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法定開瀺曞面ずフランチャむズビゞネス第回

 前回は、1983幎昭和58幎に制定された「独占犁止法 フランチャむズ・ガむドラむン」の内容ず、その埌、2002幎(平成14幎、2021幎(什和3幎)に行われた改定に぀いおご説明したした。
 今回は、少し時間を巻き戻しお、独犁法 フランチャむズ・ガむドラむンず䞊んで法定開瀺曞面の根拠ずなっおいる「䞭小小売商業振興法」ずその斜行芏則が、どのような経過で改正されおきたのかを芋おゆきたしょう。
 この歎史を远っおゆくず、法什やガむドラむンずいうものは、圹所の人たちが机䞊の思い぀きで䜜ったものではないこずがよく分かりたす。その背景には、その時代ごずに、実際に起きた加盟店トラブルがあるのです。


平成に入っお急増したフランチャむズ・ビゞネス

 第1回で説明したように、1973幎昭和48幎に䞭小小売商業振興法が斜行され、その第11条によっお、フランチャむズ本郚には加盟契玄前の䞀定の情報開瀺が矩務付けられたした。
 さらに1983幎昭和58幎には、公取委によっお「フランチャむズ・システムに関する独占犁止法䞊の考え方」、いわゆるフランチャむズ・ガむドラむンが制定されたした。
 ずころが、その埌フランチャむズ・ビゞネスは急速に拡倧したす。
 小売業、倖食業だけではありたせん。孊習塟、リフォヌム、ホヌムクリヌニング、敎䜓、介護、各皮サヌビス業など、それたでフランチャむズずはあたり瞁のなかった業皮にもFC化が広がっおゆきたした。
 そしお1990幎代埌半から2000幎代初頭にかけお、加盟店開発そのものを倖郚䌁業が請け負うずいうビゞネスも拡倧したした。その代衚的な存圚のひず぀が、株匏䌚瀟ベンチャヌ・リンクでした。

ベンチャヌ・リンクず加盟店開発

 ベンチャヌ・リンクは、自らがひず぀のフランチャむズ本郚を経営するずいうより、耇数のFC本郚に察しおコンサルティングを行い、本郚構築や加盟店開発を支揎するビゞネスを倧芏暡に展開しおいたした。圓時、同瀟が関䞎したフランチャむズチェヌンは、どれも急速に店舗数を増やしたした。
 ここで問題になったのが、「加盟店を増やすこず」ず「加盟店を成功させるこず」が必ずしも䞀臎しないずいう、フランチャむズ・ビゞネスが持っおいる危険性です。
 ベンチャヌリンクが加盟店を1店開発しお本郚に玹介すれば、加盟金などの初期収入が本郚に入り、加盟開発を代行するベンチャヌ・リンクにもその䞀郚が成功報酬ずしお入りたす。
 そうなるず、加盟垌望者に察しお事業のリスクを十分に説明するこずよりも、加盟契玄を締結させるこずそのものが目的になりかねたせん。
「この事業ならこれだけ売れる」
「幎で投資を回収できる」
 こうした加盟勧誘時のオヌバヌセヌルスず、実際に加盟店を開業した埌の業瞟ずの食い違いを巡っお、各地でトラブルが起きるようになりたした。
 たた、建築および内倖装工事、蚭備機噚から商品・原材料の仕入たで、ベンチャヌ・リンクは䞭間マヌゞンやキックバック収入を埗、その結果、加盟店が開業しおもなかなか採算に乗らない事䟋、投資回収が困難になる事䟋が倚発したした。
 さらに、加盟店の開店予定地域に出店する暩利゚リア出店暩を販売するいわば商圏地図を切り売りするような商法にも手を出し、加盟者が契玄締結埌䞀定期間のうちに加盟店を開業できなければ、加盟金を没収するずいうような行為も行いたした。
 ベンチャヌ・リンクが関䞎したフランチャむズ本郚を巡る問題は、圓時のフランチャむズ業界においお、加盟募集時の情報開瀺をもっず厳栌にしなければならないこずを匷く認識させた出来事のひず぀でした。

そしお行政も動きたす。

2002幎平成14幎の倧改正


 2002幎平成14幎、たず経枈産業省が䞭小小売商業振興法の「斜行芏則」を改正したした。
 ここは正確に曞いおおきたしょう。䞭小小売商業振興法第11条そのものをこの時に改正したのではありたせん。同条を受けお、具䜓的な本郚が加盟者に事前に説明すべき開瀺事項を定めた「䞭小小売商業振興法斜行芏則」を改正したのです。
 ちなみに、この改正に先立ち、フランチャむズ業界ずしお改正に向けた怜蚎が行われ、かくいうこの私も、改正案を怜蚎するプロゞェクトのメンバヌずしお参画いたしたした。圓時、(䞀瀟)日本フランチャむズチェヌン協䌚の顧問匁護士で、独占犁止法の倧家であった川越憲治先生(故人)もそこにはいらっしゃっお、私は、フランチャむズ盞談センタヌで、日々、被害者の悲痛な声に察応しおきた最前線の立堎で、実効性のある改正案の起草のための意芋を申しあげたした。その結果、たずたったのが、この改正案です。
 この時の改正によっお、法定開瀺曞面で本郚が加盟垌望者に開瀺しなければならない情報が倧幅に拡充されたした。特に重芁なのは、

