忙しくても「味わう」をあきらめない。「最初の3口だけ味わう」という食べ方
妻は保育園で働いています。
昼食は子どもたちと一緒に食べるのですが、小さな子どもたちから目を離すわけにはいきません。
だから、働いているあいだは「味わって食べる」なんてことは、まず無理だと言っていました。
たしかに、子どもたちの様子を見ながら食べるのですから、それも当然です。
妻の話を聞いて、自分はどうだろうと振り返ってみました。
すると、私もゆっくり食べられないことがあることに気づきました。
それは昼食の時間です。
私は普段、空腹を感じていないときは食べないようにしています。
その代わり、「今日は食べたいな」と思ったときは、お店選びにこだわります。
ただ、行きたい店が会社から遠いと、往復の移動だけで時間がかかってしまう。
結果として、食べること自体にあまり時間をかけられなくなってしまいます。
妻と私では理由は違いますが、「ゆっくり食べられない」という状況は同じです。
時間がなくて食事そのものを抜いてしまうのなら仕方ありません。
でも、食べるのであれば、少しでも味わいたい。
何かいい方法はないだろうか。そう思って探していたときに出合ったのが、
ジャン・チョーズン・ベイズ著
『Mindful eating 人生が豊かになる食べ方の習慣』(日本実業出版社)です。
この本の中に、時間がないときでも味わえるヒントを見つけました。
それは、
「最初の3口だけ味わって食べる」
というものです。
もちろん、私はマインドフルネスを実践したいわけではありません。
目的は違います。
ただ、「最初の3口だけ丁寧に食べる」というやり方は、そのまま使えると思いました。
実際にやってみると、これが意外と満足感があります。
最初の3口だけ集中して味わう。
たったそれだけなのに、「ちゃんと食べた」という感覚が残るのです。
ここで大事なのが、最初の3口に何を選ぶかです。
たとえば、トンカツ定食。

端から順番に食べる人も多いと思います。
でも、味わえるのは最初の3口だけ。
なので、最初のひと口は一番おいしそうな真ん中から食べます(上の写真の肉の断面が上を向いている部位)。
しかも最初は塩で。
素材の味をそのまま確かめる。
ふた口目はソースをつけて。
定番の味を楽しむ。
そして3口目は、しじみ汁を味わう。
そんな食べ方をします。
ほかのメニューでも同じです。
「これがこの店のウリだろう」
と思うものから順番に味わいます。
こういうときは、ベジファーストなんて言っていられません。
限られた時間の中で満足感を得ることを優先します。
「最初の3口」と書きましたが、別に3口という数字にこだわる必要はありません。
味わいたいものが少なければ1口でもいい。
逆に気になるものがたくさんあれば5口でも6口でもいい。
時間が許す範囲で、じっくり味わえばいいのです。
実は妻も、この食べ方をするようになって変化がありました。
保育園の給食を意識して味わうようになってから、調理師さんが作ってくれるレシピが気になりはじめたのです。
「これ、どうやって作っているんだろう?」
そう思うようになり、レシピを聞いてきて、家で再現してくれることまであります。
ほんの数口味わうだけで、食事への興味が広がったのです。
おかげで、食卓がさらに豊かになったような気がしています。
忙しい毎日の中では、ゆっくり食事をするのが難しい日もあります。
気づけば何を食べたのかさえ思い出せない。
そんな日もあるでしょう。
でも、最初の3口くらいなら味わえるのではないでしょうか。
もし最近、「食べた記憶があまり残っていないな」と感じているなら、一度試してみてください。
たった数口でも、食事の満足感は意外と変わるものですよ。
