い領䞻ぞ顔を向けた。
「ええ。それぞれ自領の者たちをお願いしたす。」

 幎配の領䞻がゆっくり頷いた。
「負けたせぬぞ。」

 やがお歓声が収たり始めるず、マッタバむンが台の前ぞ進んだ。
「これより行軍の手順を䌝えたす。北方軍本隊は昚日定めた順にガンタプを発぀。トヌリスミアを通過し、その先たで進んで宿営する。」

 䞉぀の庭では案内圹が埌方ぞ同じ内容を䌝えおいく。

「呌び出された領から、順を守っお正門ぞ進たれよ。我々の手にあるべきものを取り戻そう。」

 各領の階士たちは掛け声ず拍手で応え、領旗の䞋では䌎埒たちも互いに顔を合わせお声を重ねた。

 南庭の領䞻が隣の領䞻ぞ身䜓を寄せた。
「王家を敵に回す話ではないず、ここで明蚀したのは倧きいな。」

「さすがはタリッペヌア公爵。これでわが軍の士気もいよいよ高たったず蚀うものだ。」

 別の領䞻が階獣の手綱を握る階士たちぞ顔を向けた。
「たこずにそうよ。この䞊は䞀日でも早くりェルリンドルを倒し我らの手に議決暩を取り戻しお芋せる。」

「  お前たち、勝手な行動はできぬず昚日蚀われたではないか。もう忘れたのか。」

 最初の領䞻は正門ぞ続く通路を捉えた。
「分かっおおる。気持ちを蚀っただけだ。高たる気持ちに氎を差すな。」

「  そうであったか  。」

 台の䞊ではノブルバリアが前ぞ進んだ。
「本隊より先に、ガンタプ階士団の先遣隊をトヌリスミアぞ向かわせる。珟政府の出先機関を急襲し、今回の行軍の足掛かりを確保する。必芁な物資は十分に揃っおいる。しかし、ここを制圧し蓄えられおいる物資を接収する。」

 台の䞋で埅機しおいた階士たちが階獣のそばぞ集たった。

 ノブルバリアは台から䞋り、先遣隊の前ぞ向かう。先頭には副団長が立ち、その埌ろで階士たちが手綱を握っおいた。
「副団長。」

 男が数歩近づいた。
「こちらに。」

 ノブルバリアは先遣隊から距離を取り、声を抑えた。
「向かう堎所は分かっおいるな。」

「マンタスが䜿っおいた斜蚭です。」

「商通ず倉だ。政府の指瀺で郜垂開発の物資を集めおいた。」

「本人は。」

「牢ぞ入れられおいる。」

 副団長の眉が動いた。
「では、今は誰もいないずいうこずですか。」

「ああ、今はトヌリスミアの階士が護衛しおいるそうだ。」

「では実際は、襲撃ではなく、ただの補絊ずいうこずですね。」

「そういうこずだ。しかし、それだけではない。マンタスの商通から物資を運び出した埌、その商通だけを砎华せよ。」

「  なるほど、芪政府䜏民ぞの芋せしめずいうこずですね。」

「そういうこずだ。しかし残る別の商通や倉には手を出すな。それはポヒュトロン公爵が接収利甚するそうだ。」

 副団長は口を結び、少し考えおから続けた。
「分かりたした。察象は珟地の護衛階士に確認し、砎华する。以䞊ですね。」

 ノブルバリアは副団長の顔を捉えた。
「ああ、くれぐれも砎华だ。燃やしおはならん。」

「かしこたりたした。」

「接収した物資は埌続の䌎埒に匕き継ぎ、トヌリスミアの倖れで宿営区画を敎理しおおいおくれ。」

「はい。䟋の、協商連䌚の䜿いの者たちが占拠しおいるあたりですね。」

「そのあたりが宿営に適しおいる平坊な堎所だ。」

「存じ䞊げおおりたす。お任せを。」

「では出立せよ。」

 副団長は階士たちぞ身䜓を向けた。
「我が隊はこれより先遣隊ずしお出発する 正門ぞ進め」

 階士たちが階獣ぞ跚り、領旗を先頭に南の正門ぞ向かった。

 先遣隊が城倖ぞ抜けおいくず、各庭の案内圹が本隊の出陣順を読み始めた。
「ログバディア公爵軍、正門ぞ」

 西庭から領旗が進み、階士、䌎埒、荷車が埌に続く。

 ログバディア軍の先頭が通路ぞ入るず、次の区画から声が飛んだ。
「トルシバン䌯爵軍、準備を」

 階士団長が埌方ぞ腕を振る。
「䌎埒は荷車から離れるな 呌ばれるたでそのたただ」

「ベルツァン䌯爵軍、続いおください」

 ログバディアの領旗が正門の倖ぞ消え、トルシバンの軍が通路ぞ入る。ベルツァンの階士たちも階獣を連れお区画の前ぞ進んだ。

 北庭、西庭、南庭では前の領が抜けるたび、次の軍が南ぞ向かっおいく。

。

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最埌たで目を通しおくださり、嬉しく思いたす。

ここたでお越しいただいたあなたに䜕かリアクションをいただけたら幞せいっぱい、感激です。

どんな䞀蚀でも、ぜ぀りず残しおもらえたら、倧奜きなあなたをもっず奜きになっちゃいたす。ぜひ亀流させおください。

いいなず思ったら応揎しよう