・本郚の資本金や䞻芁株䞻、圹員など、本郚䌁業の経営䞻䜓に関する情報
・本郚の盎近3事業幎床の貞借察照衚・損益蚈算曞
・盎近3事業幎床における加盟店舗数、新芏出店数、契玄解陀店舗数、
 契玄曎新・非曎新店舗数
・盎近5事業幎床に本郚ず加盟者・元加盟者ずの間で起きた蚎蚟件数
・契玄期間䞭および契玄終了埌の競業犁止に関する芏定
・契玄期間䞭および契玄終了埌の秘密保持に関する芏定
・加盟店の売䞊金を本郚ぞ送金させる堎合の時期や方法
・本郚が加盟者に融資たたは融資のあっせんを行う堎合の条件
・店舗の構造や内倖装に぀いお本郚が加盟者に課す特別な矩務
・契玄違反の堎合に加盟者が負担する違玄金その他の矩務
などが、加盟契玄を締結する前に開瀺すべき事項ずしお远加・拡充されたこずです。

 それたでの法定開瀺曞面は、加盟金、商品の販売条件、経営指導、商暙の䜿甚、ロむダルティなど、どちらかずいえば「これから締結する契玄の条件」を説明する性栌が匷いものでした。
 平成14幎の改正によっお、そこに本郚の財務状況、加盟店の出退店状況、さらには本郚ず加盟店ずの蚎蚟件数たで開瀺する矩務を本郚に負わせるこずにより、加盟者が加盟の意思決定に必芁な刀断材料ずなる情報を事前に入手できるようなりたした。
 ぀たり、加盟垌望者が「この契玄条件を受け入れられるか」だけではなく、「そもそも、この本郚は信甚しお加盟しおよい䌚瀟なのか」を契玄前に刀断するための情報たで開瀺させる制床ぞず、倧きく螏み蟌んだのです。

 そしお同じ2002幎4月、公取委もフランチャむズ・ガむドラむンを党面的に改定したした。
 公取委自身が、この改定に぀いお、フランチャむズを利甚した事業掻動が急増し、地域経枈における比重も高たり、本郚ず加盟者ずの取匕を巡り様々な問題が発生しおいるこずを背景ずしおいるず説明しおいたす。
 このように、2002幎は、日本のフランチャむズにおける情報開瀺制床が倧きく倉わった幎です。
以埌、「契玄曞に曞いおあるのだから加盟者の自己責任」だけでは枈たされなくなりたした。
 契玄を締結させる前に、本郚は加盟者に加盟刀断に必芁な情報をきちんず提䟛しなければならない。
 珟圚の法定開瀺曞面制床の基本的な圢は、この時に敎えられたずいっおよいでしょう。
 こうした法改正により、加盟店䞻からの搟取で急成長した株ベンチャヌリンクは倱速、2012幎に経営砎綻しお瀟䌚から葬り去られたのです。

2009幎、セブンむレブン・ゞャパンに排陀措眮呜什

 その埌、フランチャむズ芏制を考える䞊で非垞に重芁な事件が起きたす。
 2009幎平成21幎6月22日、公正取匕委員䌚は、株匏䌚瀟セブンむレブン・ゞャパンに察しお、独占犁止法に基づく排陀措眮呜什を出したした。
 問題ずなったのは、お匁圓やおにぎりなど、消費期限の迫ったデむリヌ(日配)商品の「芋切り販売」です。

 コンビニ䌚蚈の仕組では、売れ残っお廃棄されるおにぎりや匁圓などの商品の仕入原䟡盞圓額を加盟店偎が負担するルヌルになっおいたす。加盟店ずしおは、消費期限切れが迫った商品を廃棄するくらいなら、倀䞋げしお売り切った方が廃棄による損倱を枛らせたす。これは経営者ずしお圓然の刀断です。
 しかし、セブンむレブン・ゞャパンは、こうした加盟店の圓然の行為を認めず、芋切り販売を行おうずする加盟店に察し、それを取りやめさせるなどしおいたした。
 公取委は、党囜の加盟店に察しお行った地道なヒアリング調査の結果をたずめ、それを根拠ずしお、セブンむレブン・ゞャパンが、芋切り販売をしようずする加盟店に察しお、それを取りやめさせる行為を行っおいたず認定したした。その結果、加盟店は、自らの合理的な経営刀断によっお廃棄損倱を枛らす機䌚を倱っおいたのです。
 公取委は、これを本郚による「優越的地䜍の濫甚」ず刀断し、排陀措眮呜什を出したのです。
 フランチャむズ本郚ず加盟店は、法埋䞊はそれぞれ独立した事業者です。本郚がブランドやノりハりを加盟店に提䟛しおいるからずいっお、加盟店の経営刀断を䜕でもかんでも自由に支配できるわけではないのです。この事件は、本郚ず加盟店の関係の圚り方を、行政凊分によっお䞖間にはっきり瀺した、我が囜のフランチャむズ史䞊きわめお重芁な事件でした。

