夏のポートレートでCPLフィルターを使うときに気をつけたいこと
夏の屋外ポートレートでは、CPLフィルターがかなり効く。
青空を濃くする。
水面やガラスの反射を抑える。
白い石や砂浜の照り返しを落ち着かせる。
緑の葉のテカリを消して、色を深く見せる。
風景写真では定番の便利アイテムだが、ポートレートで使う場合は少し話が変わる。
なぜならCPLは、背景だけではなく、肌の見え方まで変えてしまうからだ。
CPLは肌の反射も消してしまう
CPLフィルターは、不要な反射を抑えるフィルター。
この「反射を抑える」という効果は、海、空、葉っぱ、水面だけに効くわけではない。
人物の肌にも効く。
夏のポートレートでは、肌にいろいろな反射が乗る。
汗。
日焼け止め。
皮脂。
水辺の湿度。
白い砂浜や石からの照り返し。
これらが肌の表面にツヤを作る。
CPLを効かせると、そのツヤが弱くなる。
おでこ、鼻筋、頬、唇まわりのハイライトが落ち着き、肌が少しマットに見える。
これは良い方向に働くこともある。
テカリが強すぎるときは、CPLで抑えると清潔感が出る。
ただし、効かせすぎると問題も出る。
肌がマットになりすぎる
ポートレートの肌には、ある程度のツヤが必要だ。
肌のツヤは、単なるテカリではない。
立体感、透明感、生命感にもつながっている。
CPLを強く効かせすぎると、肌の反射が消えすぎて、少し乾いた印象になる。
しっとり感が減る。
健康的なツヤが消える。
肌が粉っぽく見える。
顔の立体感が弱くなる。
全体的にのっぺりする。
特に女性ポートレートでは、肌のハイライトを全部消すと、かえって魅力が落ちることがある。
CPLは美肌フィルターではない。
どちらかといえば、ツヤ消しフィルターに近い。
最大まで効かせない
ポートレートでCPLを使うときは、最大効果にしないほうがいい。
風景だけを撮るなら、空が一番濃くなる位置、水面の反射が一番消える位置まで回すこともある。
しかし人物が入る場合、そこが必ずしも正解とは限らない。
おすすめは、CPLを回しながらファインダーや背面モニターで見て、反射が全部消える少し手前で止めること。
肌のテカリは抑える。
でも、頬や唇のハイライトは少し残す。
このくらいが自然だ。
反射を完全に消すより、少し残したほうが人間らしい。
夏のポートレートでは、汗や光の気配も写真の一部になる。
瞳のキャッチライトにも注意
CPLを使うと、肌だけでなく瞳の印象も変わる。
特に注意したいのがキャッチライト。
瞳に入る小さな光だ。
ポートレートでは、このキャッチライトがかなり大事。
目に光が入るだけで、表情が生きる。
CPLを強く効かせると、角度によっては瞳の反射も弱くなる。
結果として、目の印象が少し沈んで見えることがある。
唇のツヤも同じ。
夏の光で少し光る唇は、写真に生っぽさを出す。
そこまで消してしまうと、人物の魅力が弱くなる。
CPLを使うときは、空や背景だけでなく、肌、瞳、唇も見る必要がある。
海や白い石の場所では効果が強く出る
夏の海撮影では、CPLの効果がかなり出やすい。
水面の反射。
濡れた地面。
白い砂浜。
白い石。
日差しの強い空。
肌に塗った日焼け止め。
反射の要素が多いので、CPLを回すだけで写真の印象が大きく変わる。
特に白い石や明るい砂浜は、下からのレフ板のように光を返す。
これは人物を明るく見せる一方で、肌のテカリや白飛びにもつながる。
CPLで少し反射を抑えると、全体のギラつきが落ち着く。
ただし、抑えすぎると夏らしい眩しさまで消える。
夏の写真は、多少まぶしいくらいがいい場合もある。
全部を整えすぎると、季節感まで薄くなる。
露出が暗くなることも忘れない
CPLフィルターを付けると、光量が落ちる。
だいたい1段前後暗くなることが多い。
夏の昼間ならそれほど問題にならないが、日陰や夕方ではシャッタースピードやISOに影響する。
ポートレートでは、被写体ブレにも注意したい。
モデルが少し動くだけでも、シャッタースピードが遅いと写真が甘くなる。
CPLを付けたことで、知らないうちにシャッタースピードが落ちていることがある。
特に単焦点を開放付近で使う場合、ボケに意識が向きがちだが、シャッタースピードも確認しておきたい。
広角では空のムラに注意
CPLは、太陽の位置とレンズの向きによって効き方が変わる。
広角レンズで青空を入れると、空の一部だけが濃くなり、ムラが出ることがある。
ポートレートでは、背景の空に不自然なグラデーションが出ると、人物よりそちらに目が行ってしまう。
35mmや40mmくらいでも、構図によってはムラが気になることがある。
空を大きく入れるときは、CPLを効かせすぎないほうが自然に見える。
夏のCPLは「整える道具」
夏のポートレートでCPLはかなり使える。
ただし、何でも綺麗にしてくれる魔法のフィルターではない。
反射を抑える。
色を濃くする。
ギラつきを落ち着かせる。
水面や白い地面の眩しさを減らす。
その一方で、肌のツヤ、瞳の光、唇の反射まで弱めてしまうことがある。
だから、ポートレートでのCPLは「最大まで効かせる道具」ではなく、「少し整える道具」と考えたほうがいい。
夏の光は強い。
でも、その強さが写真の魅力にもなる。
反射を全部消すのではなく、残す反射を選ぶ。
肌のツヤを全部消すのではなく、残したいツヤを見極める。
CPLを使うときに大事なのは、空の青さだけを見ることではない。
人物の肌がどう見えているかを見ること。
夏のポートレートでは、フィルターを回すたびに、写真の温度感まで変わる。
CPLは便利だが、効かせすぎると夏の生っぽさまで消してしまう。
ちょうどいいところで止める。
それが、夏のCPLポートレートで一番大事なことだ。
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