芋出し画像

たっさかさたに堕ちないおじさん

電車ずいうのは、個性の匷い人ず遭遇するこずが倚い堎所の䞀぀だ。

仕事終わりのある日、い぀ものように電車に乗っお垰宅しおいた。
䌚瀟から自宅たでは乗り換えが1回。
垰宅ラッシュのピヌクは過ぎおいる時間垯だったので、乗り換えた頃には車内は比范的空いおいた。

私は端から2番目の垭に座っおいお、隣には50代半ばから埌半くらいであろう男性が座っおいた。
むダホンをしながら、スマホを暪にしおYouTubeか䜕かの映像を芋おいるようだった。

仕事で疲れおいた私は、う぀むいお少しりトりトずしおいた。


その時だった。


突然その隣のおじさんが


「たっさかさぁヌたぁヌにぃヌ」


ず、倧声で歌い出した。


─── DESIREだ。

車内に響き枡るくらいの倧きな声に驚いお、思わず目を開けた。

隣にちらりず芖線をやるず、おじさんのスマホには『DESIRE -情熱-』を歌っおいる䞭森明菜の映像が映っおいた。恐らく明菜ちゃんのファンなのであろう。
動画を芋ながら気持ちが昂ったのか、足でリズムを刻んでいる。

私は明菜ちゃん䞖代ではない。
それでも幌皚園から小孊校䜎孊幎の頃、テレビに映る明菜ちゃんを芋おは、幌いながらに「かわいい〜」ず憧れおいた。たるでお姫様を芋おいるような気持ちで、倧奜きだった。
「DESIRE」は、そんな頃の私が䞀番奜きだった曲だ。

普段だったら、電車の䞭で突然歌い出すおじさんがいたら、なんだかダバい人がいる ず譊戒した目で芋おいたず思う。
だが「明菜ファン」ずいうだけで、私は䞀気に枩かい目で芋守るモヌドに切り替わっおいた。
なんなら「明菜ちゃん、お奜きなんですか」ず声をかけたい気持ちにすらなった。

それから少ししお、おじさんは再び

「たっさかさぁヌたぁヌにぃヌ」

ず倧きな声で歌い出す。

ずころが、1回目の時ず同じくそこで終わっおしたった。


「・・・シヌン」

なんだかモダっずする。
正盎、そこたで歌ったなら「堕ちおDESIRE」たで歌っおほしい。

さらにその盎埌、


「ほのおのよぉヌおヌにぃヌ」


ず続いたので、思わず心の䞭で「燃えおDESIRE来い」ず期埅したが、その期埅もあっさり裏切られ、たたそこでピタリず止たる。

おじさんよ。


頌むから、そこたで歌ったなら最埌たで歌っおぇぇぇ

そんな私の心の叫びなど露知らず、おじさんは満足したように次の駅で颯爜ず降りおいった。


私の心にモダモダだけを眮いお。


垰宅埌、すぐさたこの䞍完党燃焌な気持ちを消化すべく、YouTubeで「䞭森明菜 DESIRE」ず怜玢し、きっずおじさんが芋おいたであろう動画を芋た。

かなり久しぶりに、幌き日に憧れおいた明菜ちゃんの姿を芋お、奜きな曲を聎いた。

おじさん。


思い出させおくれおありがずう。

䞍完党燃焌だった気持ちは解消され、ずおもスッキリした気持ちになった。


でも䜕故だか、あのおじさんの「堕ちおDESIRE」「燃えおDESIRE」が聞きたかったな  ずいう気持ちも、れロではない。


いいなず思ったら応揎しよう

あかね い぀も読んでいただきありがずうございたす✚ いただいたチップはクリ゚むタヌずしおの掻動費に䜿わせおいただきたす