そしお24時間営業問題

 それから玄10幎埌、再びセブンむレブンを巡る問題が瀟䌚を倧きく動かしたす。
 2019幎、東倧阪垂のセブンむレブン加盟店が、人手䞍足などを理由ずしお24時間営業を取りやめ、深倜に店を閉める時短営業を始めたした。その埌、本郚は2019幎12月31日付で加盟店契玄を解陀したした。本郚偎は顧客からの苊情などによっお信頌関係が損なわれたこずを理由ずしたしたが、加盟店偎は、時短営業などをめぐっお本郚ず察立したこずを背景ずする䞍圓な契玄解陀であるずしお争い、蚎蚟に発展したした。
 この、本郚ず加盟店ずの察立は党囜的に報道され、「コンビニは本圓に365日24時間営業でなければならないのか」ずいう問題が、䞀加盟店ず䞀䌁業ずの契玄問題を超えお瀟䌚問題になり、その埌、本郚ず加盟店ずのこの察立は契玄解陀を巡る争いにたで発展したした。
 この事件をひず぀の契機ずしお、コンビニ本郚ず加盟店ずの力関係そのものに瀟䌚の目が向けられるようになりたす。
 公取委は2019幎10月から2020幎8月にかけお、倧手コンビニチェヌンの党加盟店5侇7524店を察象ずする、初めおの倧芏暡な実態調査を行いたした。この調査に察しお、1侇2093店のコンビニ本郚加盟店からの回答が寄せられたした。
 その結果、
・加盟募集時の予想売䞊・予想収益の説明
・加盟店に察する仕入数量の匷制
・幎䞭無䌑・24時間営業
・ドミナント出店
などに぀いお、なお倚くの問題が存圚するこずが明らかになりたした。

2021幎の独犁法フランチャむズ・ガむドラむン改定

 この実態調査を受けお、公取委は2021幎什和3幎4月28日、フランチャむズ・ガむドラむンを改定したした。
 特に重芁なのが、営業時間です。
人手䞍足などによっお加盟店が営業時間の短瞮を垌望しおいるにもかかわらず、本郚が䞀方的に協議を拒絶したり、正圓な理由なく時短営業を認めなかったりする行為は、「優越的地䜍の濫甚」ずしお独占犁止法䞊問題ずなり埗るこずが、より明確にされたした。

さらに、
・加盟募集時の予想売䞊・予想収益の説明
・加盟者の意思に反する仕入数量の匷制
・本郚担圓者による無断発泚
・芋切り販売の制限
・ドミナント出店による既存加盟店ぞの䞍圓な䞍利益
などに぀いおも、独占犁止法䞊の考え方が敎理・明確化されたした。

2022幎、䞭小小売商業振興法斜行芏則の改正

 そしお翌2022幎什和4幎4月1日には、経枈産業省による䞭小小売商業振興法斜行芏則の改正も斜行されたした。
 こちらも、コンビニを䞭心ずしお顕圚化した本郚ず加盟店ずのトラブルを螏たえ、加盟垌望者が契玄前に知っおおくべき情報をさらに充実させる方向で制床が芋盎されたものです。
 珟圚の斜行芏則では、加盟店の営業時間、営業日、䌑業日、本郚たたは他の加盟店が呚蟺地域ぞ同皮店舗を出店する堎合の芏定、いわゆるドミナント出店に関する事項なども、重芁な開瀺事項ずなっおいたす。
 ここたで歎史を振り返っおみるず、法定開瀺曞面の項目がなぜこれほど现かいのか、その理由がお分かりいただけるず思いたす。

加盟募集を巡るトラブルが起きた。
→ だから開瀺項目が増えた。

匁圓の芋切り販売を巡る問題が起きた。
→ だから本郚による加盟店経営ぞの䞍圓な介入が問題にされた。

24時間営業を巡る問題が起きた。
→ だから営業時間や営業日に぀いおも、本郚が䞀方的に加盟店を拘束するこずが問題にされ、契玄前の情報開瀺も匷化された。

 ぀たり、珟圚の法定開瀺曞面に曞かれおいる䞀぀ひず぀の項目の埌ろには、過去に実際に起きた加盟店ずのトラブルがあるのです。

 法定開瀺曞面は、単なる「圹所に決められおいるから䜜る曞類」ではありたせん。
日本のフランチャむズ・ビゞネスが半䞖玀にわたっお経隓しおきた倱敗ずトラブルの積み重ねから䜜られた文曞なのです。

次回は、珟圚の法定開瀺曞面では、具䜓的に䜕を、どこたで開瀺しなければならないのか。
実際の法定開瀺曞面の䞭身や運甚に぀いおお話しする予定です。おたのしみに。

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