鼻をつまむだけで、味はどこまで変わる? 「さきいか」で実験してみた
前回の記事では、においが風味に大きく影響することをお伝えしました。
実際、私のまわりにも、新型コロナウイルスに感染したことで嗅覚がきかなくなり、「味がわからなくなった」と話していた人が何人かいます。
ただ、正直に言うと、私にはその感覚がよくわかりませんでした。
というのも、私はめったに風邪をひきませんし、ひいたとしても鼻が詰まることがほとんどないからです。そのため、「鼻が詰まると味がしなくなる」という感覚を実感したことがありませんでした。
そこで今回は、鼻が使えなくなると、どれほど味の感じ方が変わるのかを体験してみることにしました。
◆実験方法
やり方はとても単純です。
普通に食べたときと、鼻をつまみながら食べたときの味の違いを比べます。
今回は、嗅覚の影響がわかりやすいように、においの強い「さきいか」を選びました。

なお、先に普通の食べ方をしてしまうと、鼻の中ににおい成分が残ってしまう可能性があります。
その影響を避けるため、まずは鼻をつまんだ状態で食べることにしました。
◆鼻をつまんで食べてみると……
指で鼻をつまみ、そのまま「さきいか」を口に入れて噛んでみました。
最初は味も、においもまったく感じませんでした。
あるのは噛んだときの抵抗感だけ。
歯科医院で唾液検査をするとき、脱脂綿をひたすら噛まされることがありますが、まさにあの感覚です。
それでも、しばらく噛み続けていると、甘味と塩味が混ざったような味を少しずつ感じるようになりました。
しかし、「さきいか」らしい風味はまったく感じません。
もし今食べているものが「さきいか」だと知らされていなかったら、何を食べているのか当てるのはかなり難しいと思いました。
その状態のまま、鼻をつまんでいた指を離してみると…。
一気に「さきいか」の風味が口いっぱいに広がりました。
まさに、「あっ、さきいかだ!」という感覚です。
ほんの一瞬で別の食べものになったようでした。
◆今度は普通に食べてみると……
続いて、鼻をつままずに普通に食べてみました。
最初の2噛みほどは、ほのかな甘味だけを感じます。
3噛み目あたりから、甘味の奥に隠れていた塩味も感じるようになりました。
さらに、鼻をつまんでいたときには気づかなかったコクまで感じられます。
そして、噛むたびに「さきいか」の香りが口の中から鼻へ抜けていくのもよくわかりました。
そのおかげで、「今、自分は『さきいか』を食べている」ということをしっかり認識できました。
◆今回の気づき
今回の実験で、においがあるかないかで、食べものの感じ方はここまで変わるのかと驚きました。
嗅覚は、おいしさをつくる大切な要素なのだと、身をもって実感。
おいしく、そして楽しく食事を味わうためには、体調をととのえることも大切。
そんな当たり前だけれど見落としがちなことを、今回の実験で改めて実感しました